<FRF'05>Asian Dub Foundation、肉体的かつ有機的なダンス・ビートが炸裂

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“ホワイトステージのサンボマスター→グリーンステージのAsian Dub Foundaiton(ADF)”という約5,000人くらい(筆者推定)の人がセレクトしたコースを辿ってしまい、大渋滞に巻き込まれる。「やっぱり今年のフジは人が多いな。ADF、ちゃんと見れるかな……」と心配になったが、開演15分前にはグリーンに到着、この日3杯目のハイネケンをしっかりチャージすることができた(なぜかフジロックに来ると、ハイネケンが美味く感じる)。個人的にADFは、フジロックを象徴するバンドのひとつ。“よっしゃ、今年も踊ったる!”という気分がムクムクと沸いてくる。

今年2月に約2年ぶりのニューアルバム『TANK』をリリースしたADF。ダブ、ドラムンベース、ヒップヒップ、レゲエ、そして、インドを中心としたトレディショナルなアジアの民族音楽。これまで以上にバラエティに富んだ新作とリンクするように、この日のライヴでも彼らは、世界中のビートを好き勝手にクロス・オーバーさせまくる。いろんな趣味・趣向を持つオーディエンスが、自由にステップを踏みまくる……そんな光景を生み出せるバンドは、ADF以外には思いつかない。

この日演奏された楽曲のなかで強く印象に残ったのは、やはり、『TANK』からのナンバーだった。特にパンク×ジャングルって感じのビートが鳴り響く「FLYOVER」、未来に対する希望を高らかに打ち鳴らす「HOPE」、壮絶な勢いを持つドラムンベースのなかでアメリカへの批判が展開される「OIL」の3連発は恐ろしく強力。真摯なメッセージ性を持つリリックと肉体的かつ有機的なダンス・ビートが炸裂するグリーンステージの雰囲気(いちばん後方にいる人もガンガン踊ってました!)は、今年のフジロックにおける、ひとつのハイライト・シーンと言えるのではないだろうか。

そしてステージを去る瞬間、彼らはこんな言葉を残した。“STOP THE WAR!” サンボマスターとADFを繋ぐ、音楽性を越えた切実なメッセージ。確かに受け取りました。




取材・文●森 朋之
Photo/Barks

Asian Dub Foundation
2005/7/30 GREEN STAGE

BLOWBACK
TANK
RISE TO THE CHALLENGE
TAKE BACK THE POWER
TAA DEEM
ROUND UP
NEW WAY NEW LIFE
ENEMY OF THE ENEMY
FLYOVER
HOPE

BARKS夏フェス特集2005
https://www.barks.jp/feature/?id=1000010016
FUJI ROCK FESTIVAL '05特集
https://www.barks.jp/feature/?id=1000001735
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