【ライブレポート】SHAZNA、ゴールデンボンバーとPsycho le Cémuを迎えた28年ぶり<歌姫降臨>で豪華セッションも

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SHAZNAがHalloweenの季節となる10月19日、赤羽ReNY alphaで自身主催イベント<歌姫降臨 -Beautiful Halloween party->を開催した。インディーズ時代に主催/プロデュースしていたイベント<歌姫降臨>が、長い時を経て復活したかたちだ。最後には、出演3バンドによる豪華セッションも披露された同公演のオフィシャルレポートをお届けしたい。

◆SHAZNA 画像

<歌姫降臨 -Beautiful Halloween party->の出演者はSHAZNAに加え、ゴールデンボンバー、Psycho le Cémuといった全3バンド。場内は、身動きが取りにくいほどギュウギュウ状態で、それだけこのイベントに胸を躍らせる人たちが大勢いたという証拠だろう。

▼Psycho le Cému


イベントのトップを飾ったのが、Halloweenの季節が特に似合うPsycho le Cémuだ。場内に雅な音色とイントロダクションを告げる解説が流れる。語り部の紹介する言葉に乗せ、メンバーが一人一人ゆっくりと舞台へ姿を現した。キャラクター性を打ち出したそれぞれの姿は彼らならではのもの。

華やかな宴の場へ染め上げるようなライヴは、モンスターたちがサウンドを掻き鳴らして歌い上げる「君がいる世界」からスタート。ときに激しい表情を浮かべながら彩りを与えるDAISHIの歌が際立ち、背景に映し出された映像が、感情的な歌声や演奏に華やかなドラマを添える。胸ときめく幕開けが、冒険の始まりのようにワクワクと興奮を物語る。終盤に生まれたDAISHIと観客によるシンガロングも熱い。止まることなく「摩天楼カオス」へ。ダークに激しく攻める演奏が観客から理性を奪い去り、カオスが渦巻く。サビでDAISHIが歌い上げるたび、メロディアスな旋律が感情の琴線を振るわせるようだ。激しさと美しと高揚感、それらドラマが重なりあう展開が刺激的でもある。

seekの煽りを合図に「MOON PRISONER」へ。これに呼応するように、観客が拳を高く振りかざし、声を張り上げた。攻めに徹した激しい楽曲だが、包みこむような感覚を覚えるDAISHIの歌声が温かい。ただ歌や演奏を突きつけるバイオレンスではない。衝撃と優しさが彼らの音楽には同居する。「抱かれる覚悟で来たか!?」というDAISHIの言葉も印象的だ。そして甘い色へ塗り替えるように「もう一度、くちづけを」へ。演奏の躍動と、その上で歌うDAISHIの声が強気で、前述のDAISHIの言葉どおりのサウンドとして突きつけられた。

次のブロックからは、メンバー全員が楽器を置いてステージ最前へ横一列に並んだ。そして披露された「ファイティング!」では、4人がDAISHIの歌に合わせ、手にしたサイリウムを振りながらダンシング。4人のメンバーによるヲタ芸に観客が声を上げ、ときにコンビネーションプレイも見せながら、みんなで振りを合わせて踊り続けた。立て続けに「激愛メリーゴーランド」へ。同曲ではLidaとseekが演奏に戻るが、AYAとYURAサマはDAISHIの歌を盛り立てるパフォーマーとして、コンビネーションダンスを披露するなど、宴を華やかに彩る。

終盤は、再び場内を熱狂へ染め上げるべく「Murderer・Death・Kill」を演奏。激しい演奏やseekのデスボの煽りを受け、観客が激しく頭を振り乱す。その様を見ながら、力強い声でDAISHIが煽れば、場内に湯気が沸き立つ。ラストは、みんなで歌を分かちあえる「アカツキ」だ。感情を解き放つ歌に合わせ、一緒に未来へ向かって飛び跳ねてPsycho le Cémuのステージが終了した。

▼ゴールデンボンバー


2番手は、ゴールデンボンバーだ。メンバーはローラースケートで滑るような姿勢でTOKIOの「LOVE YOU ONLY」を歌いながら登場。“Beautiful Halloween party”ということで、コスプレ姿の4人は、歌いながら一人一人が仮装した人の歌真似や物真似を披露し、そのサビでは観客も一緒に歌っていた…という客席の巻き込み方が実に見事な幕開けだ。続いて「綺麗になりたくて」へ。4人の歌や煽りに合わせてフロアから「Oi! Oi!」と熱い声が張り上がる。

仮装は、鬼龍院翔が鉄腕アトム、喜矢武豊が美輪宏、歌広場淳が工藤静香、樽美酒研二がヤキバンであることを改めて自己紹介。その後、喜矢武豊が「料理が得意」という前振り。樽美酒研二が「焼きそばは健康にいい」と話しだした。そのうえで届けられたのが「抱きしめてシュヴァルツ」だ。鬼龍院翔が“抱きしめて離さないで”と歌うと、観客はペンライトや手を左右に振りながら、これに応える。そして間奏では前述の前振りが効いたパフォーマンスへ。喜矢武豊がギターの裏に付けたまな板の上でキャベツの千切りを始めれば、樽美酒研二が焼きそばの麺を鉄板で炒め始め、千切りしたキャベツを鉄板の上へ投入。完成した焼きそばを頬張るメンバーたちに場内爆笑だ。

ライブでヘドバンをすると首が痛くなる苦悩を歌にした「首が痛い」では、フロアに広がるヘドバン一色の光景が壮観だ。さらに「拳!」の煽りを受けて拳を高く突き上がる。4人が振りを一つに躍る姿も魅力だ。続く「まさし」でも、ときに頭を激しく振りながらクールに、そして「まさし!」と全力でシャウトする声に合わせて、観客が手を振り上げて盛り上がる。最後まで続く「まさし」コールのかけあいも、胸を熱くした。「かまってちょうだい///」では、メンバーが「下手!下手! 上手!上手!」と声を張り上げて左右に走るたび、観客も身体を左右に走らせる。喜矢武豊のギターソロに合わせてファンが咲く光景も胸アツだ。同曲では終始、メンバーらが歌いながら左右に移動し続けた。

ラストナンバーは「女々しくて」。メンバーの動きに合わせて観客も身体を揺らせば、サビでは一緒に腕を振り上げて盛り上がる。途中には、4人が黄色いポンポンを手に踊る場面も。熱狂を加速し続け、彼らは「飛べ!飛べ!飛べ!飛べ!」と観客を煽り続けながらステージを終えた。

▼SHAZNA



<歌姫降臨>のトリを飾るは主役のSHAZNA。この日のライブは、最新アルバム『参華三釼』収録曲を中心に構成された。闇に包まれた場内に、“Halloween Party”へと誘う妖しげで胸踊らせるSEが流れる。優しい歌声へ導かれてメンバーが姿を現した。ライブはSHAZNA流のロックンロールナンバー「キスのカタチ」から。演奏に乗って観客が高く上げた手を大きく揺らし、ときに両手でハートマークを作りながら盛り上がる。ライブでお馴染みの「一角獣 -モノケロス-」では、互いのハートとハートをギュッと一つに重ね合わせていたようだ。

ノンストップで続けるライブは「隣人ラヴストーリー」へ。心地好い緊張感を持った演奏の上で、甘い声で歌うIZAMはストーリーを語るかのよう。A・O・Iのギターが優雅な旋律を奏でれば、手をくるくると回しながらIZAMが誘いかける。スリリングなのに、その演奏に心躍るのは、SHAZNA流の温かさがあるがゆえ。

MCではイベント<歌姫降臨>が28年ぶりの開催であることが明かされた。<歌姫降臨>への思いを語りつつ、互いの仮装について説明する場面も。今宵は“Halloween Party”だ。白血球に扮したA・O・Iは凛々しく、ミニヨンズに扮したNIYの姿には思わずクスッとさせられる。IZAMも“女型だからこそ”という理由から胸パットを入れていることを告白した。

IZAMの歌から始まった「ICE CREAM GOOD-BYE」では、親しみのある旋律にIZAMが甘い思いを響かせる。とろけそうにスウィートだが、演奏陣がビターな刺激を与える。それは、IZAM、A・O・I、NIYの関係性にも重なるようでもあって、これぞバンドサウンドならでは。A・O・Iのギターサウンドが高らかに響き、リズム隊の躍動がそこへ絡むと、心地好い音の風を吹かせるように「無花果」へ。IZAMも、言葉のひと言ひと言へ思いを込め、秘めた思いを解き放つように美しい声を張り上げた。客席は舞台から吹く曲に身を任せ、風にそよぐ花のように心地好く身体を揺らしていた。長年ファンの心を魅了し続けてきた「Dear Love」は“逢いたくて逢いたくて 愛しすぎて”という歌詞が印象的。IZAMの振りに合わせて、観客も同じ振りで思いを重ね合った。

3人がワイルドモードへと突入した「CHECKMATE」が観客を熱狂の園へと招き入れた。クールでスリリングな演奏、凛々しさを見せる歌声が表情を巧みに描きながら攻め立てる。そして披露されたのが、代表曲「Melty Love」だ。IZAMが“Melty Love”×3を歌うたび、観客が高く掲げた両手を咲かせる。無限に続けたくなる“Melty Love”×3の温かい合唱を作り上げた。

最後にSHAZNAは「夏彩マジック」を演奏した。夏の陽差し以上に突き刺す刺激を持った演奏に乗せて作りあげた爽やかな歌の風が、気持ちをカラッと解き放つ。眩しい思い出の中で無邪気な少年や少女に戻れる楽曲を終えるとメンバーがステージを降りた。

▼encore session

アンコールはSHAZNA、ゴールデンボンバー、Psycho le Cémuのメンバーが舞台に集結。全員でセッションしたのは、やはりSHAZNAの「Melty Love」だ。IZAMの歌に合わせて、“Melty Love”×3の大合唱。IZAMがリードして、鬼龍院翔がそこへ絡み、再びIZAMへ。そのマイクバトンはDAISHIへと巧みにリレーしていく。サビでは、ステージ上のメンバーと観客たちが歌い上げ、A・O・Iの優しいギターの演奏に乗せて、何度も何度も“Melty Love”×3と合唱した。

全出演者と全観客が間違いなく一つに溶け合った瞬間を描いて<歌姫降臨 -Beautiful Halloween party->が終了した。ぜひ、<歌姫降臨>を再びシリーズ化してもらいたいと願った3バンドの共演となった。

■SHAZNA主催イベント<歌姫降臨 -Beautiful Halloween party->2024年10月19日@赤羽ReNY alpha セットリスト

【Psycho le Cému】
01. 君がいる世界
02. 摩天楼カオス
03. MOOM PRISONER
04. もう一度、くちづけを
05. ファイティング!
06. 激愛メリーゴーランド
07. MIueder Death Kill
08. アカツキ
【ゴールデンボンバー】
00. TOKIOの『LOVE YOU ONLY
01. 綺麗になりたくて
02. 抱きしめてシュヴァルツ
03. 首が痛い
04. まさし
05. かまってちょうだい///
06. 女々しくて
【SHAZNA】
01. キスのカタチ
02. 一角獣 -モノケロス-
03. 隣人ラヴストーリー
04. ICE CREAM GOOD-BYE
05. 無花果
06. Dear Love
07. CHECKMATE
08. Melty Love
09. 夏彩マジック
【encore session】
en1. Melty Love


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