【BARKS編集部レビュー】JVCケンウッドHA-FX40にみる、全国B級グルメ的感服の旨さ

2つの振動板を並列に並べ2011年4月に颯爽と登場したビクター(現JVCケンウッド)のHA-FXT90は、高い評価を得たまま人気モデルとなったが、その時に初めて登場した業界初の“カーボンナノチューブ振動板”なるダイナミックドライバーも、結果高い評価を得たものであった。
◆HA-FX40画像
そんな折、その“カーボンナノチューブ振動板”をドンと1発搭載して新登場となったのが、このHA-FX40だ。最新テクノロジーをスタンダードでオーソドックスな形で搭載した新製品とあれば、そのサウンドが気にならないわけがない。わき目もふらず現物をゲット、さまざまなモデルと並行して使い分けながら1ヵ月ほどじっくりと聞き込んだ。

ツインシステムユニットの兄貴分HA-FXT90と比べてしまえば、音の鮮やかさや清潔感、深みや音の重みなどは及ぶべくもないが、HA-FX40の方がすっきりあっさりしているので、もしHA-FXT90のあの濃密感が苦手というのであれば、逆にこちらの方がいい音と感じる人もいるかもしれない。概ね基本DNAは同じで、ローとハイのバランス感も同じ系列なので、お小遣いが足りなくてどうしてもHA-FXT90に手が届かないという人であれば、このHA-FX40の登場はありがたき救世主になるだろう。細かな描写や音の粒立ちはHA-FXT90に譲るものの、2~3分も聞いていれば、脳内補正がシャキーンと効いて、完璧なバランスと満足度◎で鳴りまくってくれる。そうなりゃHA-FX40のコストパフォーマンスはレッドゾーン振り切れ状態、デッドヒートを繰り広げるエントリーモデル激走地区でもポールポジションを快走だ。

そして、耳掛け(SHURE掛け)をすると、その制振フィットサポートの突起部分が、今度は耳介内側の窪み(耳甲介)の下部すきまにピタッとはまり、ケーブルは耳上部へループさせるためにちょうどいい角度に伸びてくれる。この美しすぎる機能性…もう、素敵っす。通常の掛け方でも耳掛けでも、どちらでも無駄なく美しく機能するデザインって、何気に凄くないですか?



text by BARKS編集長 烏丸
●JVCケンウッド HA-FX40
オープン価格(実勢価格3,000円前後)
10月中旬発売
型式:ダイナミック型
再生周波数帯域:8Hz ~ 24,000 Hz
インピーダンス:16Ω
出力音圧レベル:101dB/1mW
最大許容入力:200mW(IEC*)
コード:1.2m(Y型)、φ3.5mm 24金メッキL型ステレオミニプラグ付
質量:約3.2g(コード含まず)
付属品:シリコンイヤーピース(S、M、L各2個)、コードキーパー、クリップ
カラー:Aブルー、Bブラック、Dオレンジ、Rレッド、Sシルバー、Wホワイト
◆HA-FX40オフィシャルサイト
◆BARKS ヘッドホンチャンネル
BARKS編集長 烏丸レビュー
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◆SONOCORE COA-803(2011-10-02)
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◆ゼンハイザーIE8(2011-01-31)
◆ソニーMDR-EX1000(2011-01-17)
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◆ビクターHA-FXC51(2011-01-12)
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