ザ・フーの“ニューアルバムを制作中”。ピート・タウンゼントが宣言

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ギタリストのPete Townshendによれば、Whoは20年ぶりとなる全て新曲のスタジオアルバムを計画しているという。アルバムは'03年中にリリースされる見込み。

Townshendは生存している唯一のメンバー、Roger Daltrey(Vo)と曲を作る予定だが、Daltreyは過去にバンドのための曲を書いたことはない。Townshendのオフィシャル・サイト(petetownshend.co.uk)には“決意”という題で次のようなメッセージが掲載されている。

「先週、Rogerと会った……彼は頻繁に旅行をしていて、腰を据えてじっくり話したのは久しぶりなんだ。一緒に昼食をとって楽しかったし、とても感じのいいミーティングだったよ」

「ニューアルバムのためにいい作品(“歌”って言うのは、俺がもったいぶるのをやめたって思われそうで嫌だね)を書きたい。この時期に新しい音楽を作るのはかなり辛いと思う。ちょっと話をしたある若いミュージシャンでさえ、過去の重荷を背負ってるんだから」

「すぐに曲が書けたことなんて今まで一度もなかった」とTownshendは付け加えている。「どのくらかかるか分からない。新曲が完成するまで1年くらい見込んでおいたほうがいいかもしれない。もっとかかるかも。しかし、15作品書いたとして、新しいCDに収められるのは、そのうちの10作品。さらにステージで昔のヒットと互角にわたり合えるのは2、3作品だけだろう。だから……再びミリオンセラーになるとは到底思えない……俺達の最初の18年間を振り返ると、ちょっとしたことを達成するにもとても苦労するだろう」

TownshendはDaltreyとの曲作りについて次のように話している。「有意義な時間を過ごせると思う。これからのWhoのレコーディングについて、ぜひRogerに何かクリエイティヴなはけ口を見つけてもらいたい。彼はアイデアと情熱、エネルギーの宝庫だ……彼は今、かなり荒れた、シリアスな世界観を持っている。彼の関心をほかへ向けさせられたらいいね」

サイトには次のようなことも書かれている。「今、チャリティ団体から協力を求められている。それで、俺たちに馴染みの深いチャリティ・イベントを支援したいんだ。フェスティヴァルの出演に関する魅力的なオファーも受けていて、こんな偉大なバンドをいつでもプレイしたいという気にさせる、ずっと素直な誘惑を楽しんでるよ」

Townshendは以前のLAUNCHとのインタヴューで、長年のブランクを経てバンドの新作を作るのは、ツアーを行なうときと同じようにはいかないと話していた。「今、俺たちにとって興味のあるものは、よく見て、そこから何かを引きだすことなんだよ。それを戻して、フィルターにかけ、俺達のバンドとしての体験へ落としこむんだ。でも、実際にはショウに出て、ステージを歩き、プレイしている。今のところ、それがイージーで、楽しく、本当に面白いんだ。スタジオのことはあまり分からない……そっちもけっこうイージーで、楽しいかもな。でも、誰にも分からないさ」

Whoの最後のスタジオアルバムは『It's Hard』('82年)だが、'90年代に再発売されたアルバムの中には、ドラマーのKeith Moonの死後、'70年代末から'80年代初めにかけてレコーディングされた未発表曲がいくつか収録されている。

Whoは10月に北米ツアーを終えた。このツアーは6月にオリジナル・メンバーでベーシストのJohn Entwistleが亡くなった直後、ラスヴェガスでスタートしている。ラインアップを補ったのはTownshendのソロアルバムに参加したベテラン・ベーシストのPino Palladinoと、'90年代半ばからバンドの正式メンバーとなっているドラマーのZak Starkeyら。Townshendは、彼らが新作のレコーディングでプレイするかどうかについては書いていない。

関連ニュースでは、2000年にロンドンのロイヤル・アルバート・ホールで行なわれたベネフィット・コンサート「Teenage Cancer Trust」でのパフォーマンスが、2枚組CDとなって'03年3月にSPVレーベルからリリースされる。このチャリティ・ショウはすでにDVDで発売されており、Pearl JamのEddie Vedder、OasisのNoel Gallagher、元Jam/Style CouncilのリーダーPaul Wellerといった多彩なゲストシンガーがWhoの曲を歌っている。今回のCDにはまた、'02年に同じ会場で行なわれたコンサートから、バンドの「I Don't Even Know Myself」「I'm Free」、さらに定番カヴァーの「Summertime Blues」「Young Man Blues」の4曲のボーナストラックが収録される予定だ。

Darryl Morden, Los Angeles and Gary Graff, Detroit (C)LAUNCH.com
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