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【年間最優秀アルバム編】に続いて、他の主要部門におけるレース予想をしてみよう。
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Record Of The Year -年間最優秀レコード-
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『Say My Name』 Destiny’s Child
『I Try』 Macy Gray 『Music』 Madonna
『Bye, Bye, Bye』 ‘N Sync
『Beautiful Day』 U2
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今回の同部門はグラミーの歴史上初めて、年間最優秀アルバムのノミネート作品からカットされた曲がまったくノミネートされないという事態となった。候補曲はDestiny’s Childのナンバー・ワンヒット「Say My Name」、Macy Grayのソウルバラード「I Try」、MadonnaのNo.1ヒット「Music」、‘N Syncのバブルガム風スマッシュ「Bye, Bye, Bye」、そしてU2の現行ヒットシングル「Beautiful Day」である。
Destiny’s Childと’N Syncは基本的に、昨年の同じ部門にノミネートされたTLCとBackstreet Boysの座っていたシートを暖めているかたちだ。MadonnaとU2はともに2度目のノミネーションで、Madonnaは2年前に「Ray Of Light」で、U2は’87年のスマッシュヒット「I Still Haven’t Found What I’m Looking For」で初ノミネートを果たしている。
Grayの地味なソウルバラード「I Try」は強力な候補曲だ。実際に最初は彼女の受賞を予想した。だが発売されてからずいぶん時間が経っている。前年度のグラミー対象期間のアルバムからカットされた曲なのだ。これに対してU2のエントリー曲は最もフレッシュで、次年度の対象期間に入るアルバムから先行カットされた現在のヒット曲である。それにEminemが席卷した今年度において、U2のポジティヴなメッセージは極めて良い反響を得られることだろう。
私の予想どおりPaul Simonが年間最優秀アルバムを、U2が年間最優秀レコードを獲得すれば、今年のグラミーはU2がアルバムで、Simonがレコードで受賞した13年前とちょうど鏡写しのような結果になるだろう。
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| Song Of The Year -年間最優秀ソング- |
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『Beautiful Day』 U2
『Breathe』 Faith Hill
『I Hope You Dance』 Lee Ann Womack
『I Try』 Macy Gray 『Say My Name』 Destiny’s Child
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ソングライターを対象としたこの部門の最終候補のうち「Beautiful Day」「Say My Name」「I Try」の3曲は、年間最優秀レコードにもノミネートされている。だが他の最優秀レコード候補作である「Bye, Bye, Bye」と「Music」は選から漏れ、代わりにFaith Hillの「Breathe」とLee Ann Womackの「I Hope You Dance」という2曲のカントリーヒットが選ばれた。
「I Hope You Dance」はMark D. SandersとTia SellersがWomackのために書いた曲で、近年で最も称賛されている作品のひとつである。この胸を打つバラードはCountry Music Association Awardsで年間最優秀ソングに輝いているが、グラミーを取れるほどの知名度はないかもしれない。だがStephanie BentleyとHolly LamarがFaith Hillに提供した「Breathe」の場合はそうもいかないだろう。このバラードは2000年でナンバーワンのポップシングルになっているからだ。
これらの2曲はベストカントリーソング部門でも真正面から対決するだろうが、そちらでは逆の結果になりそうだ。カントリーの投票者はポップ部門の投票者よりも「I Hope You Dance」にずっと親しんでいるから、「Breathe」よりもこの曲に軍配をあげるだろう。
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| Best New Artist -ベスト新人アーチスト- |
Shelby Lynne
Brad Paisley
Papa Roach
Jill Scott
Sisqo |
Shelby Lynneには過去10年間の受賞者と共通点がある。女性ということだ。このことで彼女のアルバム『I Am Shelby Lynne』がベスト・ポップアルバムにノミネートされていない事実も帳消しになるだろう。彼女が受賞できなければ、Sisqoが新人賞を獲得するのを期待しよう。この「Thong song」で知られる男はベストR&Bアルバムを含むR&Bの主要賞3部門にノミネートされている。他の最終候補はCMA AwardsでHorizon Awardを受賞したカントリースターのBrad Paisley、ハードロックのPapa Roach、そしてR&BシンガーのJill Scottである。
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Best Pop Vocal Album -ベスト・ポップ・ヴォーカル・アルバム-
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『Inside Job』 Don Henley
『Music』 Madonna
『No Strings Attached』 ‘N Sync
『Oops!…I Did It Again』 Britney Spears
『Two Against Nature』 Steely Dan
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このうちSteely Danの『Two Against Nature』は年間最優秀アルバムの最終候補に残った唯一の作品である。だからといって本部門での受賞が確定したわけではないが、良い兆候ではある。Don Henleyの『Inside Job』とMadonnaの『Music』も強力な候補作だろう。Madonnaは2年前に『Ray Of Light』でこの賞を獲得しているが、私としてはやはりSteely Danを推したい。他の2候補作である’N Syncの『No Strings Attached』とBritney Spearsの『Oops!…I Did It Again』にチャンスがあるとしたら、投票者が子供たちに投票用紙を書かせた場合だけだろう(そうする人たちも少なからずいることは間違いない)。
Steely Danは『Two Against Nature』からのトラック「Cousin Dupree」で、ベスト・ポップ・パフォーマンス/デュオまたはグループ(ヴォーカル入り)も受賞しそうだ。
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| Best Rock Album -ベスト・ロック・アルバム- |
『Crush』 Bon Jovi
『There Is Nothing Left To Lose』 Foo Fighters
『Mad Season』 Matchbox Twenty
『Return Of Saturn』 No Doubt
『The Battle Of Los Angeles』 Rage Against The Machine |
Matchbox Twentyのヴォーカリスト、Rob Thomasは、昨年ゲスト参加/共作したSantanaのカムバックヒット「Smooth」で3部門のグラミーを受賞した。今年は自身のバンドによるセカンドアルバム『Mad Season』で、この部門での賞レースをわずかにリードしている。彼らのナンバーワンヒット「Bent」はベスト・ロック・ソングにもノミネートされている。さらにバンドの仲間であるMatt Serleticも年間最優秀プロデューサーの座を狙っている。
Matchboxの最大のライヴァルは、おそらくFoo Fightersの『There Is Nothing Left ToLose』だろう。このアルバムに収録されたヒット「Learn To Fly」は録音(技術)と音楽ビデオの両方でノミネートされている。他の候補作はRage Against The Machineの『The Battle Of Los Angeles』、Bon Jovi『Crush』、No Doubt『Return Of Saturn』である。
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Best Alternative Music Album -ベスト・オルタナティヴ・ミュージック・アルバム-
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『Midnite Vultures』 Beck
『When The Pawn』 Fiona Apple
『Bloodflowers』 The Cure
『Liverpool Sound Collage』 Paul McCartney
『Kid A』 Radiohead
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この部門は年間最優秀アルバムの最終候補作であるBeckの『Midnite Vultures』と、Radioheadの『Kid A』による一騎打ちとなるだろう。同部門の10年間の歴史の中で唯一、昨年2度目の受賞を果たしたBeck(『Odelay』と『Mutation』)に立ち向かうのは難しい。だが2年前に『OK Computer』で受賞したRadioheadの『Kid A』は、最近リリースされた作品なので、’99年末に発売されたBeckのアルバムよりも優位に立っている。
またPaul McCartneyの名声によってウェールズのグループ、Super Furry Animalsとコラボレートした『Liverpool Sound Collage』が逆転勝利を収めるわずかな可能性もある。他の候補作はFiona Appleの『When The Pawn』とThe Cureの『Bloodflowers』。
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| Best Hard Rock Performance -ベスト・ハード・ロック・パフォーマンス- |
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『American Bad Ass』 Kid Rock 『Take a Look Around』 Limp Bizkit
『Grievance』 Pearl Jam 『Guerilla Radio』 Rage Against The Machine
『Down』 Stone Temple Pilots
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昨年のトップセラーであるサウンドトラック『Mission: Impossible 2』からのLimp Bizkit「Take a Look Around」が、Rage Against The Machineの「Guerilla Radio」を一歩リードしている。ヒット映画はそのトラックの露出を大きく増やしてくれるのだ(昨年度はSheryl CrowとLenny Kravitzが映画からのヒットでロック部門の賞を獲得した)。残る3つの候補であるKid Rock、Pearl Jam、Stone Temple Pilotsはベスト・ロック・アルバム部門でのノミネートを逃しており、必ずしも彼らの作品(「American Bad Ass」「Grievance」「Down」)が本部門で不利になるわけではないが、やはり良い兆候とは言えないだろう。
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| Best Metal Performance -ベスト・メタル・パフォーマンス- |
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『Elite』 Deftones
『The Wicker Man』 Iron Maiden
『Astonishing Panorama Of The Endtimes』 Marilyn Manson
『Revolution Is My Name』 Pantera
『Wait And Bleed』 Slipknot
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Iron Maidenの20年に及ぶ歴史の重みが「The Wicker Man」を僅差で優位に立たせている。もうひとつのベテランバンドであるBlack Sabbathも昨年この部門で受賞している。Panteraの「Revolution Is My Name」も強力だ。このバンドは’90年代後半に同部門で2度ノミネートされている。他の候補はMarilyn Mansonの「Astonishing Panorama Of The Endtimes」、Deftonesの「Elite」、Slipknotの「Wait And Bleed」となっている。
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Best R&B Album -ベスト R&B アルバム-
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『Nathan/Michael/Shawn/Wanya』 Boyz II Men
『Voodoo』 D’Angelo
『Who Is Jill Scott?』 Jill Scott
『My Name Is Joe』 JOE
『Unleash The Dragon』 Sisqo
『The Heat』 Toni Braxton
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Toni Braxtonの『The Heat』には有力視されるだけの理由がある:この部門は過去5年間で女性アーティストが4回受賞している。この点でD’Angeloの『Voodoo』やSisqoの『Unleash The Dragon』を一歩リードしている。他の最終候補作はBoyz II Menの『Nathan/Michael/Shawn/Wanya』、JOEの『My Name Is Joe』、Jill Scott『Who Is Jill Scott?』(このアルバムは偶然にもLAUNCHのBest Of 2000投票でトップにランクされた)。
Braxtonは女性R&Bヴォーカル・パフォーマンス部門でもErykah Baduと激しいデッドヒートを繰り広げている。Braxtonが「He Wasn’t Man Enough」で先頭を走り、Baduの「BagLady」が僅差で後を追っている。
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| Best Rap Album -ベスト・ラップ・アルバム- |
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『…And Then There Was X』 DMX
『Dr. Dre – 2001』 Dr Dre
『The Marshall Mathers LP』 Eninem 『Vol.3…Life And Times Of S. Carter』 Jay-Z
『Country Grammar』 Nelly
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昨年『The Slim Shady LP』でこの賞を獲得したEninemは、同部門が5年前に設立されて以来、初めて2度目の受賞を果たすラッパーになりそうだ。Eninemの勝利は保証されたようなものだが、競争は熾烈を極めている。EninemのアルバムのプロデューサーのひとりでもあるDr. Dreは、自身も『Dr. Dre – 2001』でノミネートされている。2年前に同部門を受賞したJay-Zも『Vol.3…Life And Times Of S. Carter』でレースに参戦した。他のノミネート作はDMXの『…And Then There Was X』とNellyの『Country Grammar』。
加えてグラミー賞をあざ笑ったEninemの「The Real Slim Shady」が、ベスト・ラップ・ソロ・パフォーマンスも受賞しそうだ。ついでに彼の受賞スピーチも予想しておこう。「%&#@(@((@))%#(($(%##.”」。
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| Best Country Album -ベスト・カントリー・アルバム- |
『Let’s Make Sure We Kiss Goodbye』 Vince Gill
『Breathe』 Faith Hill
『Under The Influence』 Alan Jackson
『I Hope You Dance』 Lee Ann Womack
『Real Live Woman』 Trisha Yearwood |
Faith Hillの「Breathe」による大きなクロスオーヴァーヒットと同名アルバムの成功は、彼女にとって有利/不利の両面で働くだろう。一部には彼女のポップス界への野望と傾倒を嫌うものもいるからだ。2年前の同部門でより伝統的なカントリーのDixie ChicksがShania TwainとHillを抑えて勝利したのもおそらくそのためだ。ただし、今年はHillに代わる明らかなヒット曲がないため、たぶん彼女が受賞するだろう。
もしもベスト・カントリー・シングルの賞があれば(すでに100部門にも拡大したグラミーにこれ以上の追加を求める気はないが)、発表後すぐに名曲となったLee Ann Womackの「I Hope You Dance」が圧倒的な勝利を収めると思われる。そのWomackによる同名のアルバムも強力だが、『Breath』のほうがアルバムとしてのインパクトは大きい。他のノミネート作はTrisha Yearwoodの『Real Live Woman』、Vince Gillの『Let’s Make Sure We Kiss Goodbye』、Alan Jackson『Under The Influence』。
Hillは「Breathe」の歌唱によってベスト女性カントリー・ヴォーカル・パフォーマンスでも受賞しそうだ。
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| Best Traditional Blues Album -ベスト・トラディショナル・ブルース・アルバム- |
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『Superharps』 James Cotton, Billy Branch, Charlie Musselwhite & Sugar Ray Norcia
『Riding With The King』 B.B. King & Eric Clapton
『Let The Good Times Roll』 B.B. King 『Delta Crossroads』 Robert Lockwood, Jr.
『Milk Cow Blues』 Willie Nelson
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この部門でB.B. Kingに勝てるものがいるだろうか? B.B. KingとEric Claptonの共演アルバムを聴いてみるがいい。伝説の巨人たちによるプラチナセラー『Riding With The King』はKingのソロアルバム『Let The Good Times Roll』を打ち破りそうだ。グラミーの投票者はClaptonが映画主題歌「Change The World」でBabyfaceと組んだり、ClaptonとKingが数年前にStevie Ray Vaughanのトリビュートアルバムに参加したようなコラボレーションを好む傾向にある。
他にもお馴染みの大物としてはWillie Nelsonが『Milk Cow Blues』がレースに参加している。他のノミネート作はRobert Lockwood Jr.の『Delta Crossroads』、James Cotton、Billy Branch、Charlie MusselwhiteおよびSugar Ray Norciaによる『Superharps』。
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| Best Contemporary Blues Album -ベスト・コンテンポラリー・ブルース・アルバム- |
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『Wicked』 Shemekia Copeland
『Shoutin’ In Key』 Taj Mahal
『Shake Hands With Shorty』 North Mississippi Allstars
『Hoochie Man』 Bobby Rush 『Royal Blue』 Koko Taylor
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Taj Mahal & the Phantom Blues Bandの『Shoutin’ In Key』がトップを独走中。Taj Mahalは3年前に『Senor Blues』で同部門を獲得している。他のノミネート作はShemekia Copelandの『Wicked』、North Mississippi Allstarsの『Shake Hands With Shorty』、Bobby Rushの『Hoochie Man』、Koko Taylorの『Royal Blue』。
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以上、Eminemは汚い言葉をひとつも知らない可愛い坊やなので、Paul Greinがグラミーに関してレポート、分析、予想を行なった。
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