グレイトフル・デッドに学ぶ？ グレイトフル・デッドを観る？

2011年末の発売以来、ジワジワと話題になっている書籍「グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ」（日経BP社）をご存じだろうか。昨今のビジネス業界でも常道となりつつあるフリーシェア、フリーミアムといった手法をグレイトフル・デッドは40年も前から実施していたということとシンクロさせ、実例をあげながら解説している変り種のビジネス書だ。

◆「『グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ』ミニドキュメンタリー」映像

グレイトフル・デッドはコンサートでの録音を容認することで、ファン同士が盛んにテープを交換するような文化が生まれ、全米各地のツアーについてまわるような熱狂的なファン“デッドヘッズ”を生み出した。日本にはこういったムーヴメントは皆無と言えるだけに、実際どんなライヴで、どんな人々が集まっているのか、ステージの様子は？…など、本を読んでみて非常に興味がわくことになるだろう。

そして、そんな声に応えるかのように、このたび『ザ・グレイトフル・デッド・ムーヴィー』日本盤の発売が発表となった。1974年サンフランシスコのウィンターランドでのライヴ・ステージを中心として描かれた作品で、全米公開は1977年だ。

まず冒頭の7分にもわたるアニメーション映像からして凄い。アニメーション製作費が2万5千ドル（現在のレートでも200万円）完成まで7、8ヶ月もかけているとのこと。デッドのお馴染みのキャラクターのひとつであるガイコツが暴れまわる斬新な“カットアウト・アニメーション”だ。いくつものスピーカーをたくさん並べた画期的な“ウォール・オブ・サウンド”と呼ばれるサウンド・システムが組み立てられるシーンやグレイトフル・デッドのライヴに集う“デッドヘッズ”の様子など、時代の空気感を切り取った傑作ロック・ムーヴィーと言える作品となっている。

もちろんライヴの方も130分に渡りデッドの魅力を余すところなく撮られており、DVD化にあたりオリジナルの劇場用サラウンド音声に加え、新ミックス・サラウンド音声も追加されているのもファンには嬉しいところ。さらにはスタッフが語るコメンタリー音声も日本語字幕入りで収録されており、編集における苦労やメンバーについてのエピソード、また“デッドヘッズ”についてのエピソードなどは思わず笑ってしまうものもあったりする。

2枚目のディスクには映画本編に収まらなかったライヴ・シーンがさらに95分収録されているほか、メンバーのジェリー・ガルシア、ボブ・ウィアや名プロモーターのビル・グラハムらのインタビュー、DVD製作のメイキング、アニメーション製作メイキング、マルチカメラ＆マルチオーディオ映像、アルバム『フロム・ザ・マーズ・ホテル』のCMスポットなど、計175分の見所たっぷりのお宝映像が詰め込まれている。


『ザ・グレイトフル・デッド・ムーヴィー』
2012年4月25日発売
YMBB-10324/5 5,250円（税込）
日本語字幕付 24ページ・カラー・ブックレット（完全翻訳付）。
出演：ジェリー・ガルシア、ボブ・ウィア、ビル・クラウツマン、フィル・レッシュ、キース・ゴッドショー、ダナ・ゴッドショー、ミッキー・ハート、ビル・グラハム他
Disc 1
1.Animation
2.U.S. Blues
3.One More Saturday Night
4.Bill Graham's Crew Introduction
5.Goin' Down The Road Feeling Bad
6.Soundcheck
7.Truckin'
8.Eyes Of The World
9.Ripped Off Fan
10.Sugar Magnolia
11.It's Like A Continuous Trip
12.Intermission
13.Playing In The Band
14.Levy Gets In
15.Stella Blue
16.Casey Jones
17.The Om People
18.Weirdness From He's Gone
19.Morning Dew
20.Encore Break
21.Johnny B. Goode
22.It Must Have Been The Roses/End Credits
Disc 2
1.Uncle John's Band
2.Sugaree
3.The Other One
4.Spanish Jam
5.Mind Left Body Jam
6.The Other One
7.Scarlet Begonias
8.China Cat Sunflower
9.I Know You Rider
10.Dark Star
11.Weather Report Suite
ボーナス映像
・製作ドキュメンタリー
・DVDメイキング映像
・アニメーション製作
・マルチ映像デモ
・アルバム『From The Mars Hotel』のTVスポット