【速報】対米同時多発テロにまつわる音楽情報 Vol.12

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【速報】同時多発テロにまつわる音楽情報 Vol.12

大変、痛ましい事件が起こりました。それに伴い、現在アメリカでのコンサート・イベント等のほとんどは、中止、あるいは延期となっています。日本来日公演などに関しましても、情報が入り次第、掲載いたします。

ニュースが入り次第、リアルタイムに更新いたします

●エアロスミスのツアー追加日程が発表される
Aerosmithは現在のツアー名をJust Push Playから“Just Keep Playing(プレイし続ける)”に改めるべきだろう。Rock And Roll Hall Of Fame(ロックの殿堂)メンバーの彼らは、6月6日に開始され、すでに40カ所を廻っている北米行程の追加日程を発表した。

ギタリストのJoe Perryは『Just Push Play』の中で彼の好きな曲を教えてくれた。
えっと、“Beyond Beautiful”がすごく好きだ。アルバムの1曲目だよ
あんな感じの曲がライヴでできたらいいと思ってたんだ。(ヴォーカルの)Steven(Tyler)にうまく合うと思うよ

NYとワシントンD.Cのテロ攻撃の影響で延期されていた2日分の新たな日程は以下の通り。これらのショウにはFuelがそのまま特別ゲストとして参加する。

9月25日(火)ヴァージニア州ブリストー Nissan Pavilion(9月15日分) 9月27日(木)ニュージャージー州キャムデン Tweeter Center At The Waterfront(9月13日分)

Aerosmithは夏の間、屋外でライヴを行なっていたが、10月1日から屋内アリーナに移してツアーを続ける。10月15日のミネソタ州ミネアポリスTarget Centerのショウから、現在発表されている最終日の12月17日、オハイオ州クリーヴランドGund Arenaまで、Cultがオープニングアクトを務める。

10月11日のアルバータ州カルガリーと、13日の同州エドモントンSkyreach Centreでのショウのオープニングアクトは今のところ未定。Cheap Trickがプレイする予定だったが、キャンセルされた10月9日のブリティッシュコロンビア州ヴァンクーヴァのGeneral Motors Placeと同様に、バンドはそれらの日程から手を引いた。

AerosmithのJust Push Playツアー日程(変更の可能性あり):

9月25日 - ヴァージニア州ブリストー - Nissan Pavilion
9月27日 - ニュージャージー州キャムデン - Tweeter Center At The Waterfront

10月11日 - アルバータ州カルガリー - Pengrowth Saddledome
10月13日 - アルバータ州エドモントン - Skyreach Centre
10月15日 - ミネソタ州ミネアポリス - Target Center
10月17日 - ノースダコタ州グランドフォークス - Alerus Center
10月19日 - アイオワ州エイムズ - Hilton Coliseum
10月21日 - インディアナ州インディアナポリス - Conseco Fieldhouse
10月23日 - イリノイ州ロズモント - Allstate Arena
10月25日 - ミシガン州オーバンヒルズ - Palace Of Auburn Hills
10月27日 - ペンシルバニア州ピッツバーグ - Mellon Arena
10月29日 - オンタリオ州トロント - Air Canada Centre
10月31日 - ケベック州モントリオール - Molson Centre

11月2日 - オハイオ州コロンバス - Nationwide Arena
11月4日 - マサチューセッツ州ボストン - FleetCenter
11月6日 - ロードアイランド州プロヴィデンス - Dunkin Donuts Civic Center
11月8日 - ペンシルバニア州フィラデルフィア - First Union Center
11月10日 - ケンタッキー州レキシントン - Rupp Arena
11月12日 - ニューヨーク州ニューヨーク - Madison Square Garden
11月15日 - ニュージャージー州イーストラザーフォード - Continental Airlines Arena
11月17日 - ニューハンプシャー州マンチェスター - Verizon Wireless Arena
11月19日 - コネティカット州アンカスヴィル - Mohegan Casino
11月25日 - ノースカロライナ州グリーンズボロ - Greensboro Coliseum
11月27日 - フロリダ州タンパ - Ice Palace
11月29日 - フロリダ州フォートローダーデル - National Car Rental Center

12月1日 - アラバマ州バーミントン - Birmingham-Jefferson Arena
12月3日 - イリノイ州シャンペーン - Assembly Hall
12月5日 - テキサス州ダラス - Reunion Arena
12月7日 - アーカンソー州ノースリトルロック - Alltel Arena
12月9日 - オクラホマ州オクラホマシティ - Myriad Convention Center
12月11日 - ミズーリー州セントルイス - Savvis Center
12月13日 - ミズーリー州カンサスシティ - Kemper Arena
12月15日 - イリノイ州モーリン - Mark Of The Quad Cities
12月17日 - オハイオ州クリーヴランド - Gund Arena

●米テロ事件チャリティ番組『America: A Tribute To Heroes』のアルバム化が決定
9月21日(金)夜のテレソン『America: A Tribute To Heroes』の音楽パフォーマンスをフィーチャーしたアルバムが制作されている。報道によると、資金集めのために出演したBruce SpringsteenStevie WonderDave MatthewsMariah CareyEnrique IglesiasSheryl CrowDixie Chicks他のアーティストは全員、米Interscopeと各国のSonyによるライヴのリリースに同意したとのこと。音楽誌の『Hits』はリリース日を11月15日と伝えているが、Interscopeのどのスポークスパーソンからも日程とレーベルの関与についての確認はない。また、Los Angeles Times紙はDVDがリリースされる可能性もあるという。同テレソンでは1億5000万ドル以上の資金が集まり、救済活動にあてられることが約束されている。

アルバムに収録されるパフォーマンスは以下の通り:

“My City Of Ruins” Bruce Springsteen
“Love's In Need Of Love Today” Stevie Wonder
“Peace On Earth”/"Walk On” U2
“Imagine” Neil Young
“I Won't Back Down” Tom Petty & the Heartbreakers
“Redemption Song” Wyclef Jean
“Bridge Over Troubled Water” Paul Simon
“Fragile” Sting
“New York State Of Mind” Billy Joel
“The Long Road” Pearl JamのEddie Vedder、Neil Young
“Wish You Were Here” Limp BizkitのFred Durst、Wes Borland、Goo Goo DollsのJohn Rzeznik
“Hero” Mariah Carey
“God Bless America” Celine Dion
“Everyday” Dave Matthews
“Someday We'll All Be Free” Alicia Keys
“There Will Come A Day” Faith Hill
“I Believe In Love” Dixie Chicks
“Hero”Enrique Iglesias
“Living On A Prayer” Jon Bon Jovi & Richie Sambora
“I Shall Believe” Sheryl Crow
“America The Beautiful” Willie Nelsonのリードによるオールスターヴァージョン

Tom Hanks、Julia Roberts、Tom Cruise、George Clooney、Robert De Niro、Clint Eastwood、Will Smith & Muhammad Aliといった俳優のコメントがアルバムに含まれるかどうかは不明。


●マライア・キャリー、『America: A Tribute To Heroes』チャリティへのファンの協力に感謝
Mariah Careyの新作ミュージカル映画『Glitter』は、全米公開後、初めての週末で11位となった。9月21日(金)からの初日3日間で250万ドルという、なんとも不安な滑り出しとなっている。一方、映画のサウンドトラック・アルバムのほうはかなり好調で、ギリシャ、韓国、シンガポール、台湾、香港でチャート初登場1位を獲得、フィリピン、スペイン、カナダ、フランス、イタリア、ドイツ、英国、スイス、そして米国でもトップ10入を果たしている。サウンドトラック・アルバム『Glitter』は、米国では発売1週目にして11万6000枚以上を売り上げた。

Careyは、9月21日(金)に行なわれたエンタテイメント業界によるテレソン『America: A Tribute To Heroes』に出演した。これはニューヨークおよびワシントンでのテロ攻撃の被害者のためのチャリティとして行なわれ、1億5000万ドル以上の寄付金が寄せられた。Careyは番組内でヒット・シングル“Hero”を披露。夏に精神衰弱を患って以来、初めての公の場でのパフォーマンスとなった。Careyは精神的および身体的衰弱が原因で7月に初入院し、9月にも再入院していた。

Careyは9月22日(土)、公式ウェブサイト(mariahcarey.com)にファンへのヴォイス・メッセージを載せ、テレソンへの協力と新作映画の応援に礼を述べている。
ハーイ、キッズ! 昨日(9月21日)のテレソンに協力してくれたみんなにちょっと、ありがとうを言いたいなと思って。私たちは本当にものすごくいい結果を出したのよ。本当にどうもありがとう。それから、この間の『Glitter』のちょっとしたプレミアに来てくれたファンのみんなもありがとうね。すごく楽しかったわ。昨日も友達連中とこっそり映画館に行ってチェックしてきたんだけど、うれしかった。本当にありがとう。また、すぐにメッセージします。またお話しましょうね。バイバイ

●U2と『A Tribute To Heroes』に出演したのはクラプトンではなく、ユーリズミックスのDave Stewart
U2は9月21日(金)にロンドンで行なわれたテレソン『America: A Tribute To Heroes』で複数の特別ゲストと共にライブを披露した。しかし、視聴者の間で見間違いが起きたようだ。インターネットフォーラムやディスカッショングループでは早くから、U2の“Peace On Earth”“Walk On”のメドレーでEdgeの脇にいたギタリストがEric Claptonでは、との反応があったが、それはEurythmicsのDave Stewartと判明。また、'97年のヒット“Torn”で知られるオルトポップアーティストのNatalie Imbrugliaがバックアップシンガーとして参加していた。

米国では9千万人近くの人が『America: A Tribute To Heroes』を観たとの統計が出ている。同テレソンは9月11日のテロ事件救済のために1~2億ドルの資金収集を見込んでいる。


●トレイン、テロ事件後の初ライヴは“夢のような”ひとときだった
Trainは、テロ事件後のライヴ再開初日はまるで“夢のような”素晴らしいひとときだったと語っている。事件の影響でルイジアナ州ボシアシティ、オクラホマ州オクラホマシティ、アーカンソー州リトルロックでの公演がキャンセルとなった北カリフォルニアのバンド、Trainは、9月15日のセントルイス公演からやっとライヴ再開のゴーサインを得られた。

Trainは公式ウェブサイト(trainline.com)でこう語っている。
本当に特別な夜だった
観客たちの愛とエネルギー、一体感が伝わってきた。現在の状況下で、歌詞が違う意味を持つようになっていたようだ

この日のライヴはMatchbox Twentyのヘッドライナー・ツアーの日程のひとつで、メッセージではその夜の警備の厳しさについても触れていたが、決して文句を言っているわけではなかった。
バンド側も観客たちも、ミュージックの一夜を共に楽しめたことで心が救われたようだった。僕らにとって本当に夢のような夜だった

この心地よい感覚は、オープニング・アクトを務めたPeter Yornにも伝わっていた。Yornは事件後、飛行機の運行が再開するまでロンドンで足止めを食らっていて、この日のセントルイス公演に遅れて合流していた。
彼と彼のバンドのメンバーは、出番の3時間前にやっと到着したんだ」とTrainが記している。「彼らの機材はまだロンドンなんで、僕らとMatchboxの機材を借りて演奏したんだ。でも、そんなこと気付かせなかったよ。彼らは最高の音を出してた

Trainは、最後にこう付け加えている。
みんな、無事でポジティヴでいるように。僕らはこれを乗り越えるさ

キャンセルとなった3公演の振替日程はまだ決まっていない。Matchbox Twenty/Trainツアーの最新公演は、9月24日にカリフォルニア州マージービルのSacramento Valley Amphithetreで行なわれた。


●サンタナが自身のサイトで、テロの犠牲者のために祈りを捧げる
Carlos Santanaは9月11日のNY世界貿易センターとワシントンD.C.の国防総省を襲ったテロ攻撃で犠牲となった人々に哀悼の意を表している。Santanaは彼自身のサイト(santana.com)に次のような声明を掲載した。
犠牲となった人々と遺族に心から同情します。神の癒しがニューヨークの街に注ぐよう深く祈りを捧げます。みんな一緒にひとつの愛と至上の愛の気持ちを持ちましょう

Santanaと彼のバンド仲間は'99年の『Supernatural』に続く次期アルバムを制作中。同プロジェクトは'02年に発売を予定している。タイトルは未定。


●B. スプリングスティーン、U2、S. ワンダーらの出演した『America: A Tribute To Heroes』に多額の寄付金が寄せられる
TV放送業界史上、最大規模にして非常にまれなイベントが開催された。9月11日の米同時多発テロ事件の被害者たちへのチャリティ・イベントに参加するために、9月21日(金)、Bruce SpringsteenU2Stevie WonderCeline Dionなど数多くの大物ミュージシャンたちがニューヨーク、ロサンゼルス、ロンドンのスタジオに集結した。

『America: A Tribute To Heroes』と銘打たれたこの2時間のスペシャル生放送イベントに、9千万人がチャンネルを合わせ、さらに数100万もの人たちが約800のラジオ局による放送に耳を傾けた。初期集計では、総額およそ2億ドルの寄付金が集まったとされている。

TV番組は普段はやたらと派手になりがちなものだが、この夜のイベントはSpringsteenによる未発表曲“My City Of Ruins”の淡々としたパフィーマンスで始まった。アコースティック・ギターを弾き、ハーモニカを奏でるSpringsteenの後ろには、バックコーラスとしてE Street Bandのメンバーの姿もあった。サビの“Come on rise up(さあ、立ち上がれ)”というフレーズが、追悼、癒し、そして回復へという雰囲気を作り上げ、そしてこの空気はこの夜のイベントの間中、変わることなく一貫して流れることになった。

イベントには、その後もアーティストが続々と登場。Wonderによる“Love's In Need Of Love Today”、U2の“Peace On Earth”“Walk On”のメドレー、Neil YoungによるJohn Lennon“Imagine”のカヴァー、Tom Petteyの挑戦的な“I Won't Back Down”、Wyclef JeanによるBob Marley“Redemption Song”の活気あるカヴァー、FDNY(ニューヨーク消防局)の帽子を被ったPaul Simonが歌う“Bridge Over Troubled Water”、Stingの“Fragile”、Billy Joelは昔のナンバーである“New York State Of Mind”を引っ張り出してきた。

さまざまな共演も観られた。Pearl JamのEddie Vedderは“The Long Road”をYoungと共に聴かせ、Limp BizkitのFred DurstはGoo Goo DollsのJohn Rzeznikと組んで、Pink Floydの“Wish You Were Here”をしっとりしたヴァージョンで披露した。

最近、精神衰弱により休養中だったMariah Careyと、自主的に活動を休止していたCeline Dionの両者は、このイベントを機会に隠遁生活から姿を表した。Careyは“Hero”を、カナダ人のDionは“God Bless America”を歌い人々を奮起させた。

その他にもDave Matthews(“Everyday”)、Alicia Keys(“Someday We'll All Be Free”)、Faith Hill(“There Will Come A Day”)、Dixie Chicks(“I Believe In Love”)、Enrique Iglesias(“Hero”)、Bon Jovi(“Living On A Prayer”)、Sheryl Crow(“I Shall Believe”)らが出演。

イベントの後にCrowがCNNのLarry Kingに話した内容によれば、この夜のライヴはチャリティCDとしてInterscope Recordsより発売される予定だという。

番組ではライヴ以外にも、Tom Hanks、Julia Roberts、Tom Cruise、George Cloony、Robert DeNiro、Clint Eastwoodなど数多くの映画・TVスターたちがコメントを発し、また、犠牲者の遺族の気持ちを考えさせるビデオ映像も流された。

中でも特に心を打たれたのは、一般のアメリカ人と同様に、今回の事件に大きなショックを受けているイスラム教徒のアメリカ人の子供たちを紹介したビデオだろう。伝説的ボクサーのMuhammad AliがWill Smithに付き添われて出演し、この子供たちの気持ちを代弁するように語りかけた。
もし、イスラム教徒がテロリストだとしたら、私はその代表としてここに立ってはいません」Aliはパーキンソン病のために震える体で訴えた。
すべての人が真実を知るべきだと思います。真実を認めてください。イスラム教は平和のための宗教です

イベントのクライマックスは、Willie Nelsonによるカジュアルでシンプルな“America The Beautiful”で、ロサンゼルスのスタジオで電話受付に参加していた大勢の芸能人も加わったエンディングだった。

寄付は現在もtributetoheroes.org、またはtribute.yahoo.comで受け付けている。電話受付は米866-868-6483まで。

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