【BARKS編集部レビュー】ハイレゾを気軽に堪能できるおススメプレイヤー、xDuoo X3

ここのところ、ツボにハマるアイテムとの出会いが多くて日々が楽しい。今日はこのプレイヤーを使おうかな…とか、たったそれだけのことで通勤や移動がウキウキし始めるんだから、我ながら単純なものである。

◆xDuoo X3画像

今回紹介するのは、デジタルオーディオプレイヤーだ。xDuoo（エックスデュオ）はオーディオ製品のOEM生産を行っている中国広東省の会社が立ち上げた自社ブランドで、オーディオプレーヤーやポータブルヘッドホンアンプなどをラインナップしている。これまでも安価ながら品質の高いオーディオ機器を数多く発表しており、コストパフォーマンスに優れたヒット作を生み出してきたブランドだが、2015年末に日本発売がスタートとなったxDuoo X3は、これまでのノウハウが結実した珠玉の出来をみせている。

価格は22,800円（税込）。これを安いと見るか高いと見るかは人それぞれの価値観に拠るところだとは思うが、数多くのファイルフォーマットをサポートしながら24bit/192kHzのハイレゾをさくっと再生してくれる非常に優れたミュージックプレイヤーだ。コンパクトなサイズながらサウンドも十二分なクオリティを持ち、気軽ながらも高品質に音楽を楽しませてくれる魅力的な一品となっている。



気軽に使えるというポイントには、「小さくコンパクト」「軽いものの堅牢なアルミボディで頑丈」「操作がシンプル」「起動がバカッ速」「バッテリー持ちもぼちぼち許容内（公称8時間）」といった、日々の使用にてストレスを感じさせない絶妙な設計にある。サウンドも馬力のあるもので、ポータブル環境で使う分には全く不満を感じさせない。ハイエンド機器と比較しシビアに評すれば深みや艶はなく奥行きも感じられないサウンドで、これより良いサウンドのプレイヤーはこの世にたくさん存在するけれど、価格を鑑みれば充足感で心は満たされ不満は出てこない。このサイズ＆軽さの使いやすさは、「おい、遊ぼうぜ！」「おう！」とノリの良い友達のような感覚にも近く、実用性の高さが抜群に優れているのである。

使いやすさには、microSDカードスロットを2基保有している点も大きい。内蔵ストレージは有していないので、少なくとも1枚はmicroSDカードが必須だけれど、私の場合は128GBを2枚刺すことでこんな小さな筐体でも256GBの持ち運びが実現できている。


もちろん問題点や弱点がないわけではない。サンプリングレートが変わるたびに曲頭にプチッというノイズが乗る点や、輝度不足なのか画面のブルーの文字が野外ではほとんど見えないこと、イヤホンジャックが鬼のように硬い（きつい）など、「こんなんでいいんだっけ？…、ま、いっか」というところも散見される。アートワークも表示できないし、そもそもタッチパネルでもないので、便利さや所有欲を満たす類のものではない。大量のハイレゾ音源を「いつでもどこでも高音質のまま気軽に楽しむ」という、ただただ音楽好きのために生まれたようなシンプルなプレイヤーだ。


ただ一方で、ラインアウトが付いている点は見逃してはいけないチェックポイントかもしれない。私の場合は、あくまで気軽なプレイヤーとして普段使いしているだけなのでラインアウトを使うことはないのだけれど、ポータブルオーディオ・ファンの中には「既にお気に入りの音を出すアンプを持っており、プレイヤーはライン出力さえしてくれればそれでOK」という人も少なくない。「microSDカード×2分の音源を持ち運ぶことができる軽量＆コンパクトなハイレゾライン出力機」と捉えても、xDuoo X3はとても魅力的なアイテムだ。アンプと組み合わせた多段運用はどうしてもかさばり重量も増えてしまうだけに、xDuoo X3のコンパクトさはここでも重宝されることだろう。

text by BARKS編集長 烏丸哲也




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