【対談インタビュー】薫(DIR EN GREY)× 来夢(キズ)、初対談で “バンド”を語る「今がベストなのが一番」

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「最大限のリスペクトを曲に込めました」と来夢が語る、キズの新曲「 R/E/D/ 」。この楽曲には、キズのメンバーたちがそれぞれ影響を受けてきた“VISUAL”へのオマージュがたくさん盛り込まれている。その中にはもちろん、キズと同じ事務所の先輩であるDIR EN GREYのモチーフも。

◆撮り下ろし写真

これまであまり公の接点がなかったDIR EN GREY とキズだが、せっかく同じ事務所にいるわけである。「 R/E/D/ 」を機に、両バンドのリーダー的な立場である、薫(DIR EN GREY)と 来夢を対談の場に呼んでみたいと思う。意外な化学反応が起こるのでは…?

   ◆   ◆   ◆

◾︎新しい風みたいなものを感じたというか、面白そうなバンドが来たなっていう印象(薫)

──お二人がちゃんと話をするのは今回が初めてだそうで。

来夢:そうですね。

薫:会ったのも数回とか?

来夢:今日で2回目とか3回目ぐらい。

薫:しかも挨拶レベルで。

──同じ事務所の先輩後輩という関係ですが、まずはお互いに対するイメージや第一印象をお話しいただけると。

来夢:もちろん絶対的な存在です。僕、フリーウィルに入って10年目になるんですけど、今までちゃんと話したことは一度もなくて。だから昔から変わらない存在ですね。

──薫さんはキズというバンドにどんなイメージをお持ちですか?

薫:事務所にキズが来た時は、なんか新しい風みたいなものを感じたというか、面白そうなバンドが来たなっていう印象ですね。

──聞いた話だと、薫さんはreikiさんとは飲みに行ったことがあるそうで。

薫:事務所の違うバンドの後輩から「時間作ってもらえませんか?」って言われて。そいつともう1人とreikiの4人で行きましたけど……なんかもう……世代が違うんやなって(笑)。

──どんなところが?

薫:俺らの時代やったら先輩に「ライブめっちゃ観て欲しいんですよ!」なんてそう簡単には言えなかったっすもん。でもアイツ、すごい言ってくるんで(笑)。すげぇ自信あるんやなって。

来夢:はははははは。


──それが彼のキャラなのか世代の違いなのか(笑)。

薫:そこは知らないけど、俺は先輩の前でそんなこと言えなかったな、みたいな。だから時代が変わったっていう印象でしたね。

──共通項として、お二人はバンドのリーダーという立場でもあるので、そこをテーマに話を進めていこうと思ってまして。そもそも自分はバンドに限らず、人の上に立ったり、仲間を束ねたりするようなタイプの人間だと思ってますか?

来夢:自分は思ってないですね。

薫:俺も思ってないです。

──早くも共通点が見つかりました(笑)。なぜリーダーになったんでしょうか。

薫:俺の場合、リーダーにさせられたみたいな感じですかね(笑)。他の4人がそういうタイプではないというか。ただ自分の性格的に、バンドをやってて自分の知らないところで何かが起こってるのは避けたいタイプで。例えば事務所とバンドがした話は、自分もちゃんと把握できていないと嫌なんですよ。あと昔からウチらは、何事もメンバー全員で把握した上で進めたいんですよ。

──自分だけ知ってればいいというわけではなく。

薫:全員で把握したいし、全員で合意した上でっていう。もともとウチらはリーダーのいないバンドやったんで、なんでも全員で決めるスタイルだったんですよ。だから俺が事務所から話をもらったら必ずみんなに伝えるし、みんなにもそうして欲しくて。で、そのうちなぜか事務所もまずは俺に話をする、みたいな感じなってきて。で、そうなるとメンバーも「じゃあよろしく」みたいになり、気づいたらリーダーになってたという。

──来夢さんはどうでしょう?

来夢:実はキズってリーダーを決めないまま始めたバンドなんですよ。でもたぶん僕がリーダーなんですよね(笑)。

──たぶん(笑)。でもこのバンドを始めたのは来夢さん……。

来夢:あ、僕じゃないです。きっかけはreikiで。彼が「どうしてもバンドやりたい」って言い出したんで、じゃあリーダーはreikiかなと思ってたら、いつのまにか自分がリーダー的なことをやることになってて。

──そうだったんですね。

薫:そっちは取材の時、メンバーの中で一番喋るのは誰なの?

来夢:一番は僕かもしれないです。

薫:ウチも最初は5人でやると一言も喋らずに終わるヤツがいて、それは取材として良くないってなって。で、それからは全員で取材受けるのをやめて、個別で受けるようにしてる。

来夢:そういえばウチも最近は4人で取材受けることってあんまりないですね。最近思うのは、キズって4人バラバラでやってるバンドだなって。1つのことを4人でやってる感覚があんまりない。


──バラバラっていうのは?

来夢:同じことをやってるように見えて、みんなバラバラのことを考えてる。あと、ステージでもバラバラっていうか、自分が好きなようにパフォーマンスしてる。1つのことに向かって進んでいこうぜ、みたいな感じではないかもしれないです。

薫:ウチもそこは近いかも。バラバラっていうか、ふとしたタイミングで「あ、そんなふうに思ってたん?」ってメンバーに対して思うこと、めちゃくちゃあるもんな。

来夢:僕もめちゃくちゃあります(笑)。

──DIR EN GREYは一度だけメンバー全員でインタビューしたことがあるんですけど、みんな無言で地獄でした(笑)。

薫:1人の時と5人の時だと、それぞれみんなモードが変わっちゃうから。お互い牽制しあうんで、話が進まない(笑)。例えば俺が最初に喋って、次の質問は黙っておこうと思っても、誰も喋らない。で、沈黙に耐えられなくて、また俺が喋るっていう(笑)。

来夢:ウチらは4人だとみんな僕に気を遣ってるのかもしれなくて。だからみんな発言しないことがありますね。

◆インタビュー(2)
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