パワー満ちあふれた要注目の3人組が炸裂!

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要注目であることに間違いはない。
“男気”“勢い”、そこに“ロック”。
汗を飛び散らすデジタル、本能の構築、そして信念。
Hi-5が放つ輝きは、観る者全てを閃光に包んでしまうパワーに満ちている

なんでギターがいないんすか?
「んなこといわれてもねぇ…そういえば、いないねえ」


●今気付いたの??
「ん、まあ、…そうだねぇ」


●アホやんけ!
「グアッハッハ!」





Hi0-5の3人からロンチメンバーへ
愉快なコメントが届いています

な~んにも考えちゃいないのか? Hi-5!

――いきなりですが“当初Hi-5はブルースバンドとして始まった”って、ホントですか?

武田直紀
武田(Vo,Key):
本当のような嘘のような…(笑)。いやいや、あのですね、音を出せるのが楽しかったんで、まあセッション的にジャムってまして、まあそれに声をつける、歌をつけるっていう風に演ってたんで、どうしてもコードの数がですね、まあ簡単な3コード位で…。どっちかっていうと原形ロックみたいな感じですねぇ、ブルースというよりも。

――当時からギターは無かったわけですか?

野口(Vo,B):
そうですね。

――なんの疑問も抱かずに?

武田:
メジャー・デビューして(ギタリストがいないことに)やっと気づいたくらいですからね(笑)。

野口:
取材で「ギターがいないんですねー」とか言われて「そういえばそうですねー」って

――まぬけですねぇ。

全員:
ハッハッハッハ(全員爆笑)。

――ま、音を聴きライヴを観る限り、お約束的ギターの存在が不要なことくらいリスナーもロンチも分かっちゃいるんですが、それにしても極めてイレギュラー…個性的ながらもリスキーな編成でしょう? 頭の中でギター・サウンドは鳴っていないんですか?

武田:
いや、逆ですね。鳴ってます。しかも、この3人で出した音には既にギターの音が鳴っているからギタリストは必要ないんですよ。…なんて言うんですかね、ここでギターがいると逆に邪魔だと思います。

――やっぱりそうですか。そのサウンドはシンセはともかく、野口さん、あなたのベースがその位置を担っていたりしませんか?

野口:
ええ。そこが結構おおきいですね。

――既成のバンド構成がぶちこわされていますが(笑)、なんでこんなことになったんでしょうか。

野口:
勢いと勘違いですね。最初は(笑)。

武田:
多分最初の時点で僕らがメチャメチャ賢かったら、このバンドは即日お開きになってたかも(笑)。でも、勢いもあったし、音を出したとき“このバンド面白い”“これでいける”って思ったんです。デビューできるとかそういう意味ではなく、他のバンドとわたりあえる!という意味で。しかも本人が楽しめる。そもそも3ピースというのは個々の責任が大きくなっていきますから、その責任が大きければ大きいほど力を発揮するっていうか…、基本的には音楽で認められたい3人が集まっていますから。

――ジャム・セッションから生まれるHi-5の前、それぞれ別のバンドを演っていたんですよね。

野口徹平
野口:
そうですね。僕は普通にギターを持って歌ってた。

――普通でいいじゃないですか。

野口:
そうですね。その“普通があった”からHi-5がおもしろかったんですよ。別にギターは別のバンドで弾けるから弾かなくていいと。Hi-5ではベースで音を出すのが楽しかったんです。

――武田さんは?

武田:
ギターのバンドやったり、あとは、新入生の女の子を呼んでハーレムのようなバンドを作ってみたりとか(笑)。

野口:
そのバンドはあとで僕が受け継いで…それはそれで楽しいわけですが(笑)。

――ロックの王道、ど真ん中ですなぁ。

全員:
がっはっはー(笑)。

――でも結局、Hi-5。

武田:
…いろんなことをやってみたいっていう衝動のはけ口としてHi-5があって、それが楽しかった。

――極めて原始的な衝動ですね。しかもそれなりのキャリアを積んだ連中のカオスってやつだ。

野口:
学生のサークルだと技術的に初心者だったり、全然楽器が弾けないやつとかもいるわけで、そういう連中と一緒にバンドを組まなければならない。でもこの3人は中~高校と楽器を演ってたので…。細かいところを説明しなくてもできるような人間とバンドやった方が話は早いし、やりたいことができるわけですよね。そういう欲求もあったと思うな。

――演奏能力が無いと音楽を奏でることすら出来ませんが、演奏力よりも大事な“スピリット”を強靭に維持できた一番の強みは何だったのでしょうか。

武田:
当時のサークルは、なぜか知りませんけど練習をしないサークルでね。「テクじゃない! 音楽はセンスやー!」っていう。だから他の楽器を弾くのも全然いとわなかったし、弾けなくても全然かっこいいことができるって考えてた。まあ、個々が意識を高めたのは、やっぱ北九州以外でライヴをするようになってからですね。「はぁー馴れ合いじゃないんだな」っていうか、特に3ピースの場合は誰か1人怠けるだけでダメージはかなりでかい。そういう意識はライブで培かわれたものだなと思います。

――どんなバンドもぶちあたる壁の一つ…“オリジナリティ”という点ではどう感じていましたか?

野口:
3人から出るものがオリジナルである!とやっぱり信じてるんで、特に“誰々はこうだから俺達はこうしようよ。”みたいのはなくて…。

――まあ、計算があるとも思えませんが(笑)、でも、(自分を)信じて済むなら誰も苦労はしないでしょ?

武田:
それは…例えば僕らがですね、コピーをやったとしましょう。例えばジミヘンの「Purple Haze」…。ん~、やっぱ、それはHi-5の音になるんですよ。

――あ、それは想像できる。かっこよさそうだ。

野口:
まじかっこよさそうやな。今度やるか(笑)。



今、Hi-5が一番ヤバイ!?


――曲作りという点に関してはいかがですか?

武田:
好き勝手にこれが僕の旬だっ!と思ったようなものをもってきて…まあ、せいぜいAメロくらいまでなんですが、その続きを作りたいか作りたくないかをメンバーが決める。

小田隆之
小田(Dr):
作りたいと思ったら、僕らの旬なものを旬な感じでいじっていくと、曲の最後まで行き着く。

――スタジオで音を出しながら?

小田:
そうです。ちょっとづつ、ちょっとづつ足していくって感じで。

――で、歌詞は?

武田:
歌詞は僕が勝手に歌うんです。

野口:
曲ができてから曲名を考えるんです。みんなが考えるときもありますし、誰かがポコッというときもありますし…でその曲名からインスパイアされて武田さんが書いてくる。

――歌詞カードを見るとですね、1曲に2行しかなかったりするんですけど(笑)、これで楽曲が成り立つという点に驚愕しているんですが(笑)。

武田:
歌詞には、いろんなパターンがあるじゃないですか、恋愛のことを歌ったりするものとか、社会批判している歌とか…。僕らが好きな歌詞っていうのは、それを読んじゃうと10人が10人同じ絵を浮かべるようなメッセージ性の強いものではなくて、10人が10通りの感想を持ち、いろんな絵が浮かんでくる詩が好きなんです。行間を読ませるっていうか…。リスナーに、ぶっきらぼうにただ2行与えるんです。そこからどのように2行を膨らませるかはリスナーの勝手。だから僕らがやっているのは絵を書いているようなものかもしれない。

野口:
詞は曲のイメージをタイトルにした時点で完成なんです。イメージですから、人によって捉え方が全く違うでしょ? その抽象さですよね。絵という曲ができてタイトルができる。それでもう決定なんです。

小田:
曲とタイトルの感想を歌詞に書くって感じかな。

武田:
イメージを固定したくないというか…。音楽にかかわらず、絵でもそうなんですけど、ひとつのものしか感じられないようなものは、僕、芸術じゃないと思うんですよね。見た人が見た人なりの感想を持てるのがやっぱ芸術だと思うんで。

小田:
どれも間違いではないですからね。きっとその人はそう思ったんだからそれが正しいんだと思うんです。

――なるほど。一方で、最新アルバム『maximum volume』は全て一発録りというお話ですよね? 事実、まさしく“ライブな音”でかっこいいから良いんですが(笑)、なんでまたせっかくのスタジオ・レコーディングという場で“一発録り”なんて暴挙を(笑)?

武田:
簡単にいいますと「何も知らない」んですよ。その、システムをですね…。

野口:
普通のレコーディングってのを知りませんから(笑)。

――んな、あほな。

武田:
僕らはスタジオに入る前のリハーサルで曲を完全に煮詰めてしまうから、レコーディングだからっていっても演ることは何も変わらないんですよね。3人バラバラに録るよりは一発でせーので演ったほうがグルーヴも違ってくるんで。

――…まぁ、そりゃそうでしょうけど…。グルーヴも出て時間も1/3で済む、こりゃいいことづくめじゃねえかってことっすかね。

武田:
一回、自分達でデモテープを録った時にですね、バラバラに演ってみたんですけど、もう、どうも駄目で、僕らにはあわんな…と。でも機材さえあれば一発でちゃんと録れることが分かりまして、ディレクターと相談して、一発でやらしてください、と。

――なるほど。逆に、実際のサウンド作り! これはかなり作り込まれた凝ったものですよね。結構大変なんじゃないんですか?

野口:
ええ、試行錯誤ですね。今も途中ですけど…。まあ、だいぶ方向として見えてきたかなーって感じです。

――Hi-5のベースは明らかにギターの役割をも兼ねている側面がありますよね。ベースとディストーション・ギターとは明らかに帯域も違えばアンサンブルの位置付けが異なる…その相反するものの両立はものすごいチャレンジだと思うんですが。

野口:
いやー、すごく考えます。未だに考えてますし、ずっといろんなエフェクターを試したり、試行錯誤の中で、今の形にやっと追いついてきたので…。まあ、これからまた変わっていくとは思いますけど。

――普通のベーシストの解釈じゃ、あの音は出ませんから。

野口:
やっぱり、バンドが…メンバーが(サウンドを)激しくしたがっとるなーっていうのがありありと見えましたから(笑)。

武田:
俺の眼が言ってた?(笑)「激しくしてぇ、激しくして~もっと激しくぅ」

野口:
で、いっちょ激しくしてやろーかいのーって感じ(笑)。

――ちなみにマニアックな話ですが、機材は何を?

野口:
ギター用のエフェクターですよ。プレベ(註:プレシジョンベースの略。最もスタンダードなロック・ベースの機種のひとつ)にBOSSのターボ・ディストーションを。あと、プリアンプ的にサンズアンプというやつをつなげています。それだけ。

――ほお、で、サンズザンプからラインとベーアン(註:ベースアンプ)へ?

野口:
ベーアン持ってない。

――あちゃぁ、こらまた個性的。

野口:
いや(笑)、やっぱアンプ欲しいなーと思ったりもしますが。

――歪んだベース・サウンドで輪郭を持たせながらしっかりと定位を持たせるのは、そのあたりに秘密がありそうですね。一方シンセも個性的でしょう?

武田:
わかんないです(笑)。どうなんですかね…異端は異端ですからねぇ。以前あるキーボーディストから「勇気づけられました」ってメールをもらったことがありますよ。「キーボードってギターの後ろで弾いているイメージがありました。キーボードでもメインでいけるんですね」みたいな(笑)。

――その点ドラムはいかがですか? 3ピースですからドラムに課せられる部分も大きいとか?

小田:
3人っていうのもありますけど、ベースの出している音が特殊というのもありますね。ベースがギターの方に寄っている分、減ったアタック成分を補うようなビートの強いものを出さなきゃいけないし。それにシーケンスが走れば、自分のスネアの音が埋もれてしまう危険性もあって、そのシーケンスとスネアの音色を分離させることを考えます。…といいつつ、ライヴでは真ん中で“どれだけ目立てるか”しか考えてないですけど(笑)。

――そうですよね。ど真ん中でばっちり見えるドラマーってなかなかいないですよね。おいしいですね。

小田:
でも暗くてよく見えなかったりする…。バックから目潰しの照明がつくと、ステージから消えてしまうんですよ。

――Hi-5の最大の魅力に、そのライヴでの強烈なインパクトがありますが、最後にステージ上での信条を聞かせてもらえますか?

武田:
与えられた決まった時間の中で、観に来てくれたお客さん達に“どれだけのインパクトを残せるか”です。いい意味でも悪い意味でも。多分嫌いっていう人もいるでしょうし、好きっていう人もいると思いますけど、それはおいといて“どれだけそいつらの記憶に残るか”。ほんとにそれができるかということを常に考えながらやってます。

――なるほど。

武田:
今まで対バンと演ってきていて、ワンマンで演ったことがないんです。どこにいってもまずはHi-5を知らない人が多いわけです。ま、最近はHi-5を知る人が前の方にいてくれますけど、基本的に僕らはHi-5を初めて観る人の為にいいライヴを!です。最初の初期衝動を与えるっていうことですね。“Hi-5が今いい感じ、ヤバイ!”っていう。新たなお客さんを加えていき、しかも加わったお客さんを逃がさないライヴを常に心がけるっていうことですね。ノってくれてるお客さんだけに目が行ってその人達と話してちゃ馴れ合いですから。

――毎度ながらライヴ、期待していますよ。

野口:
自分としては上手くいかなくて悪いライヴだったと反省する時に限って、お客さんやスタッフから「今日すごいよかったよー」とか言われたり、凄くいい感じでライヴできたのに「今日はいまいちだった」って反応だったり、ライヴって難しいと思いますけどね。

武田:
でもね、そん時はそれでいいんですよ。僕らが気持ちよく演って最高やった!って思ったんであれば、人がどう思おうが例え客がのらなかったとしても「おー、なんかすごいバンドがおるな」っていう印象を絶対受けたはずですから。

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