【ライブレポート】フォリナー、継承するメンバーに恵まれ観客を魅了
2022年5月10日よりスタートしたホワイトスネイクのフェアウェルUK&アイルランドツアーに、フォリナーとヨーロッパがスペシャルゲストという形で帯同したツアーの最終日。ウェールズの首都カーディフにて、ヨーロッパに続きフォリナーのレポートをお届けする。
彼らの場合、新作はしばらくリリースされていないので「Double Vision」から始まるベストヒット選曲となっている。現状、日本では最後の来日公演となっている2007年時のメンバーからも変わっているが、ジェフ・ピルソン(B)は相変わらず元気に動き回っている。
ケリー・ハンセン(Vo)も以前はバンドにはつらつとした若さを取り入れていたが、すっかりベテランの風格で、しっかりと名曲たちを聴かせる。ステージングは非常にアクティブでフロントマンとしてバンドを率いているようだ。
以前はミック・ジョーンズ(G、Key)が兼任していたキーボードも専任のマイケル・ブルースタインが加入したが「Cold As Ice」のイントロ部分はジェフが鍵盤を弾いていた。そのミックだが、2007年の来日公演ではフルにプレイをしていたが、数年前からは新たなギタリスト、ブルース・ワトソンが加入し、トム・キンベル(G)と共に両者ともなかなか熱くツインギターを披露している。
そして後半にミックも登場してのステージスタイルとなっているようだ。唯一のオリジナルメンバーだが、高齢である為にこういう形でもバンドを存続させ、継承するメンバーに恵まれ、観客を魅了するのも素晴らしい事だと思う。ベテラン勢は今後こういうスタイルも増えるかもしれない。
今回少し残念に感じたのは、「Urgent」のサックス部分が全てキーボードにて対応されていた事。以前はサックスプレイヤーが登場し、場内も湧いたものだ。そしてキーボードのマイケルとクリス・フレイザー(Dr)のソロをフューチャーする流れから「Juke Box Hero」へ。
フォリナーは本編とアンコールと分かれており、アンコールの3曲でミックの登場を期待したが彼が姿を現す事はなかった。数日前のロンドン公演では登場したようだが。
「I Want to Know What Love is」ではケリーが観客へスマートフォンのライトを照らすように導き、美しい楽曲と光で場内が溢れた。ラストまでメンバー全員が広いステージを駆け回り、ミックの不在を不満に感じる事はなかったが、やはり一目観たかったなとは思いつつも今後も健在でフォリナーを継続して欲しいと心から思う。
ホワイトスネイクのツアーでのフォリナーはこれが最終日となった。
文・写真◎Sweeet Rock / Aki
<WHITESNAKE UK Tour 2022 / Special Guest Foreigner>
1.Double Vision
2.Head Games
3.Cold as Ice
4.Dirty White Boy
5.Feels Like the First Time
6.Urgent
7.Juke Box Hero
Encore
8.Long, Long Way Home
9.I Want to Know What Love is
10.Hot Blooded
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