神を畏れ、時機を知る女
Angie Stoneは女の中の女だ。 アーモンド形の目の奥を見つめれば、彼女があなたと痛みを分け合ってくれることがわかる。彼女のアフロヘアーの巻き毛を見れば、彼女の生まれも彼女がどんな音楽を聴かせてくれるのかもわかる。 LaurynやErykahといった、最近のR&Bの歌姫たちがみなそうであるように、Stoneも生まれながらの賢明さを隠すことなく歌い、そしてそれは自意識の翼に支えられている。彼女のデビューアルバム『Black Diamond』(Arista)には、それが正直に反映されている。 Stoneは20年間、音楽業界に身を置くなかで、そこで行われるゲームの特異な性格を理解した。この業界では、自分自身を2回以上リメイクすることなどほとんどできない。 しかしStoneは再変革の達人だ。彼女は17歳のときに、(「Funk You Up」で知られる)SequenceというグループでラッパーAngie Bとして活動を始め、その後Mary J. Blige、Solo、Malik Pendletonといったアーティストの詞を手がけた。さらにLenny Kravitzのバンドでサックスを演奏し、(「Seems You're Much Too Busy」で知られる)ソウルバンド、Vertical Holdのリード・シンガーとなった。またもっと新しいところでは、D'Angeloのバックアップ・シンガー、ソングライター、ガールフレンドだった。 3年後、『Black Diamond』が誕生した。アルバム名は娘の名前から取ったものだ。Stoneはニュージャージーの自宅で経緯を物語る。 「このアルバムを仕上げるのには時間がかかったわ。このプロジェクトに取りかかったとき、私のお腹には2番目の子どもがいたから。つわりがひどくて、仕事を抑えなければならなかった。(彼女とD'Angeloの間の子)Michaelを出産してからは、一歩下がってグループを再結成したようなものだった。レコード会社では、私より古参の人たちのレコードを先に出さなければならなかったので、時機が来るまで私たちは待たされた。でも私は神の意志が存在することを信じているし、それに対する覚悟もあるから、今こうなることは決まっていたのだと思う」 「この業界に入って、最初の飛躍となったのがSequenceだった。でも曲があれほど有名になったのはただの幸運よ。でもその頃は、人から注目されることにも成功することにも業界にも、心の準備がまったくできていなかった。この業界では、ラップが一番大雑把。とても粗削りで装飾がない。でもラッパーとしてスタートしたからこそ、アーティストとしての今の自分がいるの」 また後に結成したグループVertical Holdもヒットシングルを飛ばしたが、彼らによるネオソウルのバージョンは、業界のラップ偏重嗜好よりずっと先を行っていた。 彼女は正直に言う。 「2人の友情にはトラブルが続出した。マスコミのせいもあるし、あまりにもたくさんの人たちが(私たちの仲を)知っていたこともあるし。自宅にいた私は世間にずっと監視されていて、ある男の人ときたら、いつもバラをどっさり送ってきて、それに“どうして彼とつきあってんだ?”みたいな質問を添えてくるの。恐くなって気が変になりそうだったわ。こんなことがあったから、Michaelはこういう状況に巻き込まないようにしようと決めたの。今では自分のやることに気をつけ、そばにいる人のことを注意しているわ」 「私たちは友達であり親でもある。お互いに対する尊敬の念はすごいものよ」と、彼女は自分の気持ちを伝えてくれる。 「今の私には、人生で特別な人がいる」。 それでは、デビューシングルで歌っていたような太陽の輝きがついに実現したのだろうか。 「子供たちが私の命よ。彼らと一緒にいて、最もやりたいことに集中していることを考えれば、私は満足よ。たくさんのことをやってきたけど、やっぱり私は神を畏れ、時機を知る女なのよ」 by Marcia Cole |