【BARKS編集部レビュー】アルティメットイヤーズUE900s、UE900と比べてみた

▲左がUE900、右が新登場するUE900s。

▲左：UE900、右：UE900s。トップのフェイスプレート部分に変化はない。

▲コネクタ受けが別パーツだったが、UE900sではハウジングの一部となった。

▲ステム先端の形状にも変化が見られる。

▲角度によってステムの長さが違って見えるが、おそらく長さは変わらないと思われる。

▲充填物の変更により、ハウジングがクリアできれいになっている。

▲同梱するイヤーピース。

▲このようなこけしのような状態で立っているので、このまま耳へ挿し、大きさとフィット感を確かめることができる。

▲中央のチューブがメンテナンスジェルと書かれているクリーナー／エンハンサー。

▲同梱ケース。左がUE900用、右がUE900s用。質感は旧モデルの方が上だが、UE900s用の方が実用性は高い。

▲全同梱物の比較。左がUE900、右がUE900s。

Ultimate Earsのユニバーサル型イヤホンの最上位フラッグシップモデルUE900がUE900sとなって再登場する。発売はゴールデンウイーク明けの5月9日だ。UE900が発売されたのが2013年3月だったので、1年強にしてリニューアルがかかったことになる。オフィシャルからのアナウンスによると、ドライバーの位置とバスチューブの配置が変わり、それによってより力強い低音域とともにバランスの取れたサウンドが実現されたとある。

◆アルティメットイヤーズUE900s、UE900画像

UE900とUE900sの現物を用意しその違いを確かめてみると、サウンドはもとより、細かいところの作りこみにもメスが入っており、設計から同梱物、パッケージに至るまであらゆる部分に変更が行われていることがわかる。すべての部分でその違いは微細だが、確実に違いが現れているというのが事実だった。

サウンドの違いは微細で、体調がすぐれないと聞き分けはできなくなるかもしれないというレベルだと思う。それよりもイヤーピースの大きさや素材の違いから生まれるサウンドの変化のほうが影響は大きく、旧UE900ユーザーはさほどナーバスになることもないのではないか。ただ一方で、シビアに聞き比べをするならば、中～低域のクロスオーバーが減ったことで結果的に低域が引き締まってヌケが良くなった様に聞こえる。そして実のところ、4KHzあたりの金物が心地よく響く賑やかさが強調されたようにも感じ、結果的に明瞭でメリハリの付いたトーンバランスになったようだ。ドンシャリとまでは言わないが、旧UE900と比べるならばUE900sの方が明るく健康的な響きになっており好印象を受ける人が多いのではないだろうか。

サウンドの変化もさることながら、同梱物の充実とさりげないマイナーチェンジも大きな魅力だ。パッケージは質感は落ちることなくコンパクトにリデザインされ、イヤーピースは2段に分かれ大量に付属する。大きさも6種類用意され、シリコンの他に低反発ウレタン製の形状記憶型フォームチップも同梱している。すべて2ペアずつ付属しており、サイズごとに色付けされている点も使いやすい。なお、イヤーピースはきのこの山のようなアダプターに刺さって並んでおり、UE900s本体にはめることなく、アダプターごと耳にはめてみることで、どのサイズが自分の耳にぴったりなのかを気軽に確かめることができる。こういうさりげなくもありがたいところにまで気を遣ったリニューアルには、ユーザーに対するブランドの姿勢が現れている。

ケーブルはこれまで同様ノーマルの黒いケーブルとリモコン付きのブルー・ケーブルが2種類付属し、それ自体に変更はないが、右側のコネクタ部分に赤いリングがはめられており、LRの判別が一瞥でできるようになった。これも使用感がぐんと向上する非常にありがたい仕様変更だ。

ハウジングは変わらずブルーのシースルーだが、内部に充填されている固定材が白濁しているものからクリアなものに変わったことで、外から見た際のブルーの透明感が際立ち、ブルーの美しさが向上したのも、地味ながら嬉しい点だ。

中高域用ドライバーと低域用ドライバーが並ぶ様に配置されていたUE900から、UE900sではハの字を書くように低域ドライバーの位置が変更されている。ローパスフィルターの機能を持った極細の音導管に関しては、見た目上の変化はなさそうだ。中高域用ドライバーもよりステムに近付いた位置にセットされており、音響抵抗の場所が変更されている。音響抵抗の位置によってピークやディップの周波数が変わることが、高域変化の直接要因かもしれない。

多くの点で確実なバージョンアップを果たしているUE900sだが、UE900には付属していた抵抗値を上げるアッテネータと標準変換プラグが同梱されなくなった。逆に新たに加わったのが、クリーナー／エンハンサーで、これはMMCXコネクタ接点の洗浄、保護と潤滑化を施す接点復活剤／保護剤だ。プラスチック・パーツへの悪影響がない点もありがたいものだ。

UE900はそのまま販売終了となるが、比べる限りUE900sをさしおいてUE900を選ぶ理由は特に見当たらない。万人に対し、歓迎のグレードアップと考えて良さそうだ。

text by BARKS編集長 烏丸哲也

●アルティメットイヤーズUE900s
2014年5月9日発売
オープンプライス※ロジクールオンラインストア価格 37,000円（税抜）（2014年4月現在予定価格）イヤフォンタイプ：インイヤー(カナル型)
・ケーブル長：132cm
・ケーブル交換：対応
・色：ブルー
・本体重量(ケーブル含む)：18g（マイク／マルチファンクションボタン付きケーブル装着時）、16g（オーディオケーブル装着時）
・ドライバータイプ：バランスド アーマチュア クアッドドライバー
・入力感度：101dB SPL/mW
・周波数特性：20 - 20kHz
・ノイズアイソレーション(遮音性)：26dB
・インピーダンス：30Ω
・入力端子：3.5mmステレオミニ
・iPhone対応インラインコントローラ＆マイク：有
・マイク入力感度：-58dBV/Pa
・マイク周波数特性：200 - 10kHz
・付属品：キャリングケース、ポーチ、シリコンイヤーチップ（XXXS、XXS、XS、S、M、L）、形状記憶型フォームチップ（S、M、L）、オーディオケーブル、マイク／マルチ ファンクションボタン付きケーブル、メンテナンスジェル
・保証期間：2年間

◆アルティメットイヤーズUE900sオフィシャルサイト
◆BARKS カスタムIEM専門チャンネル
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BARKS編集長 烏丸レビュー（■イヤホン　●ヘッドホン　◆カスタムIEM　◇他）
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●MPC Headphones（2014-04-06）
●Klipsch STATUS（2014-03-30）
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◆AK240×カスタムIEM（2014-03-16）

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■Meze 11 Deco（2014-03-02）
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◆1964 EARS V6-Stage（2014-02-17）
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◆Noble Audio Kaiser 10（2014-01-19）
◆Clear Tune Monitors CT-300Pro（2014-01-04）
◇KLIPSCH KMC1（2014-01-01）
■DUNU DN-1000（2013-12-30）

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■オーディオテクニカ ATH-IM01～04（2013-10-27）
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◆Ultimate Ears Personal Reference Monitors（2013-10-05）

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●SENNHEISER HD 700（2012-09-16）

◆ACS T1 Live!（2012-09-11）
●オーディオテクニカ ATH-AD2000 ATH-AD1000（2012-09-03）
●GRADO RS1i、SR325is、PS500（2012-08-20）
◆FitEar MH335DW（2012-08-15）
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◆カナルワークスCW-L51 PSTS（2012-07-30）
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●Pioneer SE-MJ591（2012-07-16）
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●HiFiMAN HM-400（2012-06-26）

●Klipsch Reference One（2012-06-17）
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●ULTRASONE edition 8（2012-06-02）
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■音茶楽Flat4-粋（SUI）（2012-05-20）

●＜春のヘッドフォン祭2012＞、Fischer Audio FA-004（2012-05-13）
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●Takstar PRO 80、HI 2050、TS-671（2012-03-20）
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■Fischer Audio DBA-02 Mk2（2012-03-07）

◆AURISONICS AS-1b（2012-02-27）
■UBIQUO UBQ-ES503、UBQ-ES505、UBQ-ES703（2012-02-21）
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◆LEAR LCM-2B（2011-12-26）
●SOUL by Ludacris SL100、150、300（2011-12-23）
●AKG K550（2011-12-20）
■SENNHEISER IE80 & IE60（2011-12-16）
■DUNU（2011-12-14）

◆カナルワークスCW-L10（2011-12-12）
■オーディオテクニカ ATH-CK90PROMK2（2011-12-09）
◆Ultimate Ears UE 5 Pro（2011-12-06）
■REALM IEM856（2011-12-02）
■ファイナルオーディオデザインAdagio III（2011-11-26）

◇Ultimate Ears用交換ケーブルFiiO RC-UE1＆オヤイデ電気HPC-UE（2011-11-25）
●Reloop RHP-20（2011-11-22）
■オーディオテクニカ ATH-CK100PRO（2011-11-14）
■SOUL by Ludacris SL99（2011-11-04）
■Fischer Audio Ceramique（2011-10-25）

■SHURE SE535 Special Edition（2011-10-21）
■JVCケンウッドHA-FX40（2011-10-16）
■BauXar EarPhone M（2011-10-10）
■SONOCORE COA-803（2011-10-02）
◆TripleFi 10 ROOTHリモールド（2011-09-25）

■AKG K3003（2011-09-18）
■Atomic Floyd SuperDarts+Remote（2011-09-11）
■Bowers & Wilkins C5（2011-09-06）
■Westone3（2011-09-02）
◆カナルワークスCW-L31（2011-08-26）

◇ORB JADE to go（2011-08-22）
■YAMAHA EPH-100（2011-08-14）
■NW-STUDIO（2011-08-09）
■NW-STUDIO PRO（2011-08-02）
◆FitEar MH334（2011-07-29）

◆ROOTH SE530×8（2011-07-26）
■Westone ES5（2011-07-21）
●SHURE SRH940（2011-07-17）
◆Ultimate Ears 18 Pro（2011-07-15）
■クリエイティブAurvana In-Ear3（2011-07-06）

◆カナルワークス CW-L01（2011-07-01）
■GRADO GR10＆GR8（2011-06-25）
◇SAEC（サエク）SHURE SE用ケーブル（2011-06-21）
■フィアトンPS 20＆PS 210（2011-06-17）
■ZERO AUDIO ZH-BX500＆ZH-BX300（2011-06-11）

■フィリップスSHE8000＆SHE9000（2011-06-03）
■アトミック フロイド（2011-05-26）
■モンスター・マイルス・デイビス・トリビュート（2011-05-20）
■SHURE SE215（2011-05-13）
■ファイナルオーディオデザインPiano Forte IX（2011-05-06）

■ラディウス・ドブルベ／ドブルベ・ヌメロドゥ（2011-05-01）
■ローランドRH-PM5（2011-04-23）
■フィリップスSHE9900（2011-04-15）
■JAYS q-JAYS（2011-04-08）
◇フォステクスHP-P1（2011-03-29）

■Klipsch Image X10／X5（2011-03-23）
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■Ultimate Ears TripleFi 10（2011-03-04）
■Westone4（2011-02-24）
■Etymotic Research ER-4S（2011-02-17）

■KOTORI 101（2011-02-04）
■ゼンハイザーIE8（2011-01-31）
■ソニーMDR-EX1000（2011-01-17）
■SHURE SE535（2011-01-13）
■ビクターHA-FXC51（2011-01-12）