【インタビュー】BREAKERZ、3年ぶり8thアルバムが物語る熟成と限界突破「時代に左右されない新たな自由の幕開け」

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BREAKERZが7月24日、8枚目のオリジナルアルバム『Bintage』をリリースする。前作『WITH YOU』から約3年ぶりとなる本作のタイトルは、デビューから17年目を迎えるバンドのキャリアをヴィンテージワインに例え、“Vintage”の頭文字をBREAKERZの”B“に変えて命名された。年代ものワインというと円熟味を増した渋くてまろやかなサウンドを想像する人もいるかもしれないが、そうではない。本作の柱はBREAKERZの本質を浮き彫りにするシンプルでエッジの効いたギターロックだ。

◆BREAKERZ 画像 / 動画

2023年からライブ披露されていた曲「RESTART OF LIBERTY」は、骨太でソリッドなギターサウンドに乗せて“限界を壊して 自由の幕開けを”とDAIGOがメッセージするナンバーだが、彼らのコンセプトでもある“CRASH & BUILD”の精神が息づくロックバンドらしさに貫かれたアルバムでもある。「今のミュージックシーンに左右されずに自分たちの在り方を追求していこうと思った」と今作について語ったのはDAIGO。

今の日本に警鐘を鳴らすアグレッシヴなナンバー「Killer」ではAKIHIDEとSHINPEIのギターが唸りを上げ、DAIGOが愛する息子に捧げた「I love my son」はやんちゃなパンクチューンとなった。そして、今のBREAKERZならではの色気と初期に通じるテイストがあるAKIHIDE作曲の「LADY CAT」、映画『ゴッドファーザー』のノスタルジックな世界観からヒントを得たというSHINPEI作曲のジャジーで妖艶なタイトル曲「Bintage」など、滑らかでコクのある曲も収録されている。

DAIGO、AKIHIDE、SHINPEIの不動の3人が、BREAKERZにしか生み出せないグルーヴ、ライブ感で最初から最後まで楽しませてくれる全10曲。信頼し合う3人の空気感とバンドの矜恃が伝わるロングインタビューとなった。


   ◆   ◆   ◆

■初期の香りがするギターロックな曲
■新たな刺激は実は自分たちの中にあった


──約3年ぶりとなるオリジナルアルバム『Bintage』は、懐かしい感じと今の要素が混ざっていて、とてもBREAKERZらしいアルバムだと感じました。前作『WITH YOU』はコロナ禍だったこともあり、当時の心境も反映されていたと思うんですが、今作はどんなアルバムに仕上がったと感じていますか?

DAIGO:「久しぶりにアルバムを出そうか」っていう話になって、いつも通り選曲会で決めたんですが、そこでいろいろ感じることがあったんです。今のミュージックシーンは僕たちがデビューした頃とはガラッと変わってサブスクで聴くのが当たり前の時代ですよね。ロックバンドが少なくなってきているのを感じている中で、何を表現するのか。BREAKERZは今年7月25日で17歳、バンドとしては18年目になるんですが、だからこそ、今のシーンにいい意味で左右されずに自分たちらしさを追求していこうと。そんな想いがテーマになり、BREAKERZらしさを感じられるアルバムになったんじゃないかと思ってます。

──左右されないというところが、『Bintage』というアルバムのタイトルに繋がっていったんでしょうか?

DAIGO:もちろん僕らより先輩の方々はたくさんいらっしゃいますし、上を見たらキリがないんですが、僕たちなりに活動する中、BREAKERZらしさを培ってきた。そんな17年の月日の中で熟成してきたBREAKERZサウンドを感じてもらいたいなと思ったので“Vintage”の”V“を”B”に変えて『Bintage』という造語のタイトルにしたんです。

AKIHIDE:選曲会で自然と初期の香りがするギターロックバンドらしい楽曲が集まったんです。ライブ感があって3人が同じ方向を向いている曲が多かったし、楽曲制作をしていたときにツアーが決まったので、ライブ映えするアレンジや歌詞にしようと。そのあたりは強く意識しましたね。


▲DAIGO (Vo)

──ライブ感のある楽曲というのは、コロナ禍で思うようにステージに立てなかった時期があったことと関係していますか?

AKIHIDE:というよりも、さっきDAIGO君が言ったように、時代の流れを考えた時に自分たちにできることは何だろう?というのが大きかったですね。ギターリフがあって、歌メロがキャッチーな曲こそ、「これがBREAKERZだ」って自信を持って言えるものなんじゃないかって。いろいろ試した時期もありましたけど、“BREAKERZとは?”っていうところに立ち返ったのがよかったですね。

──AKIHIDEさんは「18年の経験と思い出、そして新たな刺激を練り合わせて作り上げました」との公式コメントを発表しています。

AKIHIDE:新たな刺激は実は自分たちの中にあったというか、バンドの中に眠っていたものを練り上げられたという感じですね。アーティスト写真にもワインが映っていますが、まだデビューから17年とはいえ、自分たちなりに熟成したヴィンテージワインのような趣のあるアルバムになったと思っています。

──SHINPEIさんはどうでしょうか?

SHINPEI:前アルバム『WITH YOU』をリリースした頃は、自由にライブをすることもできない特異な状況だったので、そういうメッセージも込めた作品だったと思うんですね。声出しが解禁になった状況を経ての今作は、すごくプレーンな在り方というか、等身大のロックバンドとして、自分たちの今を自然に出せるようになったんじゃないかと思います。収録されている10曲のどの曲を聴いても、自分たちの歌と音が或るべき場所に存在していると思うし、押し引きのバランスも17年やってきたからこそ自然と培われてきたもので、すごくいいアルバムになったと思っています。

DAIGO:アルバムの最後を飾る「RESTART OF LIBERTY」は、去年からライブで披露して育ててきた曲でもあるので、この曲から派生した部分もありますね。ライブで歓声OKのタイミングで、“みんなで歌って盛り上がる曲にしよう”と作ったので、アルバムのひとつの軸になったという気はしています。

──歌詞にもエッジのあるギターサウンドにも、“CRASH & BUILD”というBREAKERZのコンセプトが盛り込まれていると感じました。

DAIGO:そうですね。ある意味、新たな自由の幕開けというか。

──ギターリフにフックがある曲が多く、バラードがないのも本作の特色の一つだと思います。

SHINPEI:打ち込みを取り入れた部分もありますが、基本的にはライブでそのまま再現できるようなバンドサウンドの曲たちが主体になっています。ツアーでさらに姿を変えていきそうな期待が持てるアルバムですね。

AKIHIDE:最近のBREAKERZのアルバムと比べたら、かなり音数が少ないこともあってか、今回、ミックスダウンでだいぶ雰囲気が変わったんですよ。ギターだけではなく、ベース、ドラムと音が立っていて、それでいて全員が塊になっている。バンドの醍醐味が感じられるんじゃないかと思います。


──ベーシストにBREAKERZのライブでお馴染みのMatsuさんやドラマーに響さん(摩天楼オペラ)が参加されている影響もありますか?

AKIHIDE:あるかもしれないですね。ライブ感、グルーヴ感が近しい人たちなので、ツアーではアルバムの先の世界に進めそうというか。音源は音源でもちろん完成されているんですが、ライブでの成長率はこれまで以上かもしれないです。バンド感がより増すというか。

──コーラスもロックテイストなものが多いと感じたんですが。

DAIGO:コーラスワークに関しては僕も歌っているんですが、AKIHIDEさんやSHINPEIだったりと曲によって分かれているので、それもいいハーモニーになっているというか、17年で培われたものだと思います。

──そんな充実したアルバムの1曲目を飾るのが「LADY CAT」。

DAIGO:アルバムの曲順は自分が考えたものを投げてリアクションをもらって決めたんですが、BREAKERZらしいエッジの効いたリフで始まりたかったんですよ。AKIHIDEさんが作った「LADY CAT」がまさにピッタリだったので、1曲目にしました。

──歌詞にも色気があり、初期BREAKERZを彷彿とさせます。

DAIGO:そうですね。ライブで盛り上がりそうな曲だし、いい意味での大人っぽさもある曲です。

──骨太なギターとコーラスで始まる「CHANGE THE BAD FUTURE」は歌詞も含めて興味深いです。

DAIGO:何年も前から存在していた曲で、いろいろいじりつつ、サビが気に入っていたので、僕が書いてSHINPEIが構成を組み立てた曲ですね。オールドロックな曲調なんですが、そういう曲で未来のことを歌ったらギャップがあって面白いかなと。僕自身、今年の夏に仮面ライダーの映画(映画『仮面ライダーガッチャード ザ・フューチャー・デイブレイク』)に出たんですよ。それが、20年後の未来の設定の役だったんですね。そこからヒントを得つつ、20年後の世界だとあまり変わらないだろうなと思って、歌詞の設定を200年後にしたんです。

──10倍(笑)。

DAIGO:調べてみたら、200年後には日本の人口が1億人ぐらい減るっていう仮説を見つけて。他の国に乗っ取られちゃうんじゃないかなって。でも、自分たちが生まれ育った愛する国なので、未来のため、どうにかしていかなきゃなっていうメッセージを込めてみました。


▲『Bintage』初回限定盤A

──200年後じゃなくてもリアルに感じられる歌詞です。

DAIGO:今、変えていかないと間に合わないんじゃないかって感じている方は多いと思うんですよね。自然破壊とか日本のみならず、世界が抱えている問題でもあるし、難しいんですけど、危機感は持っておかないといけないんじゃないかなって。自分が20歳だったら、こんなことは思わなかったかもしれないですけど、人生も折り返し地点を過ぎて、子供もいるし、未来を託していくっていうところで考えなきゃいけない年齢だと思ったので。

──マイクスタンドを使ってDAIGOさんが歌っている映像が浮かぶ曲でもあります。

DAIGO:そうですね。オールド感がある。

──ギターサウンドも聴きどころですよね。

SHINPEI:イントロはドラムから始まってギターが入ってくるんですが、レコーディング中にハプニングだったか、アイディアだったか…ギターのプラグを挿した時のガッていうノイズ音も入れて。

AKIHIDE:あれは意図的だったね。

SHINPEI:プラグを挿す音を入れたら、“その場でセッションが始まった”みたいな雰囲気が出て。そういう部分も含めてギターも聴き応えがある曲だと思います。

AKIHIDE:「SHINPEIもやってみたら?」って提案したんですが、やってみた結果、二人だとやり過ぎ感があったんですよね。それで、僕の挿す音だけが入ってます。その音を録るときも、ギターを高く掲げて繋いでみたらどうなるかな?とか、いろいろ試したりしたのが楽しかったですね。コロナ禍では一緒にスタジオに入れなかったから、音の素材だけを送り合ったりして作ったので。

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