【速報】対米同時多発テロにまつわる音楽情報 Vol.17
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【速報】同時多発テロにまつわる音楽情報 Vol.17 大変、痛ましい事件が起こりました。それに伴い、現在アメリカでのコンサート・イベント等のほとんどは、中止、あるいは延期となっています。日本来日公演などに関しましても、情報が入り次第、掲載いたします。 ※ニュースが入り次第、リアルタイムに更新いたします |
●バックストリート・ボーイズ、ポール・シェファーらのNYでのチャリティ・コンサート出演が決定 |
ニューヨークで開催される豪華ラインナップによるチャリティ・コンサート、“Concert For New York City”の追加出演者として、Backstreet Boys、Michael J. Fox、コメディアンのAdam Sandler、Mike Miyers、Jimmy Fallon、女優のReese Witherspoonと夫の俳優、Ryan Phillippeらの名前が発表された。また、コンサートのバックを担当するオーケストラは、Paul ShafferとCBS Late Show Orchestraに決まった。Backstreet Boysは、このチャリティ・イベントに参加するためにサンディエゴでのコンサート予定をキャンセルしている。彼らはイベント終了後、西海岸側にとんぼ返りして全米ツアーを続ける。 ニューヨークのジュリアーニ市長が、このコンサート開催についてコメントしている。 「エンタテイメント業界の皆さんが、その類まれな才能を私たちの復旧作業の支援に使ってくださることに、ニューヨーク市民を代表してお礼を申し上げます。共に力をあわせ、私たちの生活、私たちの街をよみがえらせましょう」 過去に発表されている出演者は、Paul McCartney、Mick Jagger、Eric Claptona、Billy Joel、Who、Bon Jovi、James Taylor、John Mellencamp、Macy Gray、Goo Goo Dolls、Melissa Etheridge、Marc Anthony、Five For Fighting、India Arie、Jim Carrey、Meg Ryan、Susan Sarandon、David Spade、Julia Stiles、Denis Leary、John Cusack、そしてニューヨークのスポーツ・チームの選手たちなど。“Concert For New York City”は、10月20日(土)にMadison Square Gardenで開催され、その模様はVH1で午後8時(米東部標準時)から生放送される。 “Concert For New York City”の収益は、全額がテロ事件の被害者救済基金、Robin Hood Relief Fundに充てられる。この救済基金は、ニューヨーク市内の貧困層救済のために精力的に活動している基金であるRobin Hood Foundationが新設したもので、集まった資金は、犠牲者の遺族や救助作業員、また、惨劇により経済的に大きな打撃を受けた人たちへの支援を効率的に行なっている各チャリティ団体へ分配される。“Concert For New York City”のチケットは、10月8日にすでに売り切れとなっているが、Robin Hood Foundationのウェブサイト(robinhood.org)では、限定枚数のプレミアム・チケット(2000ドルから1万ドル)がまだ入手可能である。 |
●エイミー・マン、マイケル・ペンがヨーロッパ・ツアーをキャンセル |
Aimee MannとMichael Pennの夫婦コンビによるヨーロッパ・ツアーの予定がキャンセルされた。9月11日の米同時多発テロ事件の影響で中止されたツアーがまたひとつ増えたことになる。Mannの公式ウェブサイト(aimeemann.com)には、10月11日(木)のロンドン公演から開始される予定だった全12公演のツアーは“無期延期”と発表されている。 サイトには次のようなメッセージが載っている。 「先日のテロ攻撃により、100パーセントの可能性で再攻撃があるというニュース報道や(10月7日の)軍事行動の開始、また、米国務省による米国人海外渡航者への注意勧告などから判断した結果、残念ながら、予定していた私たちのツアーを無期延期せざるを得なくなりました」 「私たちのショウを楽しみにしてくれていた友人たちやファンのみなさんに、お詫び申し上げます。状況がもう少し落ち着いたら、再びみなさんのところへ行きたいと思っています」 9月の同時多発テロ事件の影響で、すでにJanet Jackson、Weezer、Panteraなどが米国外でのツアー中止を発表している。 |
●ストーン・テンプル・パイロッツが米国の惨劇について語る |
世界情勢がどうであろうと、Stone Temple Pilotsのツアーには影響がないようだ。彼らはStaind、Linkin Park、Static X、Deadsyらと共に10月11日(金)にクリーヴランドからFamily Valuesツアーを開始する。 一方、バンドの『Shangri-La-Dee Da』からの最新シングル“Hollywood Bitch”は、Billboard Modern Rockチャート25位を獲得し、さらに上昇を続けている。 Stone Temple Pilotsのヴォーカル、Scott Weilandは、米国は今まで運が良かっただけと語る。 「アメリカ人がこんなに酷い惨劇を経験したのは初めてだ。本当に初めてなんだよ」 「たいていの人間と地球上の社会は、多くの恐ろしい惨劇に苦しんできたというのに」 |
●M.ジャクソン、M.ジャガー、エアロスミスらがチャリティ・イベント“United We Stand”に出演 |
Michael Jackson、Mick Jagger、Aerosmith、*N SYNC、Backstreet Boys、Ricky Martin、Kiss、James Brown、Aaron Carter、Al Greenその他、まだ公表されていない人を含め大勢のアーティストたちが、10月21日(日)にワシントンD.C.のRFK Stadiumで開催されるスター勢揃いのイベントに参加する。“United We Stand”と名付けられたこの8時間の音楽イベントをプロデュースしているのは、大手イベント制作会社/プロモーターのClear Channel Entertainment(元SFX)。チケットの発売開始は10月12日(金)で、全米のTicketmaster、またはcc.comで取り扱われる。“United We Stand”の収益は全額がAmerican Red Cross Relief Fund、Pentagon Relief Fund、Salvation Army Relief Fundに寄付される。 Clear Channelの代表/CEOのBrian Beckerが、このチャリティ・イベントについてコメントしている。 「音楽は、喜び、悲しみのときに人々を結び付ける共通の言葉です。我々は一致団結するようにという大統領の声を支持します。そして、大物アーティストたちによる救済資金集めと、我々の安全のために命をかけてくれている兵士たちへ支援に、少しでも協力できることに非常に誇りに感じます」 “United We Stand”のエグゼクティヴ・プロデューサーを努めるのは、同社の大西洋岸中部地区の音楽部門責任者、Larry Magid。彼は'85年7月13日にロンドンのWembley StadiumとフィラデルフィアのJFK Stadiumで英米同時に開催された巨大イベント、“Live Aid”をプロデュースしていた。 “United We Stand”への追加出演アーティストは決定次第、順次発表される。Clear Channelは10月8日(月)に開催されたJerry Seinfeld、Chris Rockら出演のコメディ・フェスティヴァル“Stand Up New York”もプロデュースしていた。また、10月20日にニューヨークのMadison Square Gardenで開催されるコンサート“Concert For New York”、10月21日にナッシュビルで行なわれるカントリー・イベント“Country Freedom Concert”も手がけている。 |
●モビーがアフガニスタンへの攻撃にコメント |
9月11日の世界貿易センターへのテロ攻撃を自宅の窓から直接目撃したMobyが、アフガニスタンに対する軍事攻撃が問題の早期解決に結びつくことを願っていると、公式ウェブサイトの日記に綴っている。 「我々がアフガニスタンを攻撃していることは知っている。でも、遥かかなたの出来事のように思える」 「俺がこれを書いている間にも、人々が残忍な仕打ちを受けていることはわかっている。でも、TVに映っていることと、自分の窓の外に見えることを、どうやってひとつに結び付けたらいいのだろう? 世界貿易センターへの攻撃の生々しさは近所で起こったことで、俺にとっては目の前に突きつけられている現実だ。だが、世界の反対側で起こっていることを現実として受けとめるには、あまりに遠い出来事のように感じる」 「自分が望むことはわかっている。俺の願いは、この戦争が、負傷者をできるだけださずに早く終わってくれること。アフガニスタンの人々が、国と生活を立て直し始められること。これ以上テロ攻撃が起こらないこと」 |
●トレインがテロ攻撃の影響でビデオを撮り直す |
Trainは先月のテロ攻撃の影響で、完成間近だった“Something More”のビデオのコンセプトを練り直している。グループのオフィシャルサイト(trainline.com)にはこう書かれている。 「オリジナルビデオの内容がちょと気がかりだった……。ビデオの大部分が高層ビルの中や周りのショットだったんだ」 「9月11日の惨劇のためにプレイできない怖れがあるから、新しいビデオを撮り直すことにした」 グループはまた、「かえってそのほうが良かったかもしれない。みんな新コンセプトにすごくエキサイトしている」と付け加えている。バンドはビデオを完成させ、10月末の発売を見込んでいる。 Trainは一方で、長期にわたってアリーナ会場で行なわれたサマーツアー最終日の夜、ヘッドライナーのMatchbox Twentyに男性ストリッパーという派手な別れのプレゼントを贈った。フェニックスのDesert Sky AmphitheaterでMatchboxが演奏している最中、ストリッパーは警察官の姿でステージに登場。Trainは「彼らはおもしろがっていた」と書いている。「そのストリッパーはTバック下着にヤムサックみたいなものをつけてたんだ! ステージでは何があったのか分からなかったけど、すごくおもしろかったよ」 Trainは10月下旬に英国で、11月末にはオーストラリアでツアーを行なう。Trainのサイトによると、オーストラリアの日程にはLifehouseも参加するとのこと。Trainがヘッドライナーのフルスケールの北米ツアーは'02年2月に行なわれる予定。 |
●ネイト・ドッグがテロ事件への思いを綴った曲をシングルで発表 |
Nate Doggが、9月11日の同時多発テロ事件に対する気持ちを曲にした。タイトルは“Yesterday I Cried”で、Nate Doggはシングルとしてリリースしたいと考えている。この曲のレコーディングは、12月4日に発売予定となっている新アルバム『Music & Me』の締め切り後に行なわれたため、同アルバムに収録される可能性は少ないという。 Nate Doggは、曲に込められている思いは愛国心だとLAUNCHに語った。 「これは単純に“Yesterday I Cried(昨日、俺は泣いた)”と言っている曲だ。それは、すべてをTVで目撃したあの日の俺の気持ちで、基本的には国民全員が感じた気持ちだよ。まあ、それに尽きるかな。後は、俺たちのプライドについてであり、この国が自由の国であること、そして俺たちはこの国を自由の国以外のものには決してさせないということだ」 Nate Doggの新アルバム『Music & Me』からの1stシングル“I Got Love”は、先週、BillboardのHot R&B/Hip-Hopシングル&楽曲チャートに67位で初登場した。Nate Doggは自作以外にも、Ludacrisの“Area Code”、Fabolousの“Can't Deny It”、Jermaine Dupriの“Ballin' Out Of Control”にコーラスで参加している。 |
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