【BARKS編集部レビュー】SOUL by Ludacris、マストバイはどれ?

ポスト

クリスマス直前にて、プレゼントの季節がやってきた。もちろん恋人や愛しき人へ感謝の気持ちや愛情の証にプレゼントを用意するのもいいけれど、自分への労いという大義名分が許せる貴重なチャンスでもある。一生懸命自制しているところをそそのかすようで恐縮だが、ここはひとつSOULのヘッドホンはいかがだろうか。

◆SOUL by Ludacris画像

新製品ラッシュでヘッドホン界は活況だが、ご多分にもれずSOUL by Ludacrisもマストバイ筆頭のひとつ。なぜなら、音がいいから。デザイン性が高く、若い世代に支持されるであろうイマドキな質感もあって、見た目勝負の一過性ブランドと見られそうな気配もあるのだけど、音へのこだわりとその完成度は、リュダクリスのプライドを持ってしてばっちりクリアされている。

しかし問題は、ラインナップされている3モデルのうちどれがお買い得なのか、ここが最大の難関だ。まずは注目すべき点をピンポイントに書き出しておこう。大きさとスタイル、機能と価格だ。

SOUL by Ludacris SL100:●小型●オンイヤー●19,800円前後
SOUL by Ludacris SL150:●中型●オンイヤー●24,800円前後
SOUL by Ludacris SL300:●大型●オーバーイヤー●NC付●34,800円前後

御覧のように、絶妙ながら意外に価格差がある。極めて個人的な独断だが、もっともお買い得なモデルはSL100だ。なぜならSL100とSLl50の間にサウンドの格差がないからである。もちろんハウジングの大きさも違えばドライバー自体も違うので全く同じ音とは言わないが、上位下位といった関係性は無く、基本的なサウンドの方向性は同一だ。ここに優劣の差異はない。

▲SOUL by Ludacris SL100

▲SOUL by Ludacris SL150。

▲SOUL by Ludacris SL300。

サウンドは押し並べて素晴らしい。全帯域にわたるプッシュ感が絶品で、音楽を楽しく聞かせることに最大の注力が払われているような仕上がりになっている。拾うように聞けば低域から高域まで良く聞こえるのだけど、SHURE SRH940やSONY MDR-CD900STなどいわゆるモニタリング用ヘッドホンなど分析的に音楽を聴くように設計されたものとは、実際の聴き心地は180度違う。

SOUL by Ludacrisの製品は、一貫して「その低域の量感が最大の特徴&最強の魅力である」と評価されているが、上記スタジオ・リファレンス系ヘッドホンと比較することで明確に分かるのは、圧倒的な中域の支配感だ。骨太でしかも濃厚、みっちりと音楽に包み込まれる押しの強さを作り出している音はまぎれもなくこの帯域で、そこに弩低音をぶっとく再生する能力と金物を派手に鳴らす性格を足し上げて、SOULのサウンドが構築されている。

パッとつなげてボリュームをクッと上げれば、勢いでいってまえ的な高テンションな鳴り方をする。実際音楽を楽しむにはこれが非常にゴキゲンで、この辺りのサウンドデザインがアーティスト名を冠にしたブランドならではの品質を物語る。ちなみに、音量は非常に取りやすい。ヘッドホン・アンプなどを使用せずとも、プレイヤー直で十二分に楽しめる。歯擦音が耳に刺さることもなければ、曇りや抜けの悪さもなく、その上で低域バシバシだ。多くの人から高印象を受ける音質だと思う。

イチオシのSL100だが、ハウジングがコンパクトすぎるようであれば、SL150がちょうどいい。ミッドの充実度もさらに増し、ヘッドパッドのキルティング加工のクッションがもっと肉厚となって心地よさがアップする。もちろんハウジングのサイズがぐっと大きくなるので、SL100とSL150は耳への当たり方も違ってくる。使用感は耳の大きさや形によって個人差が大きいので、できれば試聴して確認いただきたいところだ。

ビジュアル面でも、キュートなコンパクトさが欲しいのか、がっちり主張するエッジーなファッション・アイテムが希望なのかによっても、選択の答えは変わってくるところだろう。ちなみにカラーバリエーションは、SL100が青/黒、赤/黒、SL150が黒、黒/白という各々2色が用意されている。蛇足ながら、私にはかわいらしくまとまったデザインが恐ろしく似合わないという残念すぎる理由で、SL100は断念、SL150を選ぶこととなった。噂によると、先行発売されていた日本国外においては、最も売れているモデルはどうやらSL100だという説もある。

▲SL300は右のハウジング部に電池ボックスがある。ここにはHI/LOW切り替えのLEVELスイッチがあり、ノイキャンON時の音量レベルの増加量を切り替えることができる。電池の周りに埋め込まれた4ヵ所の小さな四角いパーツが、ハウジングを光らせる発光ダイオード(LED)。

▲スイッチオンでピカ!いかす!

▲付属の変換用プラグ。

▲きしめんケーブルに装着しているiPhone/iPad対応のコントローラー部。

最後にSL300だが、フラッグシップ機として、耳をすっぽりと覆うハウジングを持ち、単4電池×2内蔵により、ノイズキャンセル機能をも有する。実はこれがなかなかの完成度で、ノイズをカットすると同時に音量も上がるのだが、非常にすっきりとしたサウンドでとても見通しのいい音空間が現れる。もちろん濃厚な中域、強烈な低域、鮮やかな高域がガツガツ出た上での話だ。ノイキャン独特の静寂さに関しては、水中に潜っているかのような不自然さは多少否めないものの、サウンド自体はとても自然で、驚くほど高品位。イヤカップも十分な大きさで可動範囲も大きいので、しっかりとした密閉性とストレスのない心地よい装着感が得られる。

電池が切れてもパッシブで稼働するにも嬉しいところ。この辺りの設計は高額だけあって、上位互換の余裕を見せるが、アクティブ回路を稼働させた方がすべからく音がいい。こここそがSL300の最大の魅力でありフラッグシップたるところ。サウンドはSL100、SL150の延長上にあるものの、分離感が増しさらに上質な音なので、音の隙間に余裕があり入力に対するヘッドルームがどでかい印象だ。

なお、内側に隠されたボタンを押すとハウジングが光るというSL300のおバカ機能も憎めないのは、リュダクリスのキャラによるものか。小さな高輝度LEDが片側4つ光るだけなので、バッテリーへの心配もそれほど神経質になる必要はなさそうだ。むしろ一番残念なのは、自分で見ることができないところで、いっそ音量に反応してケーブルがビカビカ光ってくれたらすげえ楽しいのになぁ。それじゃホンモノのバカか…。

どのモデルも共通してケーブルは脱着可能であり、通常のストレートケーブルとiPhone/iPad対応のコントローラー付ケーブルの2種類が同梱されるのが単純に嬉しい。キャリングケースも付属しているので、室内外のどこでも日常で使い倒せる。発売されたばかりなので断言はできないけれど、堅牢性の高い素材とその作りを見ると、ヘビーな日常使いに十分耐えうる耐久性も持ち合わせているように見える。長きにわたって付き合えそうなSOUL by Ludacrisシリーズは、長い目で見てもとてもコストパフォーマンスのよいモデルと言えそうだ。

text by BARKS編集長 烏丸

●SOUL by Ludacris SL100
オープン価格(想定売価:19,800円前後)
●SOUL by Ludacris SL150
オープン価格(想定売価:24,800円前後)
●SOUL by Ludacris SL300
オープン価格(想定売価:34,800円前後)

◆SOUL by Ludacrisオフィシャルサイト

BARKS編集長 烏丸レビュー
◆AKG K550(2011-12-20)
◆SENNHEISER IE80 & IE60(2011-12-16)
◆DUNU(2011-12-14)
◆カナルワークスCW-L10(2011-12-12)
◆オーディオテクニカ ATH-CK90PROMK2(2011-12-09)
◆Ultimate Ears UE 5 Pro(2011-12-06)
◆REALM IEM856(2011-12-02)
◆ファイナルオーディオデザインAdagio III(2011-11-26)
◆Ultimate Ears用交換ケーブルFiiO RC-UE1&オヤイデ電気HPC-UE(2011-11-25)
◆Reloop RHP-20(2011-11-22)
◆オーディオテクニカ ATH-CK100PRO(2011-11-14)
◆SOUL by Ludacris SL99(2011-11-04)
◆Fischer Audio Ceramique(2011-10-25)
◆SHURE SE535 Special Edition(2011-10-21)
◆JVCケンウッドHA-FX40(2011-10-16)
◆BauXar EarPhone M(2011-10-10)
◆SONOCORE COA-803(2011-10-02)
◆TripleFi 10 ROOTHリモールド(2011-09-25)
◆AKG K3003(2011-09-18)
◆Atomic Floyd SuperDarts+Remote(2011-09-11)
◆Bowers & Wilkins C5(2011-09-06)
◆Westone3(2011-09-02)
◆カナルワークスCW-L31(2011-08-26)
◆ORB JADE to go(2011-08-22)
◆YAMAHA EPH-100(2011-08-14)
◆NW-STUDIO(2011-08-09)
◆NW-STUDIO PRO(2011-08-02)
◆FitEar MH334(2011-07-29)
◆ROOTH SE530×8(2011-07-26)
◆Westone ES5(2011-07-21)
◆SHURE SRH940(2011-07-17)
◆Ultimate Ears 18 Pro(2011-07-15)
◆クリエイティブAurvana In-Ear3(2011-07-06)
◆カナルワークス CW-L01(2011-07-01)
◆GRADO GR10&GR8(2011-06-25)
◆SAEC(サエク)SHURE SE用ケーブル(2011-06-21)
◆フィアトンPS 20&PS 210(2011-06-17)
◆ZERO AUDIO ZH-BX500&ZH-BX300(2011-06-11)
◆フィリップスSHE8000&SHE9000(2011-06-03)
◆アトミック フロイド(2011-05-26)
◆モンスター・マイルス・デイビス・トリビュート(2011-05-20)
◆SHURE SE215(2011-05-13)
◆ファイナルオーディオデザインPiano Forte IX(2011-05-06)
◆ラディウス・ドブルベ/ドブルベ・ヌメロドゥ(2011-05-01)
◆ローランドRH-PM5(2011-04-23)
◆フィリップスSHE9900(2011-04-15)
◆JAYS q-JAYS(2011-04-08)
◆フォステクスHP-P1(2011-03-29)
◆Klipsch Image X10/X5(2011-03-23)
◆ファイナルオーディオデザインheaven(2011-03-11)
◆Ultimate Ears TripleFi 10(2011-03-04)
◆Westone4(2011-02-24)
◆Etymotic Research ER-4S(2011-02-17)
◆KOTORI 101(2011-02-04)
◆ゼンハイザーIE8(2011-01-31)
◆ソニーMDR-EX1000(2011-01-17)
◆SHURE SE535(2011-01-13)
◆ビクターHA-FXC51(2011-01-12)
この記事をポスト

この記事の関連情報