【音楽ギョーカイ片隅コラム】Vo.18「憧れの女性、パティ・スミス」

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昨夜のU2のパリ公演にEagles of Death Metalがスペシャル・ゲストとして招かれ、パティ・スミスの「People Have the Power」と自身の「I Love You All the Time」を演奏したというニュースを見て、ああ、こういう時はやはりパティだよなと納得し、今日はパティを聴いています。


初めてパティのライブを見たのは2001年のFUJI ROCK FESTIVALでした。初年度が想像を超える過酷なものだったため、もやしっ子だった私はフジロックに対してちょっと引き気味になっていたのですが、その年、再びフジロックの地を踏むことができたのはフジで働く友人が誘ってくれたからでした。

初回時と比較にならないフェスそのものの進化に心底驚き、快適な時間を音楽と自然の中で過ごしました。そして夕暮れ時の美しい時間にグリーン・ステージで表現するパティを見ました。

人生に数度しかないと思われるハンマーでガツーンと殴られたような感覚に全身が震え、二十代前半の女子の感受性の強さと酒の弱さも手伝って、日本酒片手にわんわんと声をあげ、気持ちいいくらい泣きました。

当時、パティに勝るとも劣らない才能を持つ女性シンガーを担当していたので、そのシンガーを同じこのグリーンに立たせたい! という気持ちや、一人の女性としてあんな風にかっこよくなりたい! という思いなど、いろんな感情が湧き出てきてしまって処理しきれなかったのだと思います。それほどの大きな衝撃と感銘を受けたステージでした。

そして、パティの次の、見る気満々でいたステレオフォニックスを爆睡してまんまと見逃し、さらには芝生の上に大の字で寝ていた姿を夢番地のAさんに目撃されるという失態をやらかしました。いやー、若気の至りと日本酒は怖いですね。その年以来見ませんが、オアシスで利き酒セットみたいなのが売っていたのでした。

その翌年、同じく苗場のアヴァロンにシークレット出演で舞い戻ったパティをもちろん堪能し、終焉間近には一緒に行っていた担当ミュージシャンを置き去りにしてステージ前へダッシュ、生パティと握手できた感激でまた泣いたのでした。

留学時、テートモダンで開催された朗読+ライブはチケットが取れず、大変悔しい思いをしましたが、別の濃いライブをロンドンでみました。いつ、どこで見ても彼女はブレない。これが今日に至るまでに見たステージ上の彼女から受ける印象で、ますます好きになる所以です。

パティは強くて暖かな、憧れの女性像です。まだ彼女のライブを見たことのない方、特に20代、30代の人生頑張っている女子には是非見て欲しいなあ。そしてパティの愛を感じて、自分を愛し、人、物、様々なものを愛して欲しいです。パティは自分か彼女が死ぬまで見続けたいと思うアーティストです。


◆早乙女“ドラミ”ゆうこの【音楽ギョーカイ片隅コラム】

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