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| 洋楽のコンピレーションが好調だ。
昨年リリースされて大ブレイクした、癒し系コンピ『feel』が大きく拍車をかけたようだ。ちなみにその『feel』、先日リリースされた第2弾も売れている。そう言えば、昔はみんな、ドライヴ用とかプレゼント用とか寝る時用(!?)とか、テーマを決めて自分でカセット・テープに編集した、いわゆる“マイ・テープ”をよく作ったもの。言ってみればそういう感覚のCDなわけだから、コンピがウケるのも当然か。ましてや、揃いも揃って粒よりの楽曲がたんまりと入っている当『Love Lights』、発売当初から、近年まれにみる好調ぶりなのも、ある意味“当然”なのである(その様子はニュース記事で)。
しかし、コンピ人気の陰には、時代の変化も大きく関与している。なにやら、音楽の聴かれ方、とりわけ洋楽の聴かれ方自体が変わってきているのではないだろうか。アーティストで聴くのではなく、楽曲で聴くというふうに。
たとえばライヴを観に行くこと。
アルバムを聴き込んで、オープニングは?ラストは?…と、思いを馳せながら当日を待つのではなく、まずは“話題であること”そしてシンプルに“流行っているから”ライヴを観に行く…そういう音楽ファンが増大した。それだけ、音楽が生活と密着し、日常レベルでライヴを観に行くという行為が若者文化として成熟した証でもある。そしてそれは、同時にアルバム購入とライヴ体験の逆転現象として、アーティスト主導型から楽曲先導型へとリスナー動向を変化させてきた。
ライヴが気に入ったらアルバムを買う。…そういう音楽ファンが増えた中で、情報が錯綜している現在とあっては、何らかのきっかけで出会った楽曲/作品を元に、それが収録されたアルバムを購入するのも自然かつ基本の流れである。これは、ある意味で、日本で育まれた洋楽文化──アーティストへの強いリスペクトとアルバム至上主義──と比較すると、極めて自然、健全な姿だ。そこから本格的にアーティスト作品に没頭していくケースは今も昔も変わらないという意味も含めて…。
というわけで『Love Lights』。
スウィート、ロマンティック&エモーショナルというサブ・タイトルがつけられた本作には、時代を問わず、ポップ/ロック系のラヴ・ソングが19編、CDの収録可能時間の限界まで収められている。
ヒーリングの天使、エンヤの最新ヒット「オンリー・タイム」で幕を開けると、お馴染みエリック・クラプトンのグラミー・ソング「チェンジ・ザ・ワールド」、キラキラしたギターと優しいヴォーカルが心地いい、シックスペンス・ノン・ザ・リッチャーの「キス・ミー」、フィル・コリンズの代表的バラード「ワン・モア・ナイト」など、ハートフルなトラックが並ぶ。
10cc「アイム・ノット・イン・ラヴ」にエルトン・ジョン「ユア・ソング」、パーシー・スレッジ「男が女を愛する時」、ベン・E・キング「スタンド・バイ・ミー」といった、もはやラヴ・ソング・クラシックとも言えるスタンダードもしっかり押さえてあるあたり、さすがにツボを心得ている。
チャカ・カーン、ベット・ミドラーをはじめシニード・オコナー、フェイス・ヒルなど、本格派女性シンガーのナンバーも聴きどころ。
これだけあの手この手でラヴ・ソング攻撃を受けると、ちょっとむず痒くなってしまいそうなものだが、ネットリ、トロトロ系の楽曲がセレクトされていないせいか、押しつけがましさのないソフトな肌触りに仕上がっている。
それより何より、全ての作品が、人類の共通財産とも言うべき不変の名作。どの曲を持ってしても世界中の人々に愛され親しまれてきた作品なだけに、このアルバムを一聴して「?」と感じるリスナーはまず居まい。
ドライヴ可、部屋でワインでも飲みながらも可、シーツにくるまり合いながらもまた可。そんな使い勝手のいい作品なので、シチュエーションに合わせて、自由&存分に愛聴できることは間違いなし。まあ、問題は、これを買った人が彼氏やら彼女やら“愛の灯”を灯し合ってる人とベッタリ寄り添って聴いちゃったりする場合かな。“最高のBGMは愛し合うふたりの胸の鼓動だ!”なんちゃって、天下の『Love Lights』も無視されちゃったりして。 お好きにどうぞ!!! |
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