桑田佳祐、アメリカン・ミュージックが炸裂したAAAライヴ
今年で14回目を迎える<Act Against AIDS 2006>(通称AAA)のコンサートが、11月30日から12月2日の3日間にわたり、パシフィコ横浜にて開催された。メイン出演者は、もちろん桑田佳祐。パシフィコ横浜で彼がAAAライヴを行なうのは、今回で9回目となる。AAAとは、エイズに対して一人でも多くの人に関心を持ってもらうこと、正しい知識を知ってもらうことを目的に、1993年より音楽業界を中心にスタートしたエイズ啓発運動だ。毎年12月1日の『世界エイズデー』に行なわれるコンサートをはじめ、講演会や海外でエイズと闘っている子供たちへの支援などが、年間を通してさまざまな形で行なわれている。
毎回、年毎にテーマが決まっている同イベントだが、今回のテーマは、アメリカン・ミュージック。<星条旗よ永遠なれ!? ~私のアメリカン・ヒーローズ>と題された今回は、ステージ上に軍用ヘリコプターと戦闘機のオブジェが飾られ、ステージ前方には金網が張られるなど、物々しい雰囲気を醸し出していた。
ライヴが始まると一転、金網は撤去され、ステージが明るく照らされると、桑田とバンドのメンバーたちは、「オー・プリティ・ウーマン(ロイ・オービソン)」や「サーファー・ガール(ザ・ビーチ・ボーイズ)」、「ラヴィン・ユー・ベイビー(キッス)」など、60年代から70年代を中心としたアメリカン・ロック&ポップスの名曲の数々を、次々と披露。40歳以上の人は、とくになじみ深いであろう選曲は、若い人でもほとんどが耳にしている楽曲ばかりで、会場は最初から総立ちで盛り上がった。
そして、ライヴの演出では、曲中に各国のトップたち(もちろんお面を被ったニセモノ)が登場し、時事ネタに絡んだシュールなネタもあれば、お経とともに、狐の嫁入りが始まり、アメリカン・ミュージックと和の融合を表現するなど、終始飽きない演出がなされた。「Cruel War≪悲惨な戦争≫(ピーター、ポール&マリー)」では、原由子がゲストで登場し、桑田と二人でアコースティック・ギターを弾きながらセッションを行なった。同曲は、大切な人が軍隊へ召集されてしまった女性の、彼と離れたくないという切なる気持ちを、茶目っ気を出しながら綴っている楽曲。この曲の主人公によくマッチした原の歌声が、胸に響いた。
今回のイベントでは、年々拡大し続けるHIV感染者、エイズ患者についてのほか、日本とアメリカの関係や、アメリカがもたらした功罪までもが率直に表現されていた。それを彼は、ラブ・ソングとともに伝え、人々の心に何かを残す。それは、エイズへの関心であったり、戦争のことであったり、大切な人との関係であったりと、人それぞれだろう。“体が続く限り、このイベントに参加したい”と言った彼は、この先も音楽で人々の心を動かしていくのだろうと実感したライヴだった。
※ライヴ写真の掲載は、2006年12月31日までとなります。
Act Against AIDS 2006 桑田佳祐
<星条旗よ永遠なれ!? ~私のアメリカン・ヒーローズ>
11/30@パシフィコ横浜・国立大ホール
セットリスト
1.Sherry/Four Seasons(1962)
2.That'll Be The Day/Buddy Holly(1958)
3.Oh Pretty Woman/Roy Orbison(1964)
4.Never My Love/The Association(1967)
5.Turn! Turn! Turn!(To Everything There Is A Season)/The Byrds(1965)
6.Do You Believe In Magic?/The Lovin' Spoonful(1965)
7.Proud Mary/Creedence Clearwater Revival(1969)
8.Up On Cripple Creek/The Band(1969)
9.Dixie Chicken/Little Feat(1973)
10.Sweet Home Alabama/Lynyrd Skynyrd(1974)
11.Ramblin' Man/The Allman Brothers Band(1973)
12.Woodstock/Crosby, Stills, Nash & Young(1970)
13.Indian Reservation(嘆きのインディアン)/Mark Lindsay&The Raders(1971)
14.Purple Haze/Jimi Hendrix(1967)
15.Surfer Girl/The Beach Boys(1963)
16.Fun, Fun, Fun/The Beach Boys(1964)
17.California Girls/The Beach Boys(1965)
18.Good Vibrations/The Beach Boys(1967)
19.You Keep Me Hanging On/Vanilla Fudge(1968)
20.Touch Me/The Doors(1969)
21.Happy Together/The Turtles(1967)
22.Mrs.Robinson/Simon&Garfunkel(1968)
23.Cruel War(悲惨な戦争)/Peter, Paul&Mary(1962)
24.Raindrops Keep Fallin' On My Head(雨に濡れても)/B.J.Thomas(1969)
25.Laughter In The Rain(雨に微笑みを)/Neil Sedaka(1975)
26.I.G.Y/Donald Fagen(1982)
27.The Stranger/Billy Joel(1977)
28.Allentown/Billy Joel(1982)
29.I Need To Be In Love/The Carpenters(1976)
30.My Sharona/The Knack(1979)
31.We're An American Band/Grand Funk Railroad(1973)
32.I Was Made For Lovin' You/Kiss(1979)
33.Long Train Runnin'/The Doobie Brothers(1973)
34.Centerfold(堕ちた天使)/J.Geils Band(1981)
<アンコール>
35.Hotel California/The Eagles(1976)
36.Daydream Believer/The Monkees(1967)
37.Hungry Heart/Bruce Springsteen(1980)
毎回、年毎にテーマが決まっている同イベントだが、今回のテーマは、アメリカン・ミュージック。<星条旗よ永遠なれ!? ~私のアメリカン・ヒーローズ>と題された今回は、ステージ上に軍用ヘリコプターと戦闘機のオブジェが飾られ、ステージ前方には金網が張られるなど、物々しい雰囲気を醸し出していた。
ライヴが始まると一転、金網は撤去され、ステージが明るく照らされると、桑田とバンドのメンバーたちは、「オー・プリティ・ウーマン(ロイ・オービソン)」や「サーファー・ガール(ザ・ビーチ・ボーイズ)」、「ラヴィン・ユー・ベイビー(キッス)」など、60年代から70年代を中心としたアメリカン・ロック&ポップスの名曲の数々を、次々と披露。40歳以上の人は、とくになじみ深いであろう選曲は、若い人でもほとんどが耳にしている楽曲ばかりで、会場は最初から総立ちで盛り上がった。
そして、ライヴの演出では、曲中に各国のトップたち(もちろんお面を被ったニセモノ)が登場し、時事ネタに絡んだシュールなネタもあれば、お経とともに、狐の嫁入りが始まり、アメリカン・ミュージックと和の融合を表現するなど、終始飽きない演出がなされた。「Cruel War≪悲惨な戦争≫(ピーター、ポール&マリー)」では、原由子がゲストで登場し、桑田と二人でアコースティック・ギターを弾きながらセッションを行なった。同曲は、大切な人が軍隊へ召集されてしまった女性の、彼と離れたくないという切なる気持ちを、茶目っ気を出しながら綴っている楽曲。この曲の主人公によくマッチした原の歌声が、胸に響いた。
今回のイベントでは、年々拡大し続けるHIV感染者、エイズ患者についてのほか、日本とアメリカの関係や、アメリカがもたらした功罪までもが率直に表現されていた。それを彼は、ラブ・ソングとともに伝え、人々の心に何かを残す。それは、エイズへの関心であったり、戦争のことであったり、大切な人との関係であったりと、人それぞれだろう。“体が続く限り、このイベントに参加したい”と言った彼は、この先も音楽で人々の心を動かしていくのだろうと実感したライヴだった。
※ライヴ写真の掲載は、2006年12月31日までとなります。
Act Against AIDS 2006 桑田佳祐
<星条旗よ永遠なれ!? ~私のアメリカン・ヒーローズ>
11/30@パシフィコ横浜・国立大ホール
セットリスト
1.Sherry/Four Seasons(1962)
2.That'll Be The Day/Buddy Holly(1958)
3.Oh Pretty Woman/Roy Orbison(1964)
4.Never My Love/The Association(1967)
5.Turn! Turn! Turn!(To Everything There Is A Season)/The Byrds(1965)
6.Do You Believe In Magic?/The Lovin' Spoonful(1965)
7.Proud Mary/Creedence Clearwater Revival(1969)
8.Up On Cripple Creek/The Band(1969)
9.Dixie Chicken/Little Feat(1973)
10.Sweet Home Alabama/Lynyrd Skynyrd(1974)
11.Ramblin' Man/The Allman Brothers Band(1973)
12.Woodstock/Crosby, Stills, Nash & Young(1970)
13.Indian Reservation(嘆きのインディアン)/Mark Lindsay&The Raders(1971)
14.Purple Haze/Jimi Hendrix(1967)
15.Surfer Girl/The Beach Boys(1963)
16.Fun, Fun, Fun/The Beach Boys(1964)
17.California Girls/The Beach Boys(1965)
18.Good Vibrations/The Beach Boys(1967)
19.You Keep Me Hanging On/Vanilla Fudge(1968)
20.Touch Me/The Doors(1969)
21.Happy Together/The Turtles(1967)
22.Mrs.Robinson/Simon&Garfunkel(1968)
23.Cruel War(悲惨な戦争)/Peter, Paul&Mary(1962)
24.Raindrops Keep Fallin' On My Head(雨に濡れても)/B.J.Thomas(1969)
25.Laughter In The Rain(雨に微笑みを)/Neil Sedaka(1975)
26.I.G.Y/Donald Fagen(1982)
27.The Stranger/Billy Joel(1977)
28.Allentown/Billy Joel(1982)
29.I Need To Be In Love/The Carpenters(1976)
30.My Sharona/The Knack(1979)
31.We're An American Band/Grand Funk Railroad(1973)
32.I Was Made For Lovin' You/Kiss(1979)
33.Long Train Runnin'/The Doobie Brothers(1973)
34.Centerfold(堕ちた天使)/J.Geils Band(1981)
<アンコール>
35.Hotel California/The Eagles(1976)
36.Daydream Believer/The Monkees(1967)
37.Hungry Heart/Bruce Springsteen(1980)
この記事の関連情報
桑田佳祐
原 由子
The Four Seasons
Buddy Holly
Roy Orbison
Association
THE BYRDS
Lovin' Spoonful
Creedence Clearwater Revival
The Band
Little Feat
Lynyrd Skynyrd
Allman Brothers Band
Crosby Stills Nash(CSN)
Mark Lindsay
Jimi Hendrix
The Beach Boys
Vanilla Fudge
The Doors
The Turtles
Simon & Garfunkel
Peter, Paul & Mary
B.J. Thomas
Neil Sedaka
Donald Fagen
Billy Joel
The Carpenters
The Knack
Grand Funk Railroad
KISS
The Doobie Brothers
J.GEILS BAND
Eagles
The Monkees
Bruce Springsteen
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