【ライブレポート】BREAKERZ、3人3様で新たなステージへ
2012年11月に幕を開け、年をまたぎ全国29公演を駆け抜けてきたBREAKERZのホールツアー<BREAKERZ LIVE TOUR 2013 “BEST” -HALL COLLECTION->が、彼ら自身初となるNHKホールでの追加公演でついにファイナルを迎えた。
◆BREAKERZ画像
「今日は、俺はこのライブで“3K”を提示したいと思います。まず、みんなへの“感謝”!そして、みんなとの“絆”!そして、未来への“希望”!この“3K”にあふれたライブにしたいと思うんで、思いっきり盛り上がっていこうぜ!」──DAIGO
スカルのキャラクターが両手を交差させ“ウィッシュ!”ポーズをキメる、BREAKERZのロゴマークをかたどった巨大エンブレムを頭上に臨みながら、結成以来の5年半を支えてくれた人々へのメッセージを届ける彼ら。そして、「Everlasting Luv」と「BIG BANG!」で勢いたっぷりに幕を開けたこの日のライブは、まさに“BEST”の名の通りBREAKERZの歴史をまるでベストアルバムかのように再現しているかのようなボリューム感たっぷりの内容となった。「BUNNY LOVE」ではキラキラ光る“BUNNY(うさぎ)”の耳をメンバー3人揃って装着し、楽しい遊び心でもファンを喜ばせる。「BAMBINO ~バンビーノ~」でも、赤いドレスに身を包み艶っぽく舞う女性ダンサーがメンバーに寄り添い華やかなステージを演出したりと、バラエティ豊かなセットリストが次々と展開していく。
「このツアーは、ライブハウスから始まって今日で30本目ということで、最高のライブを色んなエリアでやることができて…。本当に素敵な思い出を更新していって、その名の通り“BEST”なツアーになりました。本当に、応援してくれるみんなのおかげです、ありがとうございます!」──DAIGO
全国のファンとたくさんの思い出を作ってきたツアーを完遂できた感謝を、あらためて言葉とともに伝えた1曲は「オーバーライト」。優しい感触の音色が会場をハート・ウォーミングな雰囲気で満たし、メンバーとファンの一体感がさらに強くなっていく。そして、ライブは雰囲気がまたも一変…。雷鳴と女性の叫び声が響くステージに、黒装束で身を包んだ白仮面の男達がうごめく。おどろおどろしいムードで包まれる中、SHINPEIが巨大な槍を手に男達を蹴散らす。そのSHINPEIとAKIHIDEが対峙し洋刀で斬り捨てたかと思えば、今後はDAIGOがAKIHIDEを剣で一閃し、首元に自身の牙を突き立てる。そして、同タイトルのオンラインゲームの主題歌として書き下ろした「RUSTY HEARTS」へと繋いでいくシーンは、ヴァンパイアを題材としたゲーム版「RUSTY HEARTS」のストーリーを、まるでロック・オペラかのごとく演じていくパフォーマンスがファンの目を奪う。
そして「CHALLENGERZ」では再びパワフルな爆音を鳴らし、「スマイル100%」はチアリーディング・チームがステージを華やかに彩る。「踊ろう!せーの、ジャンプ!」。チアガールのひとりから金色のポンポンを受け取ったDAIGOの合図とともに、1階席、2階席、そして3階席まで埋め尽くされた客席は全員一斉にジャンプ!エネルギッシュなパフォーマンスでロック・スピリットを表現するのはもちろん、BREAKERZ流のエンターテインメント精神もいかんなく発揮してファンと一体感を作っていくのが彼らのライブのスタイルだ。
そんな熱いリアクションをファンから贈られれば、全編3時間超えとなったロングラン・ライブでもメンバーのテンションは終始全開になるのは当然。「ぶっとばすぞー!」。SHINPEIは、全身に力をみなぎらせてステージ中央の演台へ飛び乗り、生声でファンを熱く煽る。「みんなと忘れられない熱い夜を過ごしたいと思います!」。AKIHIDEもそれに続き、「脳内 Survivor」から始まったライブ後半戦にさらなる勢いをつける。「3、2、1、GO!」。二人に負けじとハイテンションに叫ぶDAIGOの合図と同時に、SHINPEIは高々とジャンプ、AKIHIDEはドラムセットの頭上に設えたステージセットに立ち「NO SEX NO LIFE」のギターソロで自身の存在感をアピールする。その流れるようなコンビネーションは、DAIGOのMCではないが、この5年半で培ってきた彼らの“絆”を物語るかのよう。そして、ステージが文字通り“灼熱”の色…深紅のライティングで染められる中でメンバーとファンがタオルをぶん回した「灼熱」から、「DESTROY CRACHER」の爆音に会場全体がヘッド・バンギングで応える、激しくも一体感豊かなシーンでライブ本編の幕は閉じた。
そして、アンコールは、先ほどまでの熱気を穏やかに鎮めるように、アコースティックセットで「B.R.Z ~明日への架橋」と「君の声が聴こえる」を披露。さらに、このツアーのために3人でセッションして作った新曲「心をつないで」もファンへプレゼントする。「今、俺達を応援してくれる全員にメッセージとして贈りたいと思って、心を込めて作った曲を聴いてもらいたいと思います」(DAIGO)。SHINPEI、AKIHIDEのアコースティックギター、DAIGOのボーカル、その一音一音はまさに今の彼等からファンへのメッセージだ。心をつないで、それぞれの道を信じて進もう。そんな一節も印象的だった新曲は、BREAKERZが産声を上げた5年半前から現在までの“感謝”、メンバーとファンとの“絆”、そして、さらなる未来へと続く“希望”のメッセージ。今のリアルな思いをありのままに表現した心温まる1曲を、会場がひとつになった温かな拍手が包む。
「ここにいるひとりひとり、そして、全国で応援してくれてるBREAKERZのファンのみんながいてくれたからこそ、最高の景色を見ることができました。みんなからは、“応援することしかできない”とか、“本当に無力で、BREAKERZを好きでいることしかできない”とか、そういうメッセージをもらったりします。でも、俺達にとってみんなの存在は、本当にかけがえのない宝物で…。みんなは無力なんかじゃなくて、俺達BREAKERZを幸せにしてくれてます。だから、俺達BREAKERZは、これからも絶対にみんなを幸せにします。みんながくれた宝物を胸に、もっともっとみんなと最高の景色を見ていきたいと心から思います。俺達3人それぞれが、もっと輝いて、そして、みんなに照らされて、最高のBREAKERZになってここに戻ってきます…」(DAIGO)
スポットライトに包まれて並び立ち、この日何度目になるか分からないファンへの感謝を伝えたDAIGO、SHINPEI、AKIHIDE。その3人へ、ファンは「光」の大合唱で感謝を返す。僕と君の物語は続く、終わりなきステージへ。まさに「光」の歌詞通り、ファンと一緒に作るBREAKERZの物語はこれからも続いていく。そして、ライブのエンディングもまた、まさに“終わりなきステージ”を地でいくよう。「お前ら暴れ足りないみたいだからもう1曲いっちゃおうか! かかってこい!」(DAIGO)。「GRAND FINALE」「WAKE UP MY SOUL」「Destruction」「SUMMER PARTY」と、事前に用意されたセットリストには乗っていない曲達を、ライブを終わらせたくないと言わんばかりに次々とファンへプレゼントしていく。
「本当に、みんな、心の底から愛してるぞ!」(DAIGO)。
スタッフ、サポートメンバーのMAKOTOとMATSU、友達、家族、一人ひとりのファン…。<BREAKERZ LIVE TOUR 2013 “BEST” -HALL COLLECTION->は、BREAKERZを支える全ての人へ盛大な拍手が贈られる万感のエンディングを迎えた。
そして、熱気の余韻に包まれるステージで、新たなステージへ向かっていくBREAKERSからの報せがスクリーンに映し出される。SHINPEIは新バンドMUSCLE ATTACKを結成、1stライブを2013年5月11日(土)六本木morph-tokyoで開催。AKIHIDEはソロ1stアルバム『AMBER』を6月にリリース、同作を引っさげたツアーも決定。そしてDAIGOは、自身のバースデーパーティーを2013年4月8日(月)にZepp Diver Cityで開催するとともに、DAIGO☆STARDUSTとして“一夜限りのspacey live”を開催と、ソロ・プロジェクトに挑む3人へエールを贈るかのようにファンは割れんばかりの歓声を贈る。最高のBREAKERZになってここに戻ってきます…DAIGOからのメッセージの通り、それぞれの個人の活動でさらなるパワーを蓄えた彼等が、最高のBREAKERZとなって戻ってくる日をファンは誰もが待っている。
取材・文:道明利友
◆BREAKERZ オフィシャルサイト
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