【音楽ギョーカイ片隅コラム】Vo.29「Eagles Of Death Metal、事件後初のパリ公演を開催」

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華々しいグラミー賞の報道で賑わう中、Eagles Of Death Metalが昨年11月に起きたテロリストによる襲撃事件後、初となるパリ公演を開催したというニュースが日本の民放で放送されているのを偶然目にしました。

日頃は海外ミュージシャンの大物ですら来日公演以外で日本のテレビで取り上げられるのを見ることは少ないのに、夕方のニュースで取り上げられていたこと自体に驚いてしまって二度見。それほど意外でした。しかしながら、ライブ中の襲撃はそれほど痛ましく悲惨な事件だったということですよね。



2月16日の公演では武装警官、兵士、精神科医らが配備されるなど、バンド・観客双方に対してセキュリティからメンタルサポートといった細部にわたるケアの下、事件が起きたのとは違う会場・オリンピアコンサートホールで開催されると報じられていました。

物々しくて暗い雰囲気に覆われてしまうのではないかと懸念していましたが、事件当時は不参加だったJoshも参加していたみたいですし、悲しみは変わらずに深くあったものの、前向きなショーだったので参加できてよかったとファンが語っている記事もあったこと、そして何よりは無事に終演したということに胸を撫で下ろしました。事件によって被害に遭われた方、お亡くなりになられた方のご家族や友人にとって、そしてEODMのメンバーやクルーにとってもこの公演を遂行したことで何かしらの良い作用が生まれ、前進する突破口となることを願ってやみません。

それから襲撃事件に関連し、公演前日の15日、フランスのテレビ局に対してJesseが銃規制について次のように語りました。

「事件によって変えさせられた自分の考えはたったひとつ。それは誰一人として銃を持たなくなるその日まで、すべての人々は銃を持たなければならないということだ」

彼はフランス当局の銃規制は何の役にも立たないどころか、それがあったばかりにテロリストの思う壺になってしまったという見解を示しており、事件後はアメリカ国内のどこへ行くにも必ず銃を携帯するようになったことを明かしています。

私は日本人で、日本という銃のない国に生まれ育ち、銃に対する拒絶反応が強いからでしょうか、この発言をうまく飲み込んで理解することができずにいます。もし、銃所持をOKとする国に生まれ住んでいたなら、Jesseと同じ考えになってしまうのかしらと想像してみましたが、少し考えただけで酷く悲しくなったのでした。シンプルですが、自分や自分の大切な人たちが「誰も銃を持たない世界」で音楽を楽しめるくらいに安心して生きていけることを望みます。

◆早乙女“ドラミ”ゆうこの【音楽ギョーカイ片隅コラム】
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