【ライブレポート】BREAKERZ、全国ツアー<Bintage>完遂「声が出る限り、ずっとずっと」

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BREAKERZが9月23日(月/祝)、全国ツアー<BREAKERZ LIVE TOUR 2024 -Bintage->のファイナル公演を東京・渋谷ストリームホールにて開催した。ニコニコ生放送で生中継された本公演のチケットはソールドアウト。フロアは前に詰めるお願いのアナウンスがされるほど、まさに満員状態だ。

◆BREAKERZ 画像

期待のハンドクラップと歓声が湧き上がる中、サポートメンバーのMatsu(B)、響 (Dr / 摩天楼オペラ)が定位置につき、SHINPEI、AKIHIDE、DAIGOの順にステージに登場。サングラスをかけたDAIGOがセンターで右手を高く掲げ、幕開けは3年ぶりのオリジナルアルバム『Bintage』の1曲目「LADY CAT」だった。エッジの効いたギターリフ、AKIHIDEとSHINPEIのギターアンサンブルも刺激的なBREAKERZらしい色気のあるナンバーだ。

続けて披露されたのはドラムとベースの強靭なリズムに、クラシックロックに通じる骨太なギターフレーズやオブリが絡んでいく「CHANGE THE BAD FUTURE」。BARKSインタビューで「アルバムにはギターロックの匂いがする、ライブ感がある曲が集まった」と話していた彼らだが、全員のプレイが際立つソリッドなバンドサウンドが快感だ。AKIHIDEがステージの縁に座って熱いソロを鳴らし、DAIGOが未来に警鐘を鳴らすメッセージを届け、ハンドクラップの場内は大歓声。


「ツアーファイナルです! 東京に帰ってきました、ただいま!」とDAIGOが呼びかけると即座に「お帰り!」という声が飛ぶ。

「『Bintage』というアルバムを3年ぶりにリリースして、ツアーを廻ってきました。全国各地を廻ってきたおかげで、さらに熟成された、そんなサウンドをお届けできると思います。みんなも今日、最高のBintage、完成させようぜ!」──DAIGO

また、本公演が生配信されていることにも触れ、「お茶の間! お茶の間!」と画面の向こうまで賑やかしつつ、メンバーもフロアもジャンプで盛り上がった「Free! Free!」へ。エキゾティックなフレーズを奏でるAKIHIDE、軽やかなステップを踏みながらストロークするSHINPEI、DAIGOが前に出てフロアにマイクを向け、ニューアルバム収録曲なのに既にライブ定番曲のようなグルーヴと盛り上がりだ。


イントロで怒涛の歓声が上がったのはアニメ『名探偵コナン』のテーマ曲に起用された「幾千の迷宮で 幾千の謎を解いて」(2017年)。追加公演を含めると全7ヵ所となった本ツアーはアルバム『Bintage』収録曲以外は決め込んでいない曲もあり、何箇所か通っている人にもサプライズが楽しいセットリストとなっているそうだ。続いて披露されたのはAKIHIDEがエフェクティヴなギターソロで魅了するイントロダクションから移行した「Killer」。キャッチーなメロディに乗せ、何が真実なのか境界線が曖昧な世界に鋭く斬り込んだ歌詞を歌うDAIGOはマイクスタンドを操ってパフォーマンス。エンディングでスタンドを宙高く掲げてみせた。

結成・メジャーデビューから17年を迎えたBREAKERZだからこそ鳴らせる熟成感のあるサウンドとロックバンドの根幹ともいえる初期衝動が絶妙なバランスで同居したライブは瞬く間に場内を熱くさせる。イントロでAKIHIDEとSHINPEIが前に出てギターをかき鳴らすやんちゃなパンクチューン「I love my son」ではDAIGOが歌いながらSHINPEIに近寄り、お互いにグーパンチや蹴りを入れる仕草をしたかと思ったら、AKIHIDEの肩に手をかけ、マイクを向けたり、曲調にピッタリの弾けたパフォーマンスで楽しませる。


メンバー紹介はアルバムにも参加している響とMatsuのリズムセクションから。SHINPEIはお立ち台で生声でシャウトしてから熱いメッセージを届けた。

「アルバムには俺たちの17年の全てが詰まっていて、そしてこれから先にまだまだ進んでいこうという想いを“ビンテージ”という言葉に込めました。みなさまと熟成させて次の“ビンテージ”に向かって歩いていける1日にしたいと思います」──SHINPEI

DAIGOに「シンピー、途中までよかったのに惜しかったね…次の“ビンテージ”って。BREAKERZの今度のアルバム『Bintage II』にしようかな(笑)」と突っ込まれる一幕もありつつ、AKI様コールに迎えられたAKIHIDEもアグレッシヴモード。

「本当に熟成されてジュクジュクしてるね。ライブのために作ったようなアルバムなので盛り上がるんだろうなと思ってたんだけど、予想以上にみんなが各地で熟成させてくれて。今日は各地の熟成具合が集まって、みんなの想いがさらに重なって、僕の気持ちはビンビンです(笑)。今日は二日酔いとか知らない。この音と味を飲み干してやろうと思います」──AKIHIDE


そしてDAIGOがいつものように「誰かな?」と自分で紹介し、元気いっぱいのコール&レスポンスからライブは中盤戦へ。DAIGOがシフトチェンジするように語りかけた。

「年を重ねると、絶対に避けられないことなんですけど、いろんな人との別れが待ち受けています。僕自身、今年の初めに大切な方との別れがあって、そういう中で、“こうしておけばよかった”とか後悔や心残りがあったりします。だけど、そういう大切な人がいたからこそ、生かされていると感じています。旅立ってしまった人たちとまた空の向こうで会えることを信じて」──DAIGO

演奏されたのは、巻き戻せない時間と別れの切なさと一筋の希望を浮かび上がらせる「あの空のフリージア」。しっとりとしたバラードではなく、ミドルなポップチューンとして昇華しているのも熟成した今のBREAKERZだからこその表現スタイルなのかもしれない。続くジャジーで軽快なテンポの「真夏の雨」ではテクニカルなAKIHIDEのギターソロが情景を浮かび上がらせた。


楽器陣のソロが盛り込まれたバンドセッションを挟んで、アルバムのタイトル曲「Bintage」ではDAIGOがワイングラスを片手にステージに登場。BREAKERZを年代もののワインに例えた芳醇なシャッフルナンバーを、時に囁くように歌うDAIGOとその演奏にフロアも身体を揺らして陶酔。新鮮で同時にBREAKERZらしくもある。最新のタイトルナンバーに続いて1stアルバム『BREAKERZ』に収録されていた「Neo-Breaker」(2007年)が演奏されたのもサプライズだった。“自分の中にあるモラル 壊して自由へfly”と歌うメッセージが、「ここからがまた新しいスタート」とアルバムを定義づけていたBREAKERZの歴史を1本の線で繋ぐように響く。そしてSHINPEIの初恋エピソードから、DAIGOがステージからフロアに飛び降りた「初恋トランポリン」へ。

「もっともっと、ここからみんなと一緒にぶち上がっていきたいと思ってます! ぶっ壊れていこうぜ!」とDAIGOが叫んでライブは後半戦に。

ステージを照明が赤く染め、ライブのキラーチューン「NO SEX NO LIFE」でさらにファンとの距離を縮め、タオルを降る光景が広がる「灼熱」を今年の夏の太陽のような熱さで投下。「もっと!もっと!」とさらに煽った「DESTROY CRASHER」ではAKIHIDEがギターを頭上に掲げ、SHINPEIのヘヴィなギターが唸りを上げる。DAIGOがステージを降りてフロアのみんなに身体を支えられながら歌う興奮度限界突破のアクトが繰り広げられた。ファンもヘドバンで限界突破。本編ラストはライブから生まれ、『Bintage』に収録された「RESTART OF LIBERTY」。男子の声も混ざる全力のシンガロングが場内に響き渡った。


メンバーが立ち去らない内に会場から上がった力強いアンコールの声が、この日のライブの熱量の高さを何よりも物語っていた。サポートメンバーの2人を含めた全員がグッズTシャツに着替えて、再び登場。感謝を伝えるDAIGOのMCが集まった人たちの胸を打った。

「アルバムの中で1曲だけ、まだやっていない曲があるので、みんなに届けたいなと思ってます。ここに来てくれている人、ひとりひとりの人生があって、いろいろな環境の人がいると思います。そういう中、どうしてもうまくいかない時とか、苦しい時とか辛い時、“なんで、こういうことばっかり起こるんだろう”とか…生きてるとそういう時が絶対にあると思います。僕たちから伝えたいことは本当に苦しくなったら逃げ出していいと思うし、立ち止まってもいい。生きてさえいれば、何回でも何歳でもやり直せる。そう思っています。みなさん、苦しい時や辛い時には逃げ出して、立ち止まってください。でも、BREAKERZの音楽がそばにいること、俺たちの存在がいることを忘れないでください。俺たちの音楽がみんなを絶対に後押しします。そういう想いを込めて作った曲です」──DAIGO


披露されたのは「ふわり」。「Killer」で描かれた迷路のような時代の中、傷つきながら生きている人の心を優しく包みこむナンバーだ。SHINPEIがハートウォーミングなソロを奏でた。

「いろいろなもの背負いながら、今日、応援の気持ちを送ってくれるみなさん、すごいです。カッコいいです」と心からの言葉を届けたSHINPEI。

「濃い、非常に熟した幸せな時間でした。飲み干せるなと思ったんですが、無理でしたね(笑)。なんでかなと思ったら、BREAKERZとしてもみなさんの人生としてもまだまだ熟していけるんじゃないかなって」と未来に繋げたAKIHIDE。

ツアーを廻って予想以上に多くの人たちがアルバムを待っていてくれたことを実感したというDAIGOは「みんなにとってBREAKERZはもはや実家です! 俺たちの身体が持つ限り、声が出る限り、ずっとずっと活動してますから。いつでも帰ってきてください!」と宣言した。


そのメッセージを刻みつけるように再始動第1弾アルバム『Ø-ZERO-』収録曲であり、約束を誓う曲「WE ARE」をシンガロング。続く「SUMMER PARTY」では3人がセンターのお立ち台に並び、客席が歌う声をしばし笑顔で聴いている幸せなシーンが目の前に。これで大団円…と思いきや、BREAKERZを求めるファンの盛大な「もう1回!」コールが沸き起こった。

「やるか!? 昔みたいにやっちゃうか!」とDAIGO。急遽ドラムの響のほうにメンバー全員が集まって話し合い。「ガチ打ち合わせしたわ」と笑い、BREAKERZの代表曲のひとつ、「FAKE LOVE」が投下された。言うまでもなくフロアはさらにエキサイト。DAIGOは再び、フロアに降りてもみくちゃになりながらハイタッチ。“愛してるって言って”という箇所を客席全員が歌い、まさに一体感のカタマリのような熱い熱いエンディングを迎えた。ロックバンドとしてのエッジを失わず、深みと優しさを増したBREAKERZ。理想の熟成に乾杯したい一夜であった。


なお、本公演<BREAKERZ LIVE TOUR 2024 -Bintage->のファイナルのニコニコ生放送のタイムシフト視聴期間は10月7日(月)まで。チケット販売は10月6日(日)23:59まで。

取材・文◎山本弘子
写真◎MASA

■<BREAKERZ LIVE TOUR 2024 -Bintage->9月23日(月/祝)@東京・渋谷ストリームホール SETLIST

01. LADY CAT
02. CHANGE THE BAD FUTURE
03. Free! Free!
04. 幾千の迷宮で 幾千の謎を解いて
05. Killer
06. I love my son
07. あの空のフリージア
08. 真夏の雨
-バンドセッション-
09. Bintage
10. Neo-Breaker
11. 初恋トランポリン
12. NO SEX NO LIFE
13. 灼熱
14. DESTROY CRASHER
15. RESTART OF LIBERTY
encore
en1. ふわり
en2.. WE ARE
en3 SUMMER PARTY
W.encore
en4 FAKE LOVE

■<BREAKERZ LIVE TOUR 2024 -Bintage->ニコニコ生放送タイムシフト配信

9月23日(月祝) 東京・渋谷ストリームホール公演
▼チケット
3,800円(税込)
販売期間: 9月20日(金)18:00~10月6日(日)23:59
配信サービス:ニコニコ生放送
購入リンク:https://dwango-ticket.jp/project/5H7HldAPjJ
▼視聴URL
https://live.nicovideo.jp/watch/lv345817078
タイムシフト視聴期間:10月7日(月)23:59まで
※チケット未購入の方でも一部ご視聴いただける「チラ見せ」パートがあります。
全編をご視聴になるにはチケットの購入が必要になります。
※タイムシフト期間中であれば何度でも、生放送終了後に番組を視聴することが可能です。
※上記期間を過ぎると、視聴の途中であっても番組を見ることができなくなります。
※チケット購入時、チケット代とは別にサービス手数料が380円(税込)が加算されます。

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