中心人物のVERBALに、“Sound Check 1, 2”!!!
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新コーナー、“Sound Check 1, 2” feat. VERBAL 様々なジャンルの識者たちと共に 音を聴きながらノンビリくっちゃべろう という フリースタイル・ノリでお送りする新コーナー、“Sound Check 1, 2”。 第一回のゲストは、m-flo、そしてMIC BANDITZとしても 活動中のビジー・マン、VERBAL! ラップ・フリークとしても有名な彼と共に 伝説のMCたちが放った名曲をSound Check ! |
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おぉぉぉ! SUPREME ONE(MIC BANDITZをプロデュース)がED O.G.の最近のアルバムやってるんすよ。 ――そうか! だからSUPREME ONEの名前って見たことあるんだ。 V:彼、ボストンじゃないっすか、今はSUPREME ONEのマネージャーなんすよ(笑)。別に隠してるわけじゃないと思うんすけどね。なんか言ってましたよ、「今、ED O.G.が俺のマネージャーなんだけど、彼を通さないで俺に直接金を送ってくれ」とかそういうノリなんで(笑)。これ言っていいかわかんないすけど。 ――ボストンだと、ED O.G.はかなりスゴいヤツって感じなの? V:意外と知られてないんすよね、ED O.G.は。ボストンってすごく不思議な街で、市内の人口の2割は学生なんですよ。だから新しい人達が、毎年入って来て変わるじゃないですか。だから地域に対しての執着心とかありがたみっていうのが…。例えばNYの人達は、「俺はニューヨーカーだぜ!」ってあるけど、「俺はボストン出身!」って誇りを持って言う人って、そんな俺は会わないんすよね。「俺、ボストン出身なんだけどさぁ…」みたいな人が多くて(笑)。ボストンのシーンでライヴもよく観るんすけど、カッコいいんだけど意外とね…。例えばESOTERIC(※注1)とかも上手いんだけど全然どこにも行かなかったり。VIRTUOSO(※注2)とかも、まぁ彼はヴィジュアル的に問題あるから…とか、そういうのもあんのかもしれないっすけど(笑)。あと今、友達のCHAN(※注3)っていう奴が、SUPREME ONEとアルバムを作ってて、ほんとカッコよいっす。でもSUPREME ONEも言ってるんですけど、「俺、ボストンじゃもうやっていきたくなくて、とりあえずこの街から出てぇから、日本で営業を頼むよ」とか言ってて(笑)。
V:いや、盛り上がってる人達は盛り上がってるんすけど。例えばキャパ100~200位のコバコでやるHIPHOPのライヴとか行くじゃないですか。そうすると大体、"普段HIPHOPとか聴いてないんだけどEMINEM好きだからこういうのも行ってみようかな~"って大学生の子達が多いんすよ。別に白人だからとかじゃないんだけど。で、例えばJERU( THE DAMAJA)が来たりするとみんなJERU知らないし、ふーんみたいな感じで。ローカルなアーティストが出ると、知らねぇ~みたいな感じで酒飲んでたりとか、そういう子達が多いんすよ。 ――あとはもう、MADEMEN(※注4)みたいな人達しかいないの? V:MADEMENは話にも聞くんすけど根本的にヤクザだから(笑)。上手い下手じゃなくて無理やりゴリ押ししてるだけだって。「BENZINOとか下手だよ」ってみんな言うんですけど、SOURCE(USのHIPHOP雑誌)の株とか半分持ってるしね。デフジャムに失礼な事言うつもりじゃないんですけど、BENZINOはあんま人気ないっすよ(カメラ目線)。正直、曲とか俺は好きなんすけど、彼のラップが上手いなんて思う人っていないと思うんですよ。あとGURU(GANGSTARR)ってブルックリン行っちゃったじゃないっすか。もともと自分でも曲で「♪I used to rock roxberry~♪」とか言ってたらROXBERRY出身なんだけど出て行っちゃった…みたいに、根本的にイケてる人達ってボストンから出て行っちゃう。 |
V:僕はこれの前ですね。聴いてたの。この曲ももちろん、好きだったんですけど。 ――「FOLLOW THE LEADER」とか? 「JUICE」くらいかと思ったんだけど。 V:うん、これが出たときに、やっと彼ら日の目を見たかなって思った。この前から目立ってはいたけど、これでERIC B. & RAKIMって名が知れたんじゃないですか。 ――「JUICE」の映画って観た? V:観ました。これが出たのが'91年くらいだから、僕は高1か高2ですかね。 ――その頃は普通にヒップホップ聴いてたの? V:そん時は僕、六本木とかでラップとかしてました。英語ですけど。 ――じゃあ「JUICE」はわりとさら~っと。 V:いや、これはやっぱ好きでしたね。この時、確かクラブとかでかかったりとか、「JUMP AROUND」(HOUSE OF PAIN)とか結構、全盛期だったり、そういう時代でしたね。 ――「JUICE」の映画とか観てかなり衝撃を受けたりしたのかな~って思ったんですけど.。 V:結構ディープな映画で、好きですね。 |
V:あ~(笑)。NYでこれがラジオでかかる前にDJの子がプロモ盤を持ってて、聴かせてもらったんですよ。NYの友達んとこへ遊びに行って、「これはホントかっこいい」ってみんなで盛り上がってたのを思い出します。「なんか別にサビとかも無いし…、でもなんでこんなにかっこいいんだろう」とか言って。今でもそうなんですけど、その時は特にラップ・オタクにハマってた時だったんで、これは僕の衝撃の一枚ですね。まぁ、これで衝撃を受けた人は多いと思うんですけど。 ――じゃあ、NYでもNASはヤバイって感じだった? V:この前にPETE ROCKにフィーチャーされてたじゃないですか。なんだっけ、なんかの曲でNASTY NASっていう名前で。そのときは“この人上手いな~”くらいだったんだけど。でもこれ出たときには、ホントかっこいいとか言って。同じ時期にWU-TANG(CLAN)の「PROTECT YA NECK」がプロモ盤で出たときで。聴いて、「音悪いけどかっこいいね~」っていう話をしてた。 ――これを聴いた時に、NYのシーンがまた新しくなったな…みたいな。 V:そう、これでグァ~ってきた。「これは間違いないでしょ」って言ってたらSOURCEでもやっぱマイク5本(= HIPHOP CLASSIC)になってたし。でも、普通は曲を聴いていいなって思うとビデオを見て更にいいなって思うんすけど、この曲は最初に聴いていいなって思ってPVを観たら、エッ?って思ったくらいスゲェ落ちたの覚えてるんですよね。PVがイケてない…。この曲のPVって「♪It Aint't Hard Tell~♪」(PVのマネ)とかやってて、死んでる…って思って。ちょ~つまんなかった。あとライヴもかっこ悪いんですよね、NASって。動きがダサいんですよ(笑)。クイーンズの人ってなんでこんなライヴつまんないんだろうって。MOBB DEEP観たときも、"お客さんいるのにもっと盛り上げようよ…"みたいに思った。まぁ、それがスタイルなんだろうけど。 ――NOREAGAもあんまおもしろくないって言うし。日本に来たときだけど。 V: 日本に来るとJAY-Zも適当だったじゃないですか。日本もなめられてるんですよね。なめられないように、みんな曲を覚えてライヴにいかないと。アメリカの人って露骨だから、もうやる気無くすと"どうでもいいや"ってステージの上でお酒飲みだしちゃって。『Lost Tapes』どうでした? ――う~ん…。 V:オレ、ほんと"ロスト"のままでよかったかなって(笑)。あんま曲も良くないし。なんでこんなにNASをぼろくそに言うかっていうと、彼はラップが上手いから期待しちゃうんですよね。だから『Lost Tapes』とか聴くと、出さなくて良かったんじゃないかな…って思う。 |
――SNOOPとかもそんなに好きじゃないの? V: SNOOPは大好きですけど、「DEEP COVER」とかは結構インパクトあって好きなんですけどね。WARREN Gは“SNOOPのいとこだとかDR. DREの兄弟だ”とかそういうので出たから、ちょっとコイツうさんくさいな…って最初思ってたんで。あんま認めてなかったんですけど。でも曲はかっこいいですよね。 ――実はこの盤のメインは裏面の2PAC「PAIN」なんだけど。 V: これはクラシックじゃないですか。今でもアメリカじゃラジオでかかってるし。 ――これに似たネタを使ってましたよね。あれを聴いた時にヤバいネタ使ってるな~って思って。 V: そうなんですよね、言われますよ。(ネタが)被っちゃって。XXXXXの話ですよね? まあ、それはちょっと…でも最近ばらされてるんで別にあんま関係ないんすけど。この前、タワーの試聴機にこれ(MIC BANDITZ)が置いてあったんで見たら「ROCKET SCIENCEやXXXXXで積極的に活動してるVERBAL」って書いてあって、俺は何も言ってねぇのになぁ~って(笑)。
V:2PACは伝説になってるから、BIGGIE(NOTORIOUS B.I.G.)と一緒に。BIGGIEより2PACのほうが普通に伝説化してるんじゃないかな~。彼はヴィジュアル的にもかっこいいからね。だからもう、彼はヒップホップがどうのっていう以前に、有名人のひとりっていうか。例えばジミ・ヘン好きじゃない人でも名前は知ってるように、2PACって別に曲を知らなくても存在はみんな知ってるみたいな。BIGGIEは、2PACほど知られてないんじゃないかなって印象を受けますね。 ――どっちかっていえばBIGGIE派? V: オレはBIGGIEのほうが断然好きですけど。ラップとか全部好きだし。 |
――'90年くらいかな。この曲とか「RADIO RADIO」じゃないけど、すげえBPMが速くて。 V:僕は曲名とかって知らないんで、じゃあ聴いてみましょう。 ――――――――――LISTENING--------------------- V:あぁぁぁ、コレか! クレジットとか全く入ってないMIX TAPEにもよく入ってた。 ――BPMすっげぇ速くて、マイクをどんどん廻していくみたいな感じですね。 V:でも昔はこういう速いのあったじゃないですか。この時KOOL KEITH(※注8)って真剣なラッパーだったんですよね。いつからかヘンな方向にいっちゃった。ビデオとかでマント着だしたり。でもそのKOOL KEITHの方が僕は好きなんです。昔は別に「RAISE IT UP」とかが出たときくらいまでは、別に上手くて好きだけどってくらいで。逆にヘンになってからもっと好きになった。 ――DR. OCTAGON(※注9)とかやりだしてから? V:OCTAGONの前からおもしろい人だな~って思ってはいたんですけど。ビデオとかでヘンな人だから。これを聴いたときは、KOOL KEITHがどうのっていうよりは曲がかっこいいとかってだけで。曲名とかアーティスト名とか知らなくて聴いてた。
V:好きですよね。なんか…「変態だ、変態だ」って言って。でも彼もKOOL KEITHに似た"VIBES"を発してますよね。 ――そういうのを考えるとまだVERBALはまとも? V:僕はエンターテインメントとして見てるんで、ライフ・スタイルはあんま尊敬してないんで、KOOL KEITHは(笑)。 ――自分がそこまでやろうとは思わない? V:できないっすね。彼の領域にはやっぱり誰も立てないと思うんですよね。DEV-LARGEさんが一番近いかな。アーティスティックな意味で。 |
今後のVERBAL |
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