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The Monkeesについては、ドラマーのMicky Dolenzが一番うまく言い表している。「元々テレビショーだったのがロックンロールバンドになった。それがthe Monkeesなんだ」。その通り、ネットワークテレビが架空のバンドを描いたコメディ番組としてスタート。Richard Lester監督の『Help』『A Hard Day''s Night』(the Beatles主演)を真似したもので、the Beatlesくらいにはなってやろうという意気込みだった。だがthe Monkeesはどんなに頑張ってもthe Beatlesにはかなわないと思われている。

メンバーはスクリーンテストのオーディションに受かった4人組で、全員音楽のバックグラウンドがある。Mike NesmithとPeter Torkの2人はロサンゼルスのフォークロックに深く関わっていた。Davy Jonesはミュージカル出身で、ブロードウェイ上演の『Oliver!』に出演。そして元子役のDolenzは、the Monkeesで始めたドラムをそこそこ叩けるようになり、のちにFrank ZappaがMothersのドラマーに誘っている。最初のアルバム2枚は基本的に、ティーン音楽の大物Don Kirshnerが「こしらえた」ものだった。しかし3枚目になると、the Monkees自身が自分たちの音楽を創ろうと音楽面のコントロールを握る。

筆者は''66年と''96年の2回、コンサート(どちらもNesmithが参加)を見ているが、一般の思いこみに反して、彼らはちゃんとプレイできるのだ。確かに初期の頃はあれこれ派手な噂を振りまいた(いわく、Hendrixに前座をやらせたとか、Jack Nicholsonの初ブレーク番組だった、Beatlesが賞賛した等々)。けれども、そういう「作られた」イメージを抜きにして、彼らの音楽だけに注目すると、やはり長年生き残ってきた素晴らしいポップソングなのである。(註:''84年、Rhino Recordsがthe Monkeesの全作品のCDをリリース)