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音楽業界でアーティストの成功を表現するときに、よくLONGEVITYという言葉が使われる。簡単に訳せば「息の長い」という意味なのだが、流行りすたりの特にはげしいHIP-HOPシーンにおいて、このLONGEVITYという言葉に見合うだけのキャリアを持つアーティストは本当に一握りにすぎない。GANG STARR「FULL CLIP」のリリースパーティーの席でPREMIERがこのLONGEVITYという言葉をしきりに出していたが、彼らの活動の集大成とも言えるこのアルバムを出して、クラシックと呼ばれるに値する作品をドロップし続ける事の難しさを身を持って知る彼だからこそ、LONGEVITYという言葉が心から出て来たのだろう。

クィーンズ出身、当時16歳の高校生だったハヴォックとプロディジーは、”Poetical Prophets”というグループ名で活動をスタート。1991年に4th&ブロードウェイと契約を獲得。MOBB DEEPとして待望のデビュー・アルバム「JUVENILE HELL」をリリースするが、さほど好セールスには及ばなかったものの、モブ・ディープは純粋なヒップホップの世界にこだわり、ストリートの現実を万人に向けてリアルに伝えようとした。その甲斐あってか現在所属のラウドレーベルに移籍。1995年に待望のセカンド・アルバム「THE INFAMOUS」をリリース。このアルバムからは、今やクラシックと評されるアンダーグラウンドヒット曲”Shock One II”、”Survival Of The Fittest”、”Temperature’s Rising”などが生まれている。1996年にサード・アルバム「HELL ON EARTH」は初登場1位に輝き、全米でプラチナム・セールスを記録する。1999年には、「MURDA MUZIK」では、“Quiet Storm”、同郷のNASをフィーチャーした”It’s Mine”などさらにプロディジーのボキャブラリーは進化し、スラム地区問題~家庭内問題に至るまでより、幅広い視野に基づいたテーマが取り上げられており、モブ・ディープのアプローチはさらに飛躍的な成長を遂げている。そして、待望の5作目となる新作「INFAMY」では、ハヴォックの驚くほどのプロダクション・スキルの成長とプロディジーのライムフロウがマッチしたモブ・ディープ(ハヴォック、プロディジー)の最高傑作と言える内容である。112、LIL'MO、RON ISLEY、INFAMOUS MOBB参加。

そこに広がるMOBB DEEPの世界はHIP-HOPの中を通りすぎた様々な季節の中でも全くその景色を変える事はなかった。

男なら一緒に歌わざるをえないフック、聞き手を知らず知らずのうちに自分達の世界に引きずり込むダークな語り草、そして何よりそれらを下から力強く支えるトラック。売る為だけの小細工は一切なしの直球勝負となっている。QBを語る上でMOBB DEEPサウンドは絶対かかせない存在である。