第二弾から続き ●ライヴなどでカバーをしたことはありますか?
フィル: たくさんあるよ。リック・スプリングフィールドの「Jesse's Girl」やチープ・トリックの「Surrender」、それにウィリー・ネルソンの「Mamas Don'tLet Your Babies Grow Up To Be Cowboys」とか…今まで好きで聴いてきた曲のカバーをやったよ。
●「Teenage Dirtbag」は映画『LOSER』のサントラに収録されていますよね? 映画に出演しているのですか? プロモーション・ビデオでそう見えますが。
フィル: いや、出ていないよ。僕達のPVの為にわざわざ作ってもらったんだ。運が良かったんだね(笑)。
●映画は観ていないのですが、あなた達の音楽に似ているんですか?
ブレンダン: 「Teenage Dirtbag」のダートバッグと、脚本と監督のエイミー・ヘッカーリングの作った物語が似ているんだよね。映画のサントラには色々な曲があるけど、僕達のが一番映画の内容と合っているんだと思う。
●映画『アメリカン・パイ』みたいな?
フィル: いや、もっとラブストーリーがあるよ。「Teenage Dirtbag」に、ユーモアとキャラを足した感じだね。
●ところで、曲のタイトルを先に考えてから曲作りをすると聞いたんですけど、それは本当ですか?
ブレンダン: 「Teenage Dirtbag」、「Leroy」、「Hump 'Em N' Dump 'Em」や「Wanna Be A Gangstar」はそうだね。タイトルが先にあると、数日間それをベースに頭の中でイメージを作り上げることができるんだ。他はもっとその場で作ったもので、その時自分から湧き出るものを表現していた。
●「Truffles」は何についての曲ですか?
ブレンダン: あれは、自分達が強いと思って偉そうにしているのに、本当は何か隠し事があるような人達について書いた曲。タイトルは後からつけたんだ。
●「Wanna Be A Gangstar」は?
フィル: ロング・アイランドにコマックっていう町があって、そこは上流社会っぽいのにストリップバーとかもあるんだけど、ギャングに憧れる白人の子達が大勢いる(笑)。これはツアーをやって分かったことだけど、アメリカの何処に行ってもそういう人達っているんだよね。
●オフスプリングの曲みたいですね。
ブレンダン: そうだね。でも、もっとダークな感じかな? 悲しいことなんだよね。白人として、裕福に恵まれた環境で育てられたのに、都心のバイオレンスを美化して憧れてしまってるんだ。郊外に存在しないものを持ってきてしまうような奴等なんだ。がっかりするよ。僕達も若い頃いじめられたよ(笑)。銃なんか学校に持ってきたりしてね。本当に恵まれない子達が都市にはいて、いつ銃で撃たれるか怯えながら学校に通っているのに失礼なことだよ。犯罪やドラッグとかがある場所に育ってもいないのに、無理やりそういった環境を作ろうとする困惑した人達を歌った曲なんだ。
フィル: 「ガン(銃)」という言葉を歌詞に使うのは許されなかたんだよ。変だよね。銃を持って学校に来る少年を批判した歌詞なのに、駄目だって言われたんだ。ヒップホップとかギャングスタ・ミュージックは、あるカルチャーの人達がそのカルチャーを表現している音楽なんだ。そして、ロング・アイランドのコマックのような場所にその音楽が広がり、その音楽がそこのカルチャーに影響を与えている。お金持ちの子達が共感を持とうとして、美化してしまう。訳わからないよね。
ブレンダン: 考えることができない人達が、周りの真似ばかりしているのを見るのは最悪なんだ。ボーリング場や映画館、ゴルフコースとか何でもあるのにね(笑)。それにも飽きちゃうんだろうな。
●音楽がどう人に影響を与えるか良く分かっているようですね。音楽はカルチャーに影響されると言いますが、逆もあるんですね。
ブレンダン: まるで輪みたいだよ。どっちにも影響されるんだ。
●ブリトニー・スピアーズの曲を大勢聴けば、みんなハッピーになれるかな?
フィル: 昨日マクドナルドに行ったら、大きなブリトニーの切り抜きがあって、笑ったよ。そうだね、確かにブリトニーはみんなをハッピーにしているかもね(笑)。
●5、6年前にグランジなどが流行り、もっとミュージック・シーンがダークなイメージを持っていましたが、それについてどう思いますか?
ブレンダン: それについては反論させてもらうよ。ダークだったとは思わないよ。レーベルがダークなバンドと契約を結んで、ラジオで懸命に流していただけなんだ。シーン自体がダークだったわけじゃないよ。僕が覚えている限りでは、ポスト・ピキシーズやポスト・ニルヴァーナ時代にはポップ・バンドが数多く存在していた。流行じゃないから、注目されなかっただけだよ。音楽は変わらないんだ。ビジネスを重視したレーベルや音楽関係の人達が流行を作ってしまうんだ。
マイク: リッキー・マーティンのお蔭でラテン・ブームだったしね。彼の後に、マーク・アンソニーとか数多くのアーチストが注目されたのは、流行りだったからなんだ。ずっと前から存在していたのに。
フィル: そうなんだよね。ちょっと注目されると業界が一気に集中してしまうんだ。マーク・アンソニーなんてずっと同じことをやってきたのに、今年は急にビッグな存在だよ。
マイク: ニルヴァーナやサウンドガーデンも流行る前から活動していたみたいに。
●コマーシャルに興味ないということですね?
ブレンダン: 全くその通りだよ。
フィル: ダークなのが流行っていた時、まだクリントンが2年しか大統領を勤めていなかったから、ダークの本当の意味を理解していなかったし、カルチャーとして混乱していたしね(笑)。
●次のアルバムの予定はありますか? 曲はもうあるのでしょうか?
ブレンダン: うん、もう25曲ぐらいあるね。
フィル: あり過ぎだよ。アルバム3枚ぐらい作れるよ(笑)。
●同じようなアルバムを作りたいですか? それとも違う何かを新しくチャレンジするのですか?
ブレンダン: 作り方は同じにするよ。有名なプロデューサーや、大きなスタジオにお金なんかかけない。でも、今作品から学んだことは沢山あるから、違うものを作り出す自信はあるね。違う経験になることは確かだよ。
●普通大きなレーベルは、1枚目は自由にやらせてもらえるのに対し、2枚目になると色々と言ってくるものですが…
ブレンダン: 内緒にすればいいんだよ(笑)。もうレコーディングも終わっちゃったし!(笑)
●今夜マーキュリー・ラウンジでライヴを演るんですよね? 以前にもそこで演奏したことはありますか?
ブレンダン: あるよ。あそこは僕達の一番お気に入りの場所。1年前からあそこで演り始めたんだ。
●これまでアメリカの何処をツアーで廻ってきたんですか?
ブレンダン: シアトル、ロス、ワシントン、ピッツバーグ、フィラデルフィア、ボストン…アルバムを1ヶ月半前に完成させツアーをしたよ。
●ツアーは誰かと一緒に?
ブレンダン: いや、点々とライヴをやっただけだから、他のバンドはいなかった。たまに、前座をやったりはした。シュガーレイとペンシルベニアの前座をやったんだ。彼等はライヴがすごくいいよ。感動したね。メンバーも良い人達だし。8月20日にはゼブラヘッドとツアーに行くんだ。オレゴンから始めて、東海岸に向かって行く予定。最終的にはEVE 6と合流するのかな? EVE 6は好きなバンドの一つだよ。ゼブラヘッドの新しいアルバムも最高だし。ツアーに関しては、僕達は恵まれているよ。
●これからの予定は、まずアメリカをツアーすることですね。
ブレンダン: アメリカ以外にも行きたいね。日本にもすごく行きたいよ。これから2年間ツアーができればいいんだけど。
●2枚目の予定は?
フィル: もう曲はできていて、これから試していく予定なんだ。今日のライヴでも3、4曲やるつもりだし。2、3ヶ月後にはレコーディングを始めて、来年の春にはリリースしたいね。
●マイクはどう? 心の準備はできています?
マイク: もう三週間経つから大丈夫でしょ(笑)。
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