【コラム】「好き」が変化した話 〜BARKS編集部の「おうち時間」Vol.024

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自宅勤務を開始してから1ヶ月ほどが経過した。生活必需品の買い物と散歩以外で外に出ることもなく、朝が来たことと夜になったことだけを窓からぼんやりと確認しながら過ごす日々に、ちょっと、いや、だいぶ疲れてしまった。

自分自身の変化に気づいたのは、この生活が始まって一週間ほど経ってからのこと。今までは目が覚めたらその日の気分に合わせた曲を選び、仕事中にはこれ、掃除中にはこれ、お風呂ではこれといった具合に音楽を流していたが、それらは「100%」邦楽だった。そんな私が洋楽とヒーリングミュージックしか聴かなくなっていた。遅ればせながらサブスクリプションサービスに加入したことも後押ししており、朝はハワイアンミュージックや海の音が入ったインスト音源をセレクト。仕事中にはアコースティックの洋楽、夜にはさらに落ち着いてリラックスできるようなプレイリストを適当に選んで流し続けている。

部屋から出ることのできない毎日、刻一刻と悪化する状況のストレスにより、いまは心を揺さぶられることが少しつらい。日本語の歌詞はストレートに届くため、歌詞の意味がわからないもの/歌詞が無いものを無意識のうちに選んでいたようだ。テレビもそう。ニュース番組にチャンネルを合わせてはいるものの音声をオフにしているのは、耳から疲れてしまうからだと思う。





また、映画が好きで普段からよく観ていたのだが、一度たりとも観ようと思ったことがなかったホラー作品に手を出したことも大きな変化だ。清水崇監督の最新作『犬鳴村』のCMがたまたま目に入り、清水監督といえば『呪怨』だろうということで『呪怨(ビデオ版)』『呪怨2(ビデオ版)』『呪怨(劇場版)』『呪怨2(劇場版)』『呪怨 白い老女』『呪怨 黒い少女』『呪怨 終わりの始まり』『呪怨 -ザ・ファイナル-』『THE JUON / 呪怨』『呪怨 パンデミック』『呪怨 ザ・グラッジ3』と、日本版・ハリウッド版あわせて11作一気に観た。『呪怨2(劇場版)』と『呪怨 パンデミック』がよかった。

『貞子 vs 伽椰子』という祭りのような一本を残しているため、ここからは『リング』シリーズへと突入する。先はまだまだ長い。

▼クレーム続出で放送中止になった『呪怨 -ザ・ファイナル-』TVCM


▼『貞子 vs 伽椰子』の主題歌MV。ダンスバージョンとは……


一年以上前に数作観て止まっていたMCU作品も再び視聴し始めた。戦闘シーンでは「やばすぎる」「かっこよすぎる」と独り言が止まらない。今更だけど、映画館で観ることができていたらもっと熱狂的なファンになっていたはずだ。「やっぱりアイアンマンが一番好きだわ」と思っていたところに、トニー・スターク / アイアンマン役の声優・藤原啓治さんの訃報が飛び込んできたのは残念でならないが……。



といったように、聴く音楽や趣味が変化した。心理学的なあれこれはわからないが、「今まで」の生活で触れていたものから距離をとっていることは間違いない。刺激を取り入れたり遠ざけたりして、この生活に順応しようとしているのだろう。

映画館に行きたい、買い物をしたい、旅行に行きたい。以前のように、何の気兼ねもなく好きなことを好きなだけ楽しみたい。そのためには元気でいることが最も重要なので、ゴールデンウィークももちろん引きこもり生活をおくる。

文◎高橋ひとみ(BARKS)

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