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90年のフィラデルフィアで、美しい歌声を響かせる10代の4人組コーラス・グループを発見したBell Biv DeVoeのMichael Bivinsは、彼らなら自分のグループ並みの成功も不可能ではないと考えた。それどころかBoyz II Menは、あっという間にBell Biv DeVoeを追い越し、Bivinsが10年近く前にやっていたNew Editionをしのぐ勢いで、史上最大のティーン・グループとなったのである。

'88年にフィラデルフィアのHigh School Of Creative And Performing Artsで結成されたBoyz II Men(Wanya & Nathan Morris、Michael McCary、Shawn Stockman)は、公演のために地元を訪れたBivinsの目にとまり、彼のマネージメント会社と契約した。'91年リリースのデビュー・アルバム『Cooleyhighharmony』がいきなりスマッシュ・ヒット。昔のアイドルたちを称えるヒップホップ風の曲で、Bell Biv DeVoeを思わせる“MotownPhilly”が全米チャートの3位まで上昇する。初のNo.1はバラードの“It's So Hard To Say Goodbye To Yesterday”。スローな曲調でよどみないハーモニーをじっくり聴かせ、'50年代のドゥワップを懐かしむ年配のファンをも獲得した。

翌年には、映画『Boomerang(ブーメラン)』のテーマソング“End Of The Road”が13週連続1位を達成。当時の最長No.1記録を打ち立てたセンチメンタルなこの曲は、高校の卒業式で盛んに使われた。'93年にはクリスマス・ソング集を発表、'94年には2ndアルバム『II』に先立ってリリースされたBabyface作の“I'll Make Love To You”がまたも大ヒットする。これもダンスのリズムを抑えた、ゆったりとしたバラードだった。グラミーを受賞した“I'll Make Love To You”と次のシングル“On Bended Knees”は、いずれもチャートの1位になっている。

Boyz II Menのサクセス・ストーリーはこれにとどまらず、'96年、さらに彼らはMariah Careyとのデュエット“One Sweet Day”で、16週連続1位の偉業を成し遂げた。彼らの影響で男性ハーモニーグループが急増したが、Boyzが実現した記録を破るのは至難の業だ。

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