▲ROCK OF AGES 2001 オフィシャル・サイトへ ▲特集のトップ・ページに戻る | SHELTERのスケジュ-ル欄へと記された名前は、888(みつばち)とヌピ-ド,ヌル-&ヌンキ……。
が、目敏いファンの方達は、その名前にピピ-ンと来たのか…それとも、様々な噂を聞きつけたのか、会場には大勢のロックオタク達(もちろん耳の肥えた、という良い意味ですよ)が集結。そう、この日に出演したのは、888(みつばち)ことDMBQと、ヌピ-ド,ヌル-&ヌンキことゆらゆら帝国の2バンド。この豪華でコアな顔合わせとなっちゃあ、「押しかけずにいられますか」って言うのが、本音だね。
▲ヌピ-ド,ヌル-&ヌンキ | まずはヌピ-ド,ヌル-&ヌンキこと、ゆらゆら帝国が登場。相変わらず怪しげなオ-ラを放つ3人。ドラムの叩き出すラフなビ-トに合わせ、やおら楽器を手にしたメンバ-達。やがてギタ-がガウ~ンと場内の生温かい空気を切り裂くや、演奏はスタ-ト。 が……。この日のゆらゆら帝国のライヴに関して正直な感想を述べさせていただくと、あの、脳髄を心地よく揺らし、ハイでドラッギ-な感覚へと導いてゆくサイコティックでサイケデリックなヘヴィ・グル-ヴ音に心地よく身を任せられたかと言えば、けっして「うん」とは言い難かった。確かに楽曲が進むにつれ、暗黒なグル-ヴは徐々に高揚性を増していったし、観客に至っては最初から豪快な音のウネリの中へと包まれ、心地よくノリまくっていたのも事実。でも出音の問題か、それとも場内の空気と上手く演奏音の肌が噛み合わなかったのか、ギタ-音の歯切れの悪さが気になってしまう。 しかし、つねに、必死でソリッドな音の高揚感を導き出そうとしていく3人。その鬼気せまるテンションとサイケグル-ヴな音が生み出す独創的な空間に、場内のトリップした空気も次第に高まってゆく……。結果的に心地よい盛り上がりを導き出したライヴには終わったが、メンバ-自身も完全燃焼とは言い切れなかった気がした内容だった。そのぶん彼らには、2月11日のNHKホ-ルのワンマンで爆裂してもらいますか! ▲888 | 反対に、逆境さえ結果的に盛り上がりへと繋げられたのが、888(みつばち)ことDMBQ。 正直、彼らも最初の頃は出音のヘナさ(それでも通常に比べれば、十分に轟音だろうけど)が目立ってしまっていたのだが。逆にメンバ-同士のテンションのぶつかり合いを繰り返してゆくことで、そして、先程同様に観客達の熱狂的な盛り上がりを上手く味方に付け、ある種、勢いめいたノリを持って心地よさを強引に導き出していった彼ら。 MCでは「今日はミツバチの解散ライヴです」などと、小粋なMCも披露。演奏が進むにつれ、轟音ギタ-群が生み出す出音のテンションも立ち直ってきたようで、いい感じで和製LED ZEPPELINとでも言うべき緩急取り混ぜた、豪快に炸裂したブル-ズ・ロックなサウンドがガシガシに身体を直撃していた。 後半では、十数分に及ぶインプロビゼ-ションが織りなす(DMBQの場合、この演奏さえも計算してる可能性もあるが…)組曲的ハ-ドロック・ナンバ-も炸裂。加速度を増したりゆったりまどろんだり。轟音爆発したり抜いた音のコラボレ-トを繰り広げたりと、まるでジェットコ-スタ-のよう、1曲1曲の中で様々なドラマ性を導き展開していく彼らの演奏。しかもそのジェットコ-スタ-が、スペ-スマウンテンとハヤブサ、タワ-ハッカ-など、いろんな過激系乗り物を次々乗り継ぎつつ、メリ-ゴ-ランドのような軽めの乗り物もミックスし遊んでいるかのような衝撃性を放っていくんだもの。それだけ刺激を与えられれば、自然と脳幹が刺激を受け心地よく麻痺してゆくのも当然だ。 ▲店長自ら天井修復を試みるも… | ↓ | ▲あらららら… | さらに増子氏に至っては、本編最後の曲でギタ-を振り捨て、ヴォ-カルマイクへ噛みつくようなノリで叫びまくっていたほど。しかも延々と音のコラボレ-トを行うエンディングでは、増子氏が客席へのダイビングどころか、人の頭の上を泳ぎながら、最後列のPA席へ到着。その後,天井の梁へ飛びつき、振り子式に身体を振りながら大ジャンプ。その際、 SHELTERの天井の梁が壊れるというアクシデントも発生。そんなハプニングさえノリに変えてしまったこの日のDMBQ。アンコ-ルでは、増子&松井の別ユニット、トンペイ&ビショップが登場し、1曲演奏も披露……。 時代に流されない……いや、時代の変遷そのものに関係なく、ただただ己の道をひた走るバンドが放つ、危なくも怪しい香り。それを思いきり満喫させてもらった一夜となった。 |
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