【インタビュー】Waive、解散へ向かうバンドの19年ぶり新曲と対バン2DAYSに現在地「眩しさに惹かれて、自分自身を発光させていく」

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■“みんなでやったもんな”と
■満足できる日を迎えたい


──杉本さんのこの想いは、田澤さんも含めて、Waiveの総意なんでしょうか?

田澤:うん。小細工をしたって結局バレるし、自分がやれることをやり抜くしかないですし。もう“燃え尽きるぜ!”みたいなところでしかないので。特に僕なんかは体を使うタイプだと思うから、きっとそこはこの先もそうだと思います。

──武道館ワンマンの日付が発表されるのはいつ頃なんですか?

杉本:この秋にエントリーして、目標としている辺りの日にちがそこで取れて決まれば、年内には発表になるんじゃないかな?

──7月上旬の現時点では次回ライブが発表されていませんが、この後ライブの予定はあるんですか?

杉本:しばらくはないんですけど、11月27日にMUCCとツーマンをします。

──それは楽しみです!

田澤:ライブのない期間は、曲をつくる時間にあてようよって。これまでの曲を再録する話も進んでいますし、進められることは形にしていきましょうよ、という時間ですかね。


──再録はいつ出るんですか?

杉本:進行具合からの予想になりますが、秋頃ですかね。何にせよ近いうちには発表していけると思います。

──「Waiveを武道館に連れて行ってくれる代表曲、ヒット曲をつくりたい」と杉本さんがお話しされているインタビュー記事を読みましたが。

杉本:「自分の作曲家としての代表曲が欲しい」というのは、いろんなところで言っていることなんですよ。ヒットソングを生んでないから、「お前の書いた代表曲って何やねん?」みたいな話になる。Waiveのことを知ってる人からは「いつか」だとか言ってもらえるけど、外に出て行けば、バンドを知らない現場の人もいますからね。代表曲って“いい曲かどうか”は問題じゃない。それは人それぞれの主観だから。やっぱり、ガラッと自分たちの状況を変える可能性を秘めた曲を作らないとな、というのはあるので、それは意識したいです。

──なるほど。

杉本:例としてLUNA SEAの「ROSIER」やX JAPANの「Rusty Nail」が適切なのかは分からないですけど。でもキャリアが長くあるからこそ、代表曲「いつか」を覆すことって、誰のイメージの中にもなかったと思うんですよ。「それよりもいい曲書こうよ」みたいな漠然とした言葉が出てきたり、「「いつか II」を生もうぜ」みたいな話は打ち合わせで出てくるけど、それが代表曲になるとは誰も思ってない、絶対に。“代表曲はどう考えてもこれでしょ”というのは、ライブで実演してきた回数によって生まれるところがあるだろうから。でも、それを覆す気持ちで書くしかないし、僕は代表曲が欲しい。

──たしかに、代表曲とは、数字である程度定義できるヒット曲とも違って、時を経て育まれていくものではありますよね。

杉本:「代表曲だ」と言えるものを生んだ人は、やっぱり数を書いてるんですよ。書くしかないなというのは、今思うことではあります。“代表曲をつくるんだ”ってことが目的としてハッキリしてなかったから、“曲を書く以外のこともやるべきだ”というのがあったけど、今は“やっぱり1曲でも多く書くしかないんじゃないのかな?”という気はしていますね。


──そのお考えに矛盾するようなリクエストなのですが、杉本さんと田澤さんお2人のトークが面白いので、例えば岡村靖幸さんと斉藤和義さんみたいに、ポッドキャストを始められるのはどうでしょう?

杉本:昨年末のツアーファイナルで「YouTubeをやるか?」みたいな話が出たこともあったし、やったほうがいいこともあると思うんですけど。これがけっこう難しいんだよな。

──差し出がましいお願いなのですが、番組があればぜひ聴きたいです。

杉本:岡村さんと斉藤さんはそれぞれが有名な方だから、“面白かったら広がる”みたいなことはあると思うんですよ。僕らの場合、面白いってことを知っている人がまず少ないから、そもそもそれを外に広げる手段がないとダメで。“これがおもろいよ”と広めてくれるファンを持っているならば、“いい曲だよ”もたぶん既に広まっているはずだと僕は思っている節がある。だから、ファンと僕たちの力でやれることには限界があって。とはいえ今、『USEN 推し活リクエスト』に協力してもらっているのは、限界があってもやりたいこと、やってもらうべきことはあると思うからなんです。だから、そういう企画もやりたくないわけじゃないけど、 もう少しギミックが僕はそこには必要な気がしていて。

──はい。

杉本:いい曲を書いても土台が出来上がってない限り、その曲は売れないという代表曲の話と同じで、「ポッドキャストをみんなで広めてくれ」と言っても、結局世間的には「誰やねん?」ってなるから。「あ、これのことね」となる状況をつくらないとダメで。そう考えると、僕はポッドキャストよりラジオなのかなと。聴きに行くものより、耳に入ってくるもの。ただ、いろいろ考えてはみるものの、優先順位として、他のことをやったほうがいいのかなとなってしまいますね。

田澤:たぶん、時間が5年とかあったらやれるんですよね。じわじわ広がっていくでしょうし、“これもやってみよう”という企画のひとつとして。

──短期ですもんね。すみません、浅知恵で。

杉本:でも、そう言っていただくのもうれしいし、言ってもらうことをやるべきなんだとは思うんです。自分らでブレーキを踏んでるという自覚もあるので。みんなでひとつになって、知ってくれた人全員がチームだと思いながらやりたいという気持ちはありますし、それぞれが“こうなんじゃないのか”ということをやってほしいというのもある。自分たちの力だけでは届かないことだという自覚があるからなんだけど、…それだけじゃない気がするんだよな。たとえ前日にWaiveを知って“武道館で明日解散なん。 行っとくか”みたいな人であったとしても、“前日に知った私が来てるぐらいなんだから”と思えるような、みんなでやりきったと思える1日をつくりたい。武道館に人が入っていようがいまいが、“みんなでやったもんな”と満足できる日を迎えたいですね。

取材・文◎大前多恵
撮影◎旭 里奈(ライブ)

■新曲「火花」

2024年6月27日(木)配信開始
配信リンク:https://linkco.re/AgBtaDeD



■対バンシリーズ第三弾<VS GIGS「MUCC WAIVE ILLUSION '24」>

11月27日(水) 東京・渋谷Spotify O-EAST
出演:Waive vs MUCC
▼チケット
¥8,800 (税込・ドリンク代別)
※オールスタンディング
【各オフィシャルファンクラブ先行受付】
受付期間:7/16(火)18:00~7/31(水)23:59
・Waiveオフィシャルサイト:http://www.waivewaive.com
・MUCCオフィシャルサイト:https://55-69.com


■Waive解散ライブ

2025年末頃予定
日本武道館単独公演



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