●まずは自己紹介をお願いします!
ブレンダン: リード・ギターとリード・ボーカルのブレンダンです。マイク: ベースのマイクです。バック・ボーカルもやってます。
フィル: サンプリング、スクラッチ、シェイカー、タンボリン、アコーディオン、オルガンなどのファンキーなサウンドを担当しているフィルです。
ピート: ドラムのピートです。
●マイクは新しいメンバーだと聞きましたが、以前からの知り合いですか?
フィル: 昔、恋人同士だったんだ…なんてね(笑)。1年半から2年ぐらい前に他のプロジェクトを一緒にやった時に知り合ったんだよ。
マイク: バンドに加わってから丁度1ヶ月。WHEATUSは2年前からあるけどね。
●バンドを結成しようと決心した一番の理由は何ですか?
ブレンダン: デモを作っていた時に、其々のパートにどんな人が必要かはっきりしたんだ。みんな違う影響を受けてきているから、理想のメンバーを探すのは大変なことなんだよね。フィルはバンドにとって不可欠なメンバーなんだ。彼の音楽知識はもの凄いし、色んな楽器も弾ける。同時にプロダクションを把握しているしね。ピートは僕と兄弟だから、僕の考えや理想のドラムを伝えることができるし、気楽なんだよね。
●兄弟なら言うこともちゃんと聞いてくれるし…。
ブレンダン: いや、それがそんなこともない(笑)、全然言うことを聞いてくれないことだってあるんだ。そして、マイクが加わることによって、パズルが完成したんだ。今までは、相応しいベーシストもいなかったし、相応しいベース・サウンドも出すことができなかったね。
●そもそもは以前のベーシスト(リッチ)とバンドを結成したんですよね?
ブレンダン: 別に彼と二人でWHEATUSっていうバンドやろうぜって決めたわけじゃないんだよ。このアルバムのデモを作った時、自分でベースのパートを作って、ドラムマシンでドラムを録ったりして、一人で一曲ずつ作ったんだ。その頃彼は僕のルームメイトで、他のバンドに入っていたんだけど、曲作りをしていると部屋に入ってきて色々話したり、ベースのパートを弾いてくれたりして、そこから始まったんだ。ドラマーも探したんだけど、音楽的センスが合わなくて、WHEATUSとしてのバンドは完成できなかった。そしてやっと、ピートが前のドラマーの代わりとして入り、リッチの代わりに新しいベーシストが加わったんだ。
●フォーピース・バンドとしては、パーカッションのフィルはユニークな存在ですよね? ギターを一人増やすことは考えなかったのですか?
ブレンダン: もうそれは古いよ。適当に弾いているギタリストがいるバンドなんて嫌って程いるからね。フィルはパーカッショニストだけではなく、僕達が作り出す音の4分の1の存在なんだ。彼は才能あるミュージシャンで、キーボードだけではなくギター、マンダリン、ハーモニカやアコーディオンも弾けるしね。それに、今は持ってないけど、フルーツ・シェイカーもステージで使うんだ。バナナやオレンジ、それに西洋ナシとかフルーツの形をしているんだ。音もいいんだよ(笑)。
●アルバムのレコーディングはいつ行われたのですか?
ブレンダン: 2年前のデモ作りから始まって、しばらく8トラックのデジタル・マシンに録音してから、それをベースに作り上げていった。その頃フィルと二人で真剣にとりかかり、作業場を彼のアパートへ移したんだ。そこで1年ぐらいやったよ。
●その当時、ライヴは?
フィル: 月に1回ぐらいやってた。家で曲作りしているのが殆どだったよ。ブレンダンのアイディアを技術的に実現させるのが僕の役割だったから、プロダクションに満足いくまではそれに時間をかけたね。そして、その完成したデモがインターネット上で発表され、今現在の僕達がいるんだ。
●自分達でインターネット上に発表したのですか?
ブレンダン: ビルボードが発表してくれたんだ。Billboard.comだよ。
●それがきっかけでコロンビアと契約を?
ブレンダン: うーん、関係ないとは言えないけど…発表された一週間後に、「Teenage Dirtbag」がビルボードの「タレント・ネット」で初登場1位になったんだ。リクエストが多かったっていうことだね。それでソニーが僕達に興味を持ち始めてくれて、ソニーのケビンっていう人が全曲気に入ったから契約しようって言ってくれたんだ。ビルボードでの人気だけじゃなく、ちゃんと僕達の曲を聴いてからオファーしてくれたんだ。
●そのビルボードでの発表の時にはアルバムは完成していたんですか?
ブレンダン:いや、今年の2月だったけど、全体的にはまだ未完成だった。7曲完成していたけど。それで、ソニーが契約をオファーしてくれた時に、自分達でアルバムを完成できるように楽器の資金を頼んだんだ。そのお金で良いプリ・アンプやレコーディング器材を買って、僕のおばあさんの家でレコーディングを行なった。資金は3月10日にもらったんだけど、4月1日までに終わらせるように言われていたから、3週間でアルバムを完成させたってことになるね。
●有名なプロデューサーを頼んだり、スタジオで録音したほうがいいとか、レーベルの方からアドバイスはなかったのですか?
ブレンダン: 僕達の担当であるケビン・パトリックのお蔭なんだ。自分達で全てやりたいっていう希望を通してくれたからね。
フィル: それを言うとみんな驚くんだ。“ブレンダンのおばあさんの家でファーストを自分達で作った”ってね。
ブレンダン: ミックスの時以外は、ちゃんとしたスタジオには入ってないんだよ。ボーカルもベースもドラムも家で録ったんだ。写真があるから見せるよ。マイクやケーブルで溢れていて、他にも色々と散らかっていてすごかったよ(笑)。
●それもカッコイイですね。
ブレンダン: どうかな?? ただそれが僕達のやり方なんだ。
●今回はセルフ・プロデュースでしたが、そうでない場合とどう違うと思いますか?
ブレンダン: セルフ・プロデュースすると、ラジオで流行っているような曲と違う音を作り出せるんだ。今ラジオでよくかかる曲のプロデューサーって3、4人しかいないんだよね。だからみんな同じに聴こえるんだよ。ロックのラジオ局を聴いてもそうなんだ。僕達はみんなが聴いたことのないようなサウンドを作り出したかった。レーベルが有名なプロデューサーに頼んだとしても、そんな偉くて収入がいっぱいあるような人に、どうやって僕達の作りたいものを理解してもらえるか分からないし。僕達の聴いてきた様々な音から、僕達らしいものを作り出すことを把握してもらうなんて無理に近いものがあるよ。
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