米同時多発テロ…あなたは、何を思い考え、何を行動に移しましたか?

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米同時多発テロ…
あなたは、何を思い考え、何を行動に移しましたか?


2001年9月11日、アメリカNYの世界貿易センタービルとワシントンD.C.国防省攻撃という同時多発テロ。数千人の死者を出したこのあまりに痛ましい事件は人々の生活に深く入り込み、音楽コミュニティに走った衝撃は数々の影響を与えた。

ツアーの中止、CDタイトルや歌詞の変更、ジャケットの差し換え、ビデオの撤収…。国民感情、歴史・宗教的背景、外交問題、経済不安…とあまりにデリケートな側面もあり、敏感に反応せざるを得ない印象も受ける。

その影響で、ミュージシャンたちは何を思い考え、何を行動に移したのか?
今一度検証してみるのと同時に、あなたも考えてください。あなたは何を思い、何を行動に移しましたか?

まずは何を思い
考えたのだろう?
同時多発テロ事件を受けて、ミュージシャンはどう感じたのだろうか。
事件当初は、怒り、不安、悲しみ、苛立ち、痛みと様々な感情が渦巻いていただろうが、そこから“意見”が生まれる。彼らそれぞれの考えは…?
報復行動(=戦争といっていいだろう)に対する意見

やはりミュージシャンという立場上、ひとつの意見が様々な人に影響を及ぼすことを考慮してか、明確な賛否意見は少ない。それでも、各々の信念を持って語ったミュージシャンの意見をピックアップしてみた。

賛成派

戦争じゃ何も解決しない? でもバカげたスローガンじゃ絶対に誰も助からないだろうな
by Ozzy Osbourne
反対派

反対。どんな殺しにも全面的に反対だ。被害者を癒すのに、人々を殺すのがいい考えだとは思わない
by Tre Cool(Green Day/Dr)
どちらがいいのだろうか?
ジレンマは続く

非常に言いづらい言葉だけど……妥協……、そう、今は、ある種の妥協をしなければならないという辛い時期だ
by Neil Young

我々がアフガニスタンを攻撃し、人々が残忍な仕打ちを受けていることはわかっている。でも、僕の窓の外に見えること(世界貿易センターのないNY)と、どうやってひとつに結び付けたらいいのだろう?
by Moby
※米国民のブッシュ大統領支持率90%、報復行動支持70%台(2001年9月)という事実。Ozzyの意見は過激に聞こえるかもしれないが、米国民のほとんどはこう思っているのかもしれない。そしてNeilの“妥協”という一見ネガティヴ・ワードが解決の真実味を感じさせる。Mobyのジレンマは痛烈。

報復活動以外にやるべきこと、提言しておきたいこと

ブッシュ大統領の指針とは別に、ミュージシャンが…、というよりも、ひとりの人間、アメリカ国民として発言したことをピックアップ。そこには“報復活動”に対する賛否も見え隠れして…。

今まで通りに過ごすんだ!

この事件について何かしたいと思うけど、僕ができるのは音楽をプレイすることくらいなんだ
by Rivers Cuomo(Weezer/Vo)

僕らは続けたよ。“何が起こっているか(現在起こっているテロリズム)”に、それにこの国の動きを止めさせるべきじゃないんだ
by Diamond Rio
相互の歴史を理解しないと…!

もし現在の状況に意見を言うんだったったら、よく勉強しておくことだ。つまり、歴史を。歴史を知らないといけない
by Perry Farrell

米国がオサマ・ビン・ラディンを育て、CIAが武装させ、'90年代初めのアフガニスタンとソ連の戦争で、ソ連に対抗するテロリストとして彼を訓練したんだ
by Nash(CS&N)
アラブ系米国人を非難するな!

アラブ系アメリカ人が非難の対象になっているらしいが、彼らを非難するのは間違いだ
by R.E.M.


米はちょっと傲慢じゃない!?

アメリカは世界の超大国として自信過剰になり過ぎ、機会と自由を当然のごとく思っている
by Kevin Richardson(BACKSTREET BOYS)

※BACKSTREET BOYSの発言は超有名人によるものだっただけに、この発言の一部だけ放映した直後は物議を醸すことになった。“アメリカNo.1”を客観的に観た貴重な意見だと思うのだが。Perry Farrellの歴史を理解しろという意見は「俺はとても高い場所から問題を見ている」と言い放つ彼らしいご意見。

何を行動に
移したのだろう?
ツアー中止・延期を余儀なくされて、影響を受けっぱなしなわけにはいかない!
そんなミュージシャンが、起こした行動とは?
やっぱりライヴ!
BACKSTEREET BOYSLynyrd Skynyrdはテロ事件翌日の9/12、それぞれ予定どおりにライヴ実行。テロに屈しないという姿勢をみせた。
BACKSTEREET BOYS

Lynyrd Skynyrd

チャリティーライヴ、イベントを企画、参加!
■アメリカ4大TVネットワーク主催のテレビ番組<America: A Tribute To Heroes>
2001年9月21日。出演はBruce SpringsteenU2Stevie WonderCeline DionMariah Careyほか、元ボクサーMuhammad Ali、俳優RobertDeNiroも出演。1億5000万ドル以上の資金が集まった。この音源はCD化されている。

■Paul McCartney提唱のライヴコンサート<The Concert For New York City>
2001年10月20日@NYマジソン・スクエア・ガーデン。出演はThe WhoRolling StonesMick JaggerとKeith Richards、Elton Johnなど。この音源はCD化されている。


『America:A Tribute To Heroes』

『The Concert For New York City』
ほかにもMichael Jacksonらが出演のライヴ<United We Stand>やAlanis Morissetteの企画ライヴなどもあり、通常のツアーの売上げを寄附するミュージシャンも多数いた。

外せないチャリティーCD
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チャリティーソングやCD制作に関する特集ページはこちら!

ほかにも、Elton JohnSteven Tylerが「We Are Family」('79年のSister Sledgeのヒット曲)をレコーディング、Jackylは過激な内容の詞ながらストレートな曲を作り、無償でラジオ局に提供。資金集めに使ってもらいたいと言っている。
※義援金集め、癒しの時間の提供としての、ライヴ活動やCD制作がやはり王道。義援金は犠牲者遺族や、NYワシントン地区の警察・消防署へと贈られていた。あのイベントに出演するとアノ人に義理が立たぬ…などといった憶測が飛び交って、出演者は最後まで安定しなかったが、ひとまずはチャリティー目的は果たせたということか。

ちょっと別角度から…

NYビジネスを通常化させるために、ニューヨーク証券取引所で20万ドルもの資金を投資。
by Courtney Love

テロ攻撃による負傷者のために、献血の呼びかけ。
by Lonestar

9/23の新聞New York Times紙に“Imagine all the people living life in peace”とだけ書かれた1ページ広告を掲載。
by Ono Yoko
※献血は救助の手助けに直結しているかのように思われたが、後日David Bowieが「友人が献血をしたけど…、輸血するほど多くの生存者がいないということらしい」と語っていた。

そして、
ここ日本でも…
ここ日本でも、様々な形で行動に移したミュージシャンたちがいるので、作品とともに紹介していこう。
新宿ロフト

老舗ライヴハウス、新宿ロフトが立ち上がり、今できることを音楽を通してやろうという主旨で、イベント<Message Shuttle>が2002年3月9日に行なわれる。
企画立案したロフト・プロジェクト社長の小林茂明氏にコメントをもらった。


▲小林茂明氏からコメントをいただきました。
Message Shuttle Vol.1
~LOVE & COMPROMISE -NO TERRORISM, NO WAR-~

2002年3月9日(土) 23:30開場/24:00開演
新宿ロフト
出演:
佐藤タイジ(THEATRE BROOK
坂本サトル
In the Soup
浜崎貴司
中原明彦
ナナオサカキ(ポエトリー・リーディング)
DJ:NAOYA NISHIMURA(JOKER / WHITEHOUSE)

[問]新宿ロフト 03-5287-0382
[Message Shuttle vol.1]オフィシャル・サイトはこちら

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佐藤タイジ
(THEATRE BROOK)

坂本サトル

浜崎貴司

Spiral Experience

little creaturesの栗原務(写真上)が発起し、彼の主旨に賛同したメンバーが集まって結成されたSpiral Experience
EGO-WRAPPIN'の中納良恵、畠山美由紀、little creatures、NOISE ON TRASHの坂本勝彦、BREATH MARKといったアーティストが集結したユニットである。
「so much to learn, so little we know」

Spiral Experience
2001年12月24日発売
FRCD-005 1,000(tax in)
1. so much to learn,so little we know
2. so much to learn,so little we know #2

※収益金の一部は、UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)によるアフガン難民支援として役立てられる。


プロモーション・ビデオ
▲アフガニスタン難民救援のチャリティ作品「so much to learn, so little we know」。「学ぶことは多く 知っている事は少ない」という意味のタイトルで、栗原は今回の作品が「今何か自分に出来る事はないだろうか」という衝動の下に確立することができたと述べている。

そして、
あなたは…?
米同時多発テロが起こり、BARKSでもミュージシャンたちのニュース速報作品紹介を届けてきました。そのなかのひとつに、BBS(掲示板)のページを作りました。
「“テロはよくない”けど、それに対する“報復という名の人殺しはもっとダメだ”」という意見や、「日本のみんな関心がなさすぎる」という憤りがありました。

そういった人たちはみな「ベストな解決法なんてあるのか?」という苛立ちや不安を感じています。けれども、みなが望んでいるのはただひとつ“平和”。見据える先は同じなのです。

遠くアメリカのNYで起こった出来事ですが、あなたはこの痛ましい事件に対して、どう思い、何をしましたか?
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