<東京楽器博2023>注目の楽器たちが一堂に会した2日間(前編)

11月11日・11月12日の2日間にわたって、東京・千代田区の科学技術館で<東京楽器博2023>が開催された。コロナ禍を経て久しぶりのリアルな楽器関連の展覧会ということで、寒さが堪える気温の中、大勢の楽器ファンが続々と詰めかける大盛況。それぞれの興味ある楽器のブースに引き寄せられていき、熱心に楽器を手にし、スタッフを質問攻めに合わせる光景がそこここで展開された。そんな熱い想いが集結した2日間のそれぞれのブースの模様を紹介しよう。
【シンセサイザー関連ブース】
●ヤマハミュージックジャパン

最新のシンセサイザーから往年の名器までがズラリと並ぶブースにはファンが続々と押し寄せ、試奏の順番を待つ人も多く見られた。最新の「MONTAGE M」シリーズ、ステージキーボードYC、CK、ステージピアノCPなどが試奏可能。さらに、名器中の名器「DX 1」や「CS 80」も展示され、その圧倒的なルックスと懐かしさに“オーッ”と声をあげる人も。Steinbergのコーナーもあり、Cubase、Nu-endoも注目を集めていた。



●ローランド

発売されたばかりのシンセサイザー「GAIA2」がブース中央に展示。多くのファンがハイブリッドエンジンを持つこの最新マシンに群がった。そのほかにも、気軽にシンセサイザーを楽しめる「AIRA Compact」シリーズや定番「JUNO-DS」シリーズ、「FANTOM-8」などの人気機種なども展示。参考展示されていた「JUPITER-X」のブラック&ゴールドのルックスには、その精悍さに目を見張るファンが続出していた。




●コルグ

人気のコルグ製品だけでなく、ARTURIA、ARTinoiseの製品まで多くの魅力ある製品が並べられた。「Pa5X」の存在感は圧倒的で、新設計のサウンドエンジン、ユーザーインターフェースは強力。ARTURIA「KeyLab Essential 49 mk3」「PolyBrute」、参考出品の「NAUTILUS AT Grey」など触りたくなるシンセが目白押しで、次々に試奏する熱心なファンの姿が印象的。また、ARTinoiseのデジタル・リコーダー「lunatica」のヴィヴィッドな日本限定の4色モデルは、その可愛いルックスに注目を集めていた。





●尚美ミュージックカレッジ専門学校

DTMの使い方、DAWでの音楽制作についてレクチャーを実施。
●カシオ計算機

鍵盤で歌声を演奏できる新感覚の電子キーボード『CT-S1000V』を集中的に展示。CT-S1000Vは、新開発の音源技術“Vocal Synthesis(ボーカルシンセシス)”の搭載により、歌詞の情報とボーカル音色を組み合わせて作った人間やロボットボイス、動物といった歌声を演奏できる。鍵盤を押すたびに音節ごとに歌詞を発音する演奏方法だけでなく、あらかじめ設定した歌詞フレーズを、鍵盤演奏の音程やハーモニーに合わせて自動的に歌わせる演奏方法が可能な楽しいキーボードだ。
●TAHORNG/ファインアシスト
流線形が目を惹くTAHORN電子サックス「エルザ」。サックスと同じキー配置、サックス、テナーサックス、トランペットなど20種類の音色を内蔵している。2024年にはリコーダー型の新製品も発売される。そのほか、折りたたみ式電子ピアノ「オリビア88WT」も面白い楽器。3か所で4枚に折りたたむことができる88健のピアノだ。2024年にはこれのMIDIキーボードが発売される予定だ。



●IK Multimedia/フックアップ

「UNO Sunth PRO X」はコンパクトな筐体ながら30を超える機能にダイレクトにアクセスできるパラフォニック・アナログ・シンセ。自由な音の表現が楽しめる1台。
●Eventide/タックシステム

ひときわ目立つ音と姿でデモンストレーションを行っていたEventideのブース。写真左から、「H90 Harmonizer」「Misha」「Riptide」。「Misha」はユーロラックインストゥルメント/シーケンサー。独自のアプローチでメロディ演奏や作成ができる。

●ハモンド/ハモンド・スズキ


ハモンド最軽量の超リアルタイム志向型49鍵盤モデル「ドローバーキーボード M-solo」。B-3を含む4種類のオルガン、ストリングアンサンブル、ポリフォニックシンセなど全6種類を搭載する。音色の作り込みはドローバーやボタンでリアルタイムにできる。
●InstaChord/サンフォニックス

「InstaChord+ IC-31」は指1本でコードを選んで、パッドを弾いたり叩いたりすれば演奏できる。128音色を内蔵しBluetooth MIDIにも対応し、作曲やDTMにも活用できる。
●Studiologic,Dexibell/銀座十字屋ディリゲント事業部
イタリアのブランドStudio-logic最新ステージピアノ「Numa X Piano」と、同じくイタリアのDexibellから独自のAdovanced T2L(True to Life)音源を搭載し、国内初公開の「VIVO S10」「H10」を展示。鍵盤の弾き心地や、独自のイタリアンデザインにも注目を集めていた。


●SEQUENTIAL, Oberheim/福産起業

SEQUENTIAL「Prophet-5」「Trigon-6」、Oberheim「OB-X8」、Woldorf「Quantum MK2」、mellotron「M4000D mini」、Milbourne Instruments「NINA」などがズラリと並び、ファンが試奏のために大行列を作る光景も。とにかく名器ばかりの展示で見ているだけでもその存在感に圧倒される。





●REON


driftboxシリーズ最新機種「REON driftbox V Analog Vocorder」のはじめ、立体音響装置「RE-SDS7000」。最先端技術を駆使した周波数シフターなどの試作品も展示。また、なんといっても注目を集めていたのは「REON 3C」の大型モジュラーシンセサイザー。シンセマニアの憧れの的である大型モジュラータイプは存在感満点だ。

●Nord, Novation/キョーリツコーポレーション

ここでは、Nord KeyboardsとNovationを複合展示。とにかく目を惹くキーボード類はルックス抜群。次々と試奏者が現れて、途切れることがないほどの人気だ。フラッグシップとなる「Nord stage 4」はフルラインアップを展示。そのほかにも、「Nord Piano 5」「Nord Wave 2」「Nord Electro 6」「Novation Summit」などの人気モデルには人だかりができていた。




◆<東京楽器博2023>注目の楽器たちが一堂に会した2日間(後編)はコチラから
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