【今さら聞けない楽器のア・ソ・コ】お題「蘆舌」
“楽器”と一口に言っても、多種多様さまざまな部品から構成されているのはご存知の通り。え、そんなの知ってるわい!的なものから、古楽器のレアなところまで、今さら人には聞けない“楽器のア・ソ・コ”、ご紹介します。第60回のお題は「蘆舌(ろぜつ)」です。
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雅楽などで使われる縦笛・篳篥の部位で、篳篥の本体に差し込む形で取り付けて使用され、西洋の管楽器におけるリードの役割を果たす。単に舌とも呼ばれる。
材質は葦で、円筒状の葦片をつぶすように成型。ごく細い楕円状の吹き込み口を作り、そこに息を吹き込むことで音を鳴らす。吹き込み口の開き具合は、世目と呼ばれる輪状のパーツをはめ込むことで調整する。
なお、蘆舌は演奏する前に茶に浸すのが一般的。これは乾燥して閉じてしまった蘆舌を柔らかくして開かせるため。また、茶に含まれるタンニンが葦の繊維を強くする効果があるとも言われる(諸説あり)。
文:竹内伸一
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