[クロスビート編集部員リレー・コラム] 中嶋編「ヨンシー」

ポスト

1月上旬、劇場で映画『ミッション・インポッシブル ゴースト・プロトコル』を観た。内容自体はおもしろかったのだが、残念だったのはあのメインテーマ曲をロック・バンドが担当していないこと。これまで『1』ではU2が、『2』ではリンプ・ビズキットがそれぞれテーマ曲を担当し話題になった。2006年の『3』ではカニエ・ウェストがプロデュースを担当、ヒップホップにお株を奪われた形になったが、ロック・リスナーからも支持を集めるカニエという人選は、まあ納得がいく。しかしシリーズ4作目の『ゴースト・プロトコル』はオーケストラによるインスト・トラック。チャートにおけるロック不振の昨今、この大役を果たせるバンドはいなかったということなのか…寂しいぜ!

しかしロック・アーティストによるサントラ作品は、相変わらず好調。クロスビート4月号の随所で紹介しているトレント・レズナーの『ドラゴン・タトゥーの女』のサントラは、2年連続のゴールデングローブ賞受賞こそ逃したが、映画界でもまずまずの評価を受けている。そして同じく輸入盤レビューで紹介したヨンシー『We Bought A Zoo』は、日本で6月に公開予定の映画『幸せへのキセキ』のサントラ。イギリスの荒廃した動物園を買い取り、立て直した動物学者一家にまつわる実話の映画化だ。ヨンシーのたおやかでキラキラとした楽曲は、きっとハートウォーミングなストーリーにばっちり合うはず。書きおろしの新曲の他、ヨンシーのソロ曲やシガー・ロス(今夏サマーソニック出演決定!)楽曲の新ヴァージョンが収録されている。

でもこの映画の邦題といい、『アルゼンチン・ババア』のCM曲に使われたスノウ・パトロールの「Chasing Cars」に「しあわせがじんわり」という邦題をつけたことといい、なんで映画業界の人ってそんなに“しあわせ”って言葉が好きなの?

◆クロスビート・チャンネル
◆クロスビート最新号(オフィシャルサイト)
この記事をポスト

この記事の関連情報