【インタビュー】vistlip、2026年第一弾シングル『UNLOCKED』が告げた解放への証「今、俺たちがやるべきこと」

vistlipが2026年1月7日、ニューシングル「UNLOCKED」をリリースする。2025年8月リリースの前シングル「BET」インタビュー時、智(Vo)は「今、vistlipはいい時期だと思う」と発言していた。その言葉どおり、勢いを増して2025年を駆け抜けたvistlipが、2026年の始まりとともにリリースするのがニューシングル『UNLOCKED』だ。
切ないメロディと緻密なバンドアンサンブルが絡む「Code Number」から、ヘヴィかつアグレッシヴなモードに振り切った「Bedtime Story」、一転して叙情的なバラード「Principal」まで、vistlipの世界をさらに押し広げる多彩な楽曲が揃っている。3曲とも2025年10月から11月に開催したツアー<vistlip ONE MAN TOUR 2025 [CODE:SIX] -Unlocked->で先に披露されていたため、音源化を待っていた人も多いだろう。やはりvistlipの音楽は、歌詞や演奏をじっくり噛み締め、バンドと1対1で堪能してこそのもの。
すべての作詞を手掛けた智とすべての作曲を手掛けたTohya(Dr)に制作秘話を語ってもらいながら、結成20周年を見据えるvistlipの現在地に迫った。
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■ウロボロスの輪を断ち切るイメージ
■曲も歌詞もすべて解放をコンセプトに
──<vistlip ONE MAN TOUR 2025 [CODE:SIX] -Unlocked->は、リリースに先がけて新曲を演奏するという挑戦的なツアーでしたが、手応えはいかがでしたか。
智:すごく楽しかったし、しっかり身になった感覚がありました。ライヴの内容もですし、メイクとかにも新鮮さがあって。個人的には、改めて歌うことが楽しいと感じられたのもうれしかったですね。
──もともとライヴで先に演奏する想定で新曲を作っていったんですか?
智:そうです。ツアーのタイトルとして<UNLOCKED>という言葉をどうしても使いたくて。そこからツアーと連動するようにシングルの内容を練っていくという流れでした。タイトルを先につけるのは珍しいので、なかなか新鮮な作り方でした。
Tohya:vistlipではあまりない試みでしたね。そもそもライヴで先に新曲をやること自体あまりないんですけど、今回はそれを逆手に取って、事前に「新曲をやります」と言っていたので。予想ができている状態だったからか、初回から違和感なくノッてくれていて、ナチュラルにできたと思います。

──2025年に「BET」をライヴ初披露した時は、「新曲ばかり練習していったので、既存曲の方が逆に緊張してしまった」というお話が前回インタビューでありましたが…。
Tohya:そんなこともありましたね(笑)。今回はツアーでやる曲がちゃんと決まっていたので、新曲も既存曲もしっかりやれました!
智:ははは。新曲をライヴで先にやるのもいいなと思います。来た人しか聴けないというプレミア感があるし、何よりだんだんみんながノレるようになっていくのが面白くて。リリース後はもっと一体感が出るんだろうなと期待が膨らんだり、いろいろ楽しかったです。もちろん特例ではあるので、今後もやるかどうかはわからないですけどね。言ってしまえば歌詞のネタバレなので(笑)。
──たしかに、智さんの歌詞は最初から最後まで読まないと、本当の意味が伝わらないところがありますから。
智:だから、みんなが「早く歌詞を読みたい」と言っているのを見て、ハードルが上がるなと思っていました。たとえば「Bedtime Story」は、僕としては戦慄するような緊張感がある曲なんですけど、ファンによってはすごく優しく聴こえたらしくて。ライヴで聴いてそういう解釈をしたあと、いざ歌詞が届いた時にどう思うかな?ってちょっと焦ったり(笑)。想像と全然違う人もいるだろうから、そこも含めてリリースが楽しみです。
──そもそも“UNLOCKED”というワードはどういうイメージで出てきたんですか?
智:「BET」でテーマにした“OUROBOROS”(終わりも始まりもない円環状)から連想して、その“輪”を断ち切るというイメージで考えました。だからシングルのロゴは、“UNLOCKED”のOとCをメビウスの輪のように重ねつつ、一部開いているデザインなんです。曲の歌詞もすべて“解放”をコンセプトにしていて、それぞれ曲の色によっていろんな観点の“解放”を書けたかなと思います。

──今回3曲ともTohyaさんの作曲ですが、選曲会を経て選ばれたんですか。
智:そうですね。単純に今回はTohyaの曲が良かったということです。
Tohya:たまたまそういうタイミングだったのかなって。というのも、「Code Number」以外は智さんのお導きのもとに作った曲なんですよ。最初から自分でこの3種類を揃えていて、全部いいねってことで決まったのであれば、もっと得意気に喜んでいたと思います(笑)。
──前回インタビューで智さんが「リクエストを受けて曲を作ってくれるのはTohyaだけ」と仰っていましたね。
Tohya:そこに応えてこその僕、ということで。
──では、1曲ずつお話を伺っていきたいと思います。まず「Code Number」は、ストレートなエイトビートの中で、ポストロック風のギターフレーズが印象的です。
智:そのギターのフレーズもTohyaが最初から入れていて。すごく好きなフレーズだったこともあって、すぐ採用でした。ライヴで聴いてても気持ちいいんですよ。イントロのみならず、Bメロやソロ後とか1曲を通じて、いろいろなところに出てくるリフのような役割も果たしていて。
Tohya:この曲だけは、しっかりとシングルのA面を意識して作りましたね。作曲の段階で<[CODE:SIX]ツアー>のコンセプトが決まっていたので、なんとなくスパイもののテーマソングになりそうな曲をイメージしながら。シンプルにいい曲で、ビートも感じられてキャッチー、それでいて媚びていない曲にしたかったんです。

──ツアーでは“[CODE:SIX] SECRET MISSION”というファン参加型の秘密任務キャンペーン企画を実施していましたし、やっぱりスパイとかエージェント系の世界観があったんですね。
Tohya:曲自体はそこまで“THEスパイ”な感じにはなっていないと思うんですけど、結果的にライヴやMVの感じも含めて、そういう仕上がりになりました。
──歌詞も、まさにスパイ映画を思わせるストーリー性を感じました。
智:エージェントっぽい要素は、今まで観てきた映画などをいろいろ頭に浮かべて、自分でも楽しみながら書きました。さっき言ったとおり、“解放”がコンセプトなので、たとえばエージェントがミッションをコンプリートして、組織から解放されるという物語を絡めてみたり。でも、そこはあくまで遊びの部分で。“今、いろいろなことに締め付けられて苦しい”という悩みをよくファンの方から聞くので、その縛りからどんなふうに解放されていくかを書きたかった。聴いた人にも、そういう気持ちを感じてもらえればと思います。
──たしかに、ストーリーを想像させつつも、自分の力で切り拓いていくというエネルギーが伝わってきます。
智:今、目の前で向き合って苦しんでいるものだって、視点を変えて高いところから見たらすごく小さなことだったりするじゃないですか。だから、“そんなもんやめちまえ”とか、“どこにだって君は行けるんだよ”ということを伝えたいという気持ちはありました。あと、昔から“アイオライト”と“ライオライト”を歌詞の中に使いたかったんですよ。
──両方とも、天然石の名前ですね。
智:そうです。インパクトはあるけど、そこまで知られていない石なので、ちょっと謎めいた雰囲気を感じて。今回うまくメロディにハマったので、それぞれの石の意味を人間模様と絡めて書いていきました。
──Tohyaさんは、この歌詞についてどんな印象がありますか?
Tohya:しっかり言葉遊びも盛り込んで世界観を表現しながらも、いろんなものをいろんな視点から書いていて。聴いた人や聴いたタイミングによって解釈が変わる作り方は、相変わらずすごいなと思います。作曲者としては、これだけストレートな曲からこんなに世界観を広げられるんだ!?ってびっくりしました。







