【インタビュー】m-flo loves 鈴木真海子、“自分らしさ”を問いかける新曲「Judgement?」

ラヴァーズロックのサウンドが心地よい“m-flo loves 鈴木真海子”による新曲「Judgement?」。他者や自分自身を「こういう人物である」と決めつけるのではなく、理解を深め続けることの大切さを表現した歌は、リスナー各々が向き合っている様々な現実と重なり得る。
◆撮り下ろし写真
“m-flo loves”に鈴木真海子が参加するのは、2020年6月にリリースされた“m-flo loves chelmico”名義の「RUN AWAYS」に続いて2作目。コラボレーションが実現した経緯、曲に込められた想いをm-floの☆Taku Takahashi とVERBAL、鈴木真海子が語ってくれた。
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◾︎ソロとして声をかけていただけたのがめっちゃ嬉しかったですし、とても光栄なことでした
──真海子さんがm-floとコラボをするのは、“m-flo loves chelmico”名義の「RUN AWAYS」に続いて2作目ですね。“loves”に参加するのが2回目のアーティストは、もしかしたら初ですか?
☆Taku Takahashi:MINMIちゃんとCrystal Kayがいるので、初ではないです。
VERBAL:グループとソロ、それぞれで一緒にやるのは初ですね。
真海子:なんとか初になりました(笑)。
☆Taku Takahashi:今回、ラヴァーズロックの曲をやりたいというのをまず思って、「まみちゃんに歌ってもらうのがいいよね?」ってVERBALと話してオファーをしたんです。

──「RUN AWAYS」では思いっきりラップしていましたけど、今回はシンガーとしてのオファーですね。
☆Taku Takahashi:「鈴木真海子として」っていう感じですね。chelmicoでも歌ってますけど、ソロだと色が違いますから。
真海子:ソロとして声をかけていただけたのがめっちゃ嬉しかったですし、とても光栄なことでした。オファーを頂けるとは想像していなかったので、結構びっくりしましたけど。Rachelも喜んでくれて、「いいなあ!」って言ってました。
VERBAL:最初、☆Takuが「レゲエやるのどう?」って言ったところからラヴァーズロックをやることになって、「じゃあ、真海子ちゃんじゃない?」っていうことになったんですよね。僕は最初どういう感じになるのか見当がつかなかったので、作っていく過程の中でいろいろ考えながら書いていきました。
──「RUN AWAYS」はかなりアプローチが異なりますよね。
VERBAL:そうですね。全然雰囲気が違う曲なので発見がいろいろあって、インスパイアされるものもたくさんありました。「真海子ちゃんは、こんな物悲し気な一面も歌で表現できるんだ?」って思って、それも新鮮でしたね。
☆Taku Takahashi:真海子ちゃんはスモーキーで渋い声とスウィートさが混在しているんです。だから「Judgement?」も結構ドキっとすることを言ってるけど、すごくすんなり届いてくるんですよね。そこが心地よくて素敵だなと思います。
真海子:ありがとうございます。
☆Taku Takahashi:僕もそんな声を出せるようになりたいです……VERBALが失笑しておりますが。
VERBAL:なにをおっしゃる。☆Takuさん、美声じゃないですか。
☆Taku Takahashi:いえいえ、とんでもないです(笑)。

──(笑)。VERBALさんは真海子さんの歌声をどのように感じていますか?
VERBAL:☆Takuの言う通り、スモーキー感がすごく良いです。さらに補足するならば、幅も広いんですよ。「RUN AWAYS」みたいなはっちゃけているラップとはまた別の声の魅力も「Judgement?」では出ていると思います。この曲を聴いて「こういう感じの歌も歌えるんだ?」って思う人もいるでしょうね。スタジオで一緒にレコーディングした時、僕も新鮮なものを感じましたし、歌詞を書きながら受けたインスパイアもたくさんありました。
真海子:声に注目していただけることがあまりないので、そう言っていただけるとめちゃくちゃ嬉しいです。
──楽曲制作は、どのようなことを話し合いながら進めたんでしょうか?
☆Taku Takahashi:ラフとなるものを作り始める前にみんなで集まって話したのは、「スウィートな感じにしたいけど、どこかしらに毒や棘がある」っていうような……「落差」って言うんですかね?
真海子:「ギャップが生まれるような感じ」ですかね?
☆Taku Takahashi:うん。そういう曲にしたいとみんなと話し合ったところから始まっていきました。
真海子:私もそのアイディアを聞いて面白そうだなと思いました。
☆Taku Takahashi:m-floにとっても鈴木真海子にとっても新しいサウンドですね。毒があって棘があると言いながら、とても心地いい仕上がりになったと思います。

──歌っている内容に関しては、強い想いが込められていますよね。「こういう人だよね」と決めつけられることへの違和感を描いていますし、怒りの感情も含まれているのを感じました。
真海子:最初の打ち合わせの時に☆Taku TakahashiさんとVERBALさんに「真海子ちゃんって、怒ることあるの?」って言われたんです。
☆Taku Takahashi・VERBAL:(笑)。
真海子:「全然ありますよ」と(笑)。怒るようにはあんまり見られないんですけど、むかつくことももちろんあるんです。でも、chelmicoやソロでも強い言葉で歌詞を書くことがなかったので、そういうギャップも生みたくて。そのためにもこのテーマで書くのは面白いと思いました。それで「むかつくことって何だろう?」ってなった時に、なんとなくの印象で曲を聴いてもらえなかったりすることが思い浮かびました。
──先入観で判断されるということですか?
真海子:はい。「真海子ちゃんって歌詞書いてたんだ?」とか言われることもあるから、「みんな、結構判断するのが早いんだな」って。「もっとフラットでいてくれよ」ということを思いながら「Judgement?」の歌詞を書きました。
──「怒ることあるの?」というのは、m-floのおふたりもよく言われるんじゃないですか?
☆Taku Takahashi:僕はVERBALに怒られてばかりですけどね。
VERBAL:僕、ラッパーですから(笑)。
真海子:私も「おふたりも怒ることあるんですか?」って聞きました。「昔の方が怒ってたかな」っていうことでしたけど。
☆Taku Takahashi:俺、VERBALに怒らないよね?
VERBAL:怒るっていうか、小学校5年生からの付き合いなので、注意したり、「お前、そういうのは違うだろう」っていうようなことはあるんです。でも、「その通りだよね」って昔よりも素直に受け入れるようになっているので、あんまり喧嘩にはならないんですよね。
☆Taku Takahashi:お互いに羽目を外したら注意し合うことはあるけど、「怒る」っていう感じではないです。「怒っても仕方ないよね」って思うから。
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