【俺の楽器・私の愛機】1769「じーさんとスライドバー」

【自作スライドバー】（北海道江別市在住　みず　55歳）


お世話になっております。今回はスライドバーについて書かせてください。

17歳のある夜、MTVでエアロスミスの「ドロー・ザ・ライン」がかかりました。お楽しみのギターソロ、なんか左手の動きがおかしい？音もおかしい？レインボーのライブのオープニングもそんな感じだよな！？それがスライドだと分かりバーが欲しくなり.....色々考え、近くの祖父の家にウイスキーのボトルがあったのを思い出し、祖父と二人で切り出したのがこれです。指を切ったら困ると言って祖父が仕上げをしてくれました。重さもありテーパーが付いているのでモノにするには時間がかかりました。

スライドプレイで一番影響を受けたのはユーライア・ヒープのケン・ヘンズレー。「連帯」「呪文」からは多大な影響を受けました。

そしてスライド専用に仕立てたストラトがこれ。と言っても弦高を上げたくらいですが、ナットを自作。納得いく弦高になるまで何度も削っては付けてを繰り返しました。

大好きだった祖父が103歳で向こうへ旅立ってもうすぐ10年。祖父を呼んでたのと同様に「じーさん」と呼んで愛用しています。




　　　◆　　　◆　　　◆

スライドバーでのプレイは、金属やガラスなど固くてツルツルしたものであればどんなものでも使用OKなわけですが、もとはと言えばボトルネックとの名の通り、文字通りボトルの首部分を切り出して指にはめてプレイしたのが始まりですから、このおじいさまとの切り出しボトルネックこそ紛れもなき純血アイテム。絶妙な形状も含めまさに世界でひとつ、ワン＆オンリーなブツですから、思い出とともに一生の友ですね。他人にとってはただのゴミでも、その人にとっては欠かせぬお宝。アートやエンタメの世界の面白さって、こういうドラマが礎になっていたりするものです。いい話だー。（BARKS 烏丸哲也）





◆【俺の楽器・私の愛機】まとめページ