愛の情念! 2ndシングル「リラ」を語る【第二弾】

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8月にリリースされた2ndマキシ・シングル「リラ」も好調な勝野慎子

前半のインタヴューで彼女は、惚れた男性に振り回される都合のいい女の、悲しい胸の内を切々と語ってくれた。そんな彼女が最後に語った、「呪いのような、いけないものには魅かれる」と言う言葉。

後半のインタヴューは、その発言を受けての答弁から始めよう。



――この「リラ」という曲には、勝野さんのホームページ等で書き記してる"歌謡 呪いと魅惑のムラサキ花"という、非公式なサブ・タイトルも付いてるそうですね。

勝野:
この曲を説明する時に、(好きになった相手を)呪ってる歌詞だし、リラって花がムラサキ色だったりするし、魅惑の匂いもするしということから、そう付けました(笑)

――呪いって言葉、インパクトありますね。

勝野:
呪いのような"いけないもの"って惹かれるじゃないですか。"いけないもの"って美味しかったり、魅惑的だったりもするし。

――慎子さん、かなり性格的にヤバくないですか?(笑)

勝野:
歌ってる時の私や作品だけを見た人は、「呪いが…」とか言ってると、ヤバい人と捉えるかも知れないけどね。でも、あたしのホームページを見てくれてる人たちなら、素の(実は根明な)自分を知ってくれてるぶん、「呪ってやる」と言っても、割とサラッと流してくれるんですよ。だから「殺す」とか言っても、本当にそこまでいくわけないってのも、わかってくれてたりもするし。

――確かに、普段の慎子さんを見てると、歌に秘めた情念的な感情ってそんなに見えてこないですもんね。

勝野:
あたしが詞に記す感情って、その時期に抱いてる想いというよりも、ほんの10秒や20秒のうちに感じた気持ちだったりするんですよ。たとえば、2曲目の「物憂げ」みたいに、たまたまOLやってる時期、仕事の合間フッと外を見た時に感じた感覚を思い出しながら書いてみたりね。曲を書いてる最中の感情は、多重人格者風になってるけど、作り終わったとたん、本来の私自身へと戻っちゃう。私にとって歌を作るっていうのは、そういうことかなと思って。

――じゃあ呪っている感情も、そんなしょっちゅう思っている事柄じゃないってことですね。

勝野:
うん。だけど、ここ最近は、呪う感情も素直に吐き出せるようになった。

――えっ、それってどういうこと……?!

勝野:
呪いって言葉を使うから、きっと重く響いちゃうんだろうけど。たとえば、乗ったタクシーの運転者が感じ悪い人で、その態度や仕種を見てるうちに、「あたしがタクシー乗らなさそうな顔してるからって、遠回りすんなよ。あたしも舐められたもんだわねぇ」と思ったりするわけですよ。

ほかにも、スーパーに行っても、レジのところで店員の人が買った食べ物を雑に扱ってると、「白菜なんだから、ガンと置くなよ。卵なんだから上に乗せてよ。そういうの常識的に考えられない?」とかね。そういう細かいことを、あたし日々呪ってる(笑)。


――それを言葉にはせず、心の中でブツブツつぶやいているんですか?

勝野:
そう。感情的にはなるんだけど、どうしても言葉には出せない。なんだよぉと思ってるけど、「チョットさぁ」とは絶対に言えない(笑)。結局言えないのは、自分がビビッてるからなんだけどね。

前は、そういう弱い自分がすごく嫌いだった。だけど最近は、「あたしって弱い人間だから、こんなこと一つも言えない。ここで強く言えないなんて、あたしも大したことないわね」って自分を責めてね。同時に、「あ~、なんてあたしってダメな人間なんだろう。でも、あたしってまだまだ発展途上の人間だから、そうなっちゃうんだ。だったらもっともっと頑張れよ、勝野!」とか、自分で自分のことを励ましながら前向きに自己完結しちゃえてる。

そういう風に弱い自分に自信が持てるようになったのも、「リラ」という曲を今の事務所やレコード会社の人が認めてくれたからなんです。


――と言うと?

勝野:
この「リラ」を聴かせたことが、あたしのデビューのきっかけに繋がったんです。で、「リラ」って、自分の負の要素を思い切り出した歌じゃないですか。普通は、そういう部分をなるべく隠したり、忘れようとしたりするものだけど。そういった、あたし自身好きだけど自信を持ててなかった"負の要素"を素直に認めてくれたんですよね。

それからなんですよ、「後ろ向きなあたしでも、いいんだ」って言う自信を持てるようになったのは。きっとここで、ズッと感情を押し殺し、呪いの感情を他人に向けてたら、かなりヤバい人になってたんだろうけど。認められたことによって、その呪う感情さえ楽しめるようになってきたということが、今の勝野慎子の音楽へと繋がってるんだと思う。

だから、このマキシ・シングルでは、「リラ」(歌謡 呪いと魅惑のムラサキ花)、「物憂げ」(歌謡 まったり夏の午後と見せかけて実はサンタナ)、「新宇宙時代」(歌謡 スタートレットワープ9)と、それぞれ違う表情の歌を入れてるけど。その3つともやっぱりあたし自身の正直な姿だから、出来れば全部をひっくるめて好きになってもらいたい。それが一番嬉しいことですね。

取材・文●長澤智典


8/23発売のマキシシングル
「リラ」

勝野慎子さんからの
メッセージビデオが
観られます!







「リラ」のプロモーション
ビデオが観られます!






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