8月29日(木)、ニューヨークのRadio City Music Hallで19回目となるMTV Video Music Awards(VMAs)が行なわれた。デトロイト出身のお騒がせラッパーEminemは、Video Of The Year(最優秀ビデオ)、Best Rap Video(最優秀ラップビデオ)、Best Direction(最優秀ビデオディレクター)を含む4賞を受賞。また、同じく“自動車の街”出身のWhite Stripesも3つのトロフィーを手にした。
しかし、Eminemの勝利はここでもいつものように物議と共に迎えられた。 Christina AguileraからBest Male Video(最優秀男性アーティスト・ビデオ)が手渡されると、オーディエンスの一部からブーイングが起こり、Eminemは賞を受け取ってもAguileraと握手せず(Eminemは彼のヒット「The Real Slim Shady」の中でAguileraを叩いている)。さらに会場がヤジり始めると、Eminemは敵対しているMobyに触れ、ハゲの眼鏡男を殴るのに問題なんかないとコメントした。(★ニュース)
ネオ・ガレージ・ロッカーのWhite Stripesは「Fell In Love With A Girl」でBreakthrough Video Award(ブレイクスルー・ビデオ賞)とBest Editing(最優秀ビデオ編集)、Best Special Effects(最優秀視覚効果)の2つのテクニカル賞を受賞。(★ニュース)
No DoubtとBounty Killerのコラボレーション「Hey Baby」は、Best Pop Video(最優秀ポップビデオ)とBest Group Video(最優秀グループビデオ)の2つのムーンマンを獲得し、またP!nkも「Get The Party Started」でBest Dance Video(最優秀ダンスビデオ)とBest Female(最優秀女性アーティスト・ビデオ)の2賞を手にした。
授賞式で意外だったのは、Jennifer LopezがJa Ruleをフィーチャーした「I'm Real (Remix)」でBest Hip-Hop Video Award(最優秀ヒップホップ・ビデオ)を受けたことだ。LopezはOutKast、Missy Elliott、Fat Joe、Busta Rhymesといったヒップホップの大物を相手にこの賞を勝ち取った。(★ニュース)
この日、VMAsのショウのオープニングを飾ったのはBruce Springsteenの野外パフォーマンス「The Rising」だった。(★ニュース) 続いてホスト役のコメディアンJimmy FallonがEminemの「Without Me」、Avril Lavigneの「Complicated」、Nellyの「Hot In Herre」、Enrique Iglesiasの「Hero」などのビデオのパロディをステージで披露し、途中からJames Brownが加わって「Sex Machine」のショートヴァージョンを演奏した。(★ニュース)
当日はShakiraをはじめ、音楽界のビッグスターらがステージを飾った。Shakiraはパーカッションをバックにセクシーなタンゴ調のダンスで「Objection」を披露、後にバンド全体が加わり、リズミカルな動きと歌で観衆を魅了した。
その後、4つの賞を受賞したEminemがマルチプラチナ・アルバム『The Eminem Show』から「White America」「Cleanin' Out My Closet」のメドレーをパフォーマンス。彼は大統領の一般教書演説を真似ながら「White America」を披露した。
ショウの休憩時間には、Carson Dalyがシリアスな問題に触れ、Lisa“Left Eye”Lopes AIDS Scholarship Fund(エイズ奨学金基金)の設立を発表した。同基金はエイズと闘う若者に年間25万ドルの助成金を提供する予定。TLCの他の2人、T-BozとChilliは、亡くなったメンバーのLopesを称え、この基金の成立を承諾した。Lopesは昨年4月、ホンジュラスで交通事故のため亡くなった。
この夜のハイライトのひとつはSean“P. Diddy”Combsのパフォーマンスだった。彼はRun-DMCに紹介され、VMAsにノミネートされたヒット「Bad Boy For Life」の一節からセットをスタート。続いてダンスをするUsherと共に「I Need A Girl Pt. I」のリミックス・ヴァージョンを演奏した。Combsは曲の途中で最新ヒットの「I Need A Girl Pt. II」を入れ、Busta RhymesとPharrell Williams (Neptunes/N.E.R.D.) らがステージに加わると「Pass The Courvoisier」をパフォーマンスし、観衆をさらに深くもてなした。Combsのステージには大勢のダンサーやアクロバット、花火が使われ、華麗なショウとなった。
元ニューヨーク市長のRudy GiulianiはJennifer Lopezによってステージに招かれ、Sheryl Crowを紹介。Crowは「Safe And Sound」を演奏し、9月11日の悲劇に巻き込まれた人々へ捧げた。Crowの紹介の前に元市長のGiulianiは、音楽業界に感謝し、テロ攻撃以降の支援と犠牲者の家族のための資金集めに謝辞を述べた。
当日の夜、最も期待されたイベントのひとつはJustin Timberlakeのソロ・デビュー・パフォーマンスだろう。*NSYNCのフロントマンである彼は、Clipseと共にNeptunesのプロデュースによるシングル「Like I Love You」でダイナミックなダンスを披露した。
最後に、長い間目立った活動をしていなかったGuns N' Rosesが「Welcome To The Jungle」と「Paradise City」のスピリットあふれる名曲メドレーで2002年MTV Video Music Awardsの幕を閉じた。(★ニュース)
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Yves Erwin Salomon, New York (C)LAUNCH.com