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Matchbox 20のシンガー兼ソングライター、Rob Thomasは、自分の好きな音楽としてVan MorrisonやElvis Costello、Al Green等の名を挙げている。しかし、Rob自身の作る音楽は、それらとはかなり傾向の違うものだ。シングル“Push”では、内に抱えた怒りやほとばしる魂を表現しているRobだが、バンドの全体的なサウンドはもっと中身が濃い。

彼らの音は、SoundgardenやPearl Jam、Nirvanaといったグランジのバンドと共通するサウンドと、キャッチーな攻撃性を秘めている。実際、Robが以前は、今とは全く違うタイプのバンドで歌っていたと言われても、誰も驚きはしないだろう。とはいえ、Matchbox 20は他のバンドよりもかなり図太い神経を持っているようだ。

ハイスクール時代にいくつものバンドを経験した後、Robが結成したバンドがこの若いMatchbox 20だ。彼が最初に出会ったのはドラマーのPaul DoucetteとベースのBrian Yaleだった。3人は地元をツアーしながら腕を磨くという、平板な日々を数年間送る。やがて彼らはマイアミのCriteria Recordingsで働いていたギタリストのAdam Gaynorと、アトランタの音楽大学で学んでいたもう1人のギタリスト、Kyle Cookと出会う。

彼らがその南部サウンドのプロデューサーに選んだのはMatt Serletic。MattはCollective Soulで大きな成功を収めたプロデューサーだった。こうして制作されたデモテープが、Lava/Atlanticの耳に留まる。彼らはMattとともに即座にスタジオに戻り、デビューアルバム『Yourself Or Someone Like You』をレコーディング。それから後のことは、ご存じのとおりだ。