【インタビュー】Psycho le Cému、結成記念日に<理想郷旅行Z>完全復活「新たなスタートを一緒にお祝いできたら」
■エンタメ性てんこ盛りでやりたい
■渋公ならではの見せ方ができると思う
──では、5月3日の結成記念日に開催が決まったLINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)でのライブ<理想郷旅行Z 〜二十年後の僕達へ…〜>についてお聞きしたいんですが、もともとは昨年2020年5月3日にホームタウンの姫路市文化センター大ホールで行われる予定だったんですよね。それが叶わなかったことは、とても残念ではあります。でも、Psycho le Cémuが音頭をとって姫路のライブハウスBetaを存続支援するために、ゆかりのあるバンドの曲を収録したコンピレーションアルバム『VERSUS FATE』を4月1日にリリースするなど、地元に対する熱い想いが伝わります。
seek:どこのライブハウスも大変だと思うんですが、継続的な支援がないと厳しいのかなと個人的に感じていまして。姫路BetaはPsycho le Cémuが生まれた場所でもあるので、今回Betaのレーベルがあった頃にリリースされていた先輩方の音源とPsycho le Cémuの音源を含めて、全5バンドでコンピレーションアルバムを作らせていただいたんです。
──Psycho le Cémuの始まりの場所ですものね。
DAISHI:僕ら的にはチャリティという言葉をお借りして、自分たちの夢をまたひとつ叶えていただいた感じですね。僕は昔、Lidaと一緒にMASCHERAさんを観に行って、そこから本腰を入れてプロを目指したんです。MASCHERAさんがいなければ今、ここにはいないんじゃないかな。コンピレーションアルバムに収録されているILLUMINA、TRANSTIC NERVE、DEVELOP FRAMEとは、その後に対バンをすることになるんですけど、当時は格の違いを目の当たりにしたような気持ちになっていたので、言い換えれば悔しさの塊のオムニバスアルバムですね(笑)。憧れの人から憎きライバルまで(笑)。
▲seek [B] |
DAISHI:最初に今回の企画をseekが持ってきたときは「むちゃくちゃ面白い企画だし、いいことだけど、冷静に考えたらムリやと思うわ」って言ったんですよ、僕は。今は活動されていないバンドさんもいらっしゃるし、MASCHERAさんとはプライベートでも仲良くさせていただいてますけど、同じステージに立ったことは一度もないですからね。でも、姫路という繫がりで同じコンピ盤に収録させていただくことになって、少年DAISHIの夢が叶った感じです。
seek:僕自身も25年前、姫路Betaのこけら落としだったMASCHERAさんの6DAYS公演は全部観に行きましたからね。バンギャル男的な(笑)。その後2年ぐらいBetaのスタッフとして働いて、Psycho le Cémuを始めることになるので、思い入れのある場所ですね。この1〜2年はBetaの世代交代があったので20代のスタッフも多くなり、姫路シーンの歴史を知らない人が増えてきているんですよ。コンピレーションアルバム『VERSUS FATE』の発送はBetaの若手スタッフにやってもらおうと思っているんですが、そういう意味でも世代を超えて繋がっていったらいいなって。先輩方も心意気で「いいよ」って企画に賛同してくださったので、チャリティアルバムでありつつ、ファンのみなさんに喜んでいただける企画になったと思っています。
──ライブハウスのシーンも守っていきたいですものね。20周年の結成記念日に姫路ではできなかったけれど、地元に恩返し的な?
seek:ええ。もともとは2020年5月3日に姫路文化センター大ホールで周年のプロジェクトの締めくくりとして<理想郷旅行Z 〜二十年後の僕達へ…〜>というタイトルで演目を用意していたんです。だけど、コロナの影響で中止を決断せざるを得なかった。そういう経緯もあって、2021年の結成記念日のLINE CUBE SHIBUYA公演を発表したときには、いろんなご意見をいただいたんですよ。ずっと姫路でのライブを楽しみにしてくれていた方もいらっしゃるので、ネガティヴな捉え方をされたり。ただ、僕らとしては地元で公演をしたいがためにLINE CUBE SHIBUYAをスタートにしたいという気持ちがあるんです。だから、公演タイトルも<理想郷旅行Z 〜二十年後の僕達へ…〜>のまま、あくまでポジティヴな一歩目として、今回のテーマは渋谷から始まるという想いがあるんです。決して姫路のライブを諦めているわけではないので、今は新たなスタートをみなさんと一緒にお祝いができたらなと思っています。
DAISHI:もちろん姫路でやれなかったのは残念な気持ちもありますけどね。地元で20年ぶりに<理想郷旅行Z>のコンセプトを復活させたいと思っていたので。でも、1年後の5月3日という同じ日に渋谷公会堂を押さえられたことには運命を感じたんですよ。決まる前は「姫路でできるまでとっておこう」とか、いろんな案があったんです。メンバーとも話してシミュレーションしたんですけど、やっぱり、これも何かの縁なのかなって。
▲<理想郷旅行Z 〜二十年後の僕達へ…〜> |
seek:今回、衣装も僕らがデビューしたときに着ていたものなので、内容も楽しみにしていてほしいですけどね。セットリストはPsycho le Cémuの“The 王道”を集大成的に観てもらえるようなもの。総合的なエンターテインメント性のあるステージになると思います。先ほどもお話ししたように最近は映像を駆使してみたり、舞台装置を使っての演出が多かったんですけど、今回はメンバーがフルに動きまわるので、今までPsycho le Cémuを観てきた方により楽しんでもらえる内容になるんじゃないかな。
DAISHI:エンターテインメントもかなりてんこ盛りでやりたいと思っています。渋谷公会堂ならではの見せ方ができると思うので、「Psycho le Cému、渋公が似合うね」って思ってもらえるような展開にしたいと考えているんですよ。
seek:ツアーでやろうとしてできなかったことをやるので、約1年ぶりのお芝居になりますね。昔の映像にアフレコして流す演出はオンラインライブでやったんですけど。
DAISHI:そうだね。
seek:配信で芝居をやるのはなかなか難しかったので、今回はたっぷりやらせていただきたいと思います。
──楽しみです。最後にPsycho le Cémuの未来について、BARKS読者に伝えられることがあればお願いします。
seek:冒頭で話したようにコロナ禍になってバンドの在り方やエンターテインメントについてすごく考えた日々だったんですが、前を向いて進んで行こうということで、またみなさんに会える場所を僕たちがちゃんと作っていきたい。そう思っているので、必ず、みなさんの街にも行けるように頑張っていきたいです。気持ち的にバンドとかライブから遠ざかっている人もたくさんいらっしゃると思うんですが、必ずまた一緒に楽しめる日が来るはず。その日までお元気でいてください。
DAISHI:今回は“THE Psycho le Cému”と言えるコンセプトでやるつもりです。最近Twitterで「Psycho le Cému好きだった」って書いている人をよく見るので、過去にファンだった方々にも来てほしいし、存在は知っていて気になっている人も初めてでも入りやすいライブになると思うので、ぜひ! いつも応援してくれるファンの人はもちろんですけど、昔の僕らをよく知っている人には、懐かしさもあり、楽しめるライブになると思います。
取材・文◎山本弘子
■<理想郷旅行Z 〜二十年後の僕たちへ・・・〜>
open17:15 / start18:00
▼チケット
S席:¥19800
A席:¥9800
全席指定
一般発売:4月18日〜
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