【ライヴレポート】acid android、熱っぽいグルーヴとはらんだドラマ
L'Arc〜en〜Cielのドラマーyukihiroのソロプロジェクト“acid android”が6月24日、渋谷duo MUSIC EXCHANGEにてワンマンライヴ<acid android live 2016 #2>を開催した。
◆acid android 画像
前日には名古屋公演も行われたが、4月に開催した<acid android live 2016 #1>の2days公演から、わずか2か月という短いスパンでのライヴであり、また8月には<acid android live tour 2016 #3>の大阪公演と、THE NOVEMBERSとのダブルネームイベント<acid android in an alcove vol.8×THE NOVEMBERS PRESENTS 首>の開催も控えている。以前より披露されていた新曲もライヴを重ねるなかでブラッシュアップされており、新作やこれからの展開への期待感も高まるところだ。
オープニング映像が流れ、満員の会場から大きな歓声が沸き上がるなかに登場したのは4月の公演時と同様の布陣、ギターのKAZUYA(Lillies and Remains)とドラマーの山口大吾(People In The Box)。そしてyukihiroが静かにステージに登場し、マイクをとるとフロアの温度が一気に高まっていく。
1曲目の「let’s dance」のハイパーなシーケンスサウンドと、ソリッドにタテのビートを刻む山口のドラム、KAZUYAのパンキッシュなギターによるアンサンブルは攻撃的で、フロア前方は激しいモッシュ状態に。yukihiroのアグレッシヴなヴォーカルが、オーディエンスの興奮にさらなる燃料を投下していき、大きなシンガロングや掛け声がコブシとともに上がっていった。続けざまに、「imagining noises」「daze」とブルータルなビートによる曲で会場をかき回すなど、序盤から気迫に満ち、スリリングなステージを繰り広げていく。MCこそないが、方々からあがる歓声や名前を叫ぶオーディエンスにスッと手を上げて応える姿も、また印象的だった。
新曲も並んだ中盤は、映像や照明などの演出も加わって、無機質なデジタル感で攻撃的にスピードを上げていく序盤とはまた違った、エモーショナルな抑揚のあるステージになっていった。ワイドなステージの壁すべてに映像を投影し、ノイジーなギターとヘヴィなビート、そして雰囲気あるヴォーカルとが生む「double dare」の世界観を引き立てていく。「unsaid」から2曲の新曲(「new song #1」「new song #2」)、そして「swallowtail」などは、それまでハンドマイクで体を振り絞るようにして歌い上げていたヴォーカルスタイルから、スタンドマイクを使い、より丁寧にディテールを歌い上げるようなパフォーマンスで魅せていった。インダストリアルな音響と、アンニュイな80年代ニューウェーヴ・サウンドとが融合した「swallowtail」から優美な「new song #2」へとドラマティックに展開していくパートは、じつに美しく甘美。オーディエンスはどっぷりと、その世界に酔いしれていった。
そして後半は再び、アグレッシヴなサウンドで会場を揺らしていく。ダンサブルなビートによるロックンロール・チューン「balancing doll」からさらに、ダイナミックなドラミングでフィジカルに訴えかける「egotistic ideal」を連投すると、フロアはもみくしゃとなって、その上をダイバーたちが次々と転がっていった。会場中にもうもうと立ち込める熱気がすさまじい。そこに「the end of sequence code」のファストなビートが襲い、シーケンスと人力ビートのバトルがポップかつ凶暴な「violent parade」でフロアがカオスを極めていく。爆発感が最高だ。
そして重厚なギター・リフが響きわたり、スケール感にあふれ包容力のある「violator」のメロディを歌い上げると、ラストを新曲「new song #3」で締めくくった。ピアノの響きが印象的なミドル・チューンで、飛び跳ねまくったオーディエンスの熱をクールダウンさせ、静かな余韻で満たしていくようなエンディング。曲が終わるとともに、熱い拍手と歓声を送ったオーディエンスに、yukihiroは「どうもありがとう」とあいさつをしてステージを終えた。熱っぽいグルーヴとドラマをはらんだライヴに、オーディエンスは惜しみない拍手をいつまでも送り続けていた。
取材・文◎吉羽さおり 撮影◎岡田貴之
■<acid android live 2016 #2>
2016.06.24 (fri)@渋谷duo MUSIC EXCHANGE セットリスト
02.imagining noises
03.daze
04.gamble
05.intertwine
06.double dare
07.unsaid
08.new song #1
09.swallowtail
10.new song #2
11.balancing doll
12.egotistic ideal
13.the end of sequence code
14.violent parade
15.violator
16.new song #3
■<acid android live 2016 #3「acid android in an alcove vol.8×THE NOVEMBERS PRESENTS 首」
open 17:00 / start 18:00 *close 22:00(予定)
▼チケット
all standing ¥5,000(tax in) / 学生¥4,000(tax in) *ドリンク代別
チケット一般発売:2016年7月9日(土)
(問)クリエイティブマン 03-3499-6669
※営利目的の転売禁止
※未就学児入場不可
※学生割引有り:学生チケットの方は入場時に学生証の確認を行わせて頂きます。
▼cast
<live act>acid android、THE NOVEMBERS
<special session>g:土屋昌巳、vo:KENT(Lillies and Remains)、B:高松浩史(THE NOVEMBERS)、key:TOM(PLASTICZOOMS)、dr:yukihiro
■<acid android live 2016 #3>
open 18:15 / start 19:00
▼チケット
all standing ¥5,500(tax in) *ドリンク代別
チケット一般発売:2016年7月9日(土)
(問)キョードーインフォメーション 0570-200-888 (10:00~18:00)
※営利目的の転売禁止
※未就学児入場不可
◆acid android オフィシャルグッズ購入ページ
◆acid android オフィシャルサイト
◆acid android オフィシャルmobileサイト
◆acid android オフィシャルYouTubeチャンネル
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