【ライヴレポート】ALICE IN MENSWEAR × MASCHERA、ツーマン<Masquerade in Wonderland>に一夜限り豪華共演と14年ぶり帰還「数奇な運命を感じます」

michi.の生誕月を祝して8月1日、ALICE IN MENSWEARとMASCHERAの対バンライヴ<ALICE IN MENSWEAR vs MASCHERA「Masquerade in Wonderland」>が東京・赤羽ReNY alphaにて開催された。
La’cryma Christi、ALvino、ALICE IN MENSWEAR集結による今年4月のKOJI追悼イベント<KOJI Memorial & Birthday Live 2026 〜Eternal Blue〜>で復活を遂げたALICE IN MENSWEARと、2025年11月の姫路ベータ設立30周年イベント<Novastalgia – ノヴァスタルジア>でTAKUYA(G)を除くオリジナルメンバーでバンド名義での復活を果たしたMASCHERA。この2組が共演する未来が来るとは誰も想像しなかったのではないだろうか。
先ごろ公開したBARKSインタビューでは本公演を「MASCHERAとALICE IN MENSWEARの復活パーティ的な位置づけ」と形容していたmichi.は両者のボーカリストというポジションを担い、多彩な表現力をフルに発揮。MCではいつも以上にジョークを飛ばし、場を和らげるなど堂々たる存在感でフロントマンとしてステージを牽引した。
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チケットはソールドアウト。生で観られないファンも多数いただろう貴重なライヴの先攻はALICE IN MENSWEARだ。4月25日に同会場で行われたmichi.ソロワンマンではアンコールでALICE IN MENSWEAR初期の衣装で登場し、KOJIの実子KAZUKIがゲストギタリストとして出演。新曲も披露するというサプライズで場内を沸かせたが、本公演ではALICE IN MENSWEAR名義で計8曲を演奏した。
サポートメンバーの菅大助(G)、古谷圭介(B)、竹村忠臣(Dr)がスタンバイし、michi.は黒を基調にゴールドを取り入れたサイバーかつ耽美な衣装で登場。スチームパンク仕様の特注マイクスタンドや浪漫溢れるオブジェが置かれた空間の中、宴の始まりはmichi.がシルクハットを仮面のように操って魅せた官能的な「ワルプルギスの夜」だ。もちろん、KOJIも生前にmichi.のために遺したツインギター自動演奏システムで参加している。


続いてフロアの熱気を煽るようにアッパーな「capture -捕食者-」が投下され、michi.は魔法をかけるように歌と一挙一動で魅了。菅のギターソロも熱を帯びて加速していく。ちなみにステージレイアウトは、菅が下手、古谷は上手。いつもとは逆のポジションが新鮮だ。そして「ラプラスの針」ではフロアの手が一斉に揺れる光景が広がった。
「ALICE IN MENSWEARです。4月の豊洲PITでの<KOJI祭り>以来の登場となります。今日は<Masquerade in Wonderland>と銘打って、あの姫路のカリスマバンド、MASCHERAとの対バンが実現しました!」──michi.
冒頭の挨拶では、michi.の原点とも言えるMASCHERA(1992年結成、1997年にメジャーデビュー、2000年解散)を通常の対バンのようにおどけて紹介し、場内からは笑いと歓声。なお、MASCHERAはTAKUYA(G)が下手、HIRO(B)が上手と通常のバンドとは逆の立ち位置だったことに触れ、「転換の時間を鑑みて、ALICE IN MENSWEARも菅と古谷の立ち位置を逆にした」と明かした。


「私の誕生月ということでMASCHERAのメンバーにも協力してもらって、今日という日を実現させることができました。集まってくれているみんな、配信を見てくれているみんな、本当にどうもありがとうございます。最高のお祭りにしたいので、ぜひ楽しんでいってください。それでは次の曲は、なぜかmichi.ソロで初お披露目となったALICE IN MENSWEARの新曲となります」──michi.
KOJI亡き後の新曲「Stay Gold 〜チムニータウンの恋人たち〜」は復活したALICE IN MENSWEARのハイライトのひとつ。ファルセットを活かした美しい旋律はmichi.が優れたメロディメーカーでもあることを物語り、ファンタジーとスチームパンクを機軸にしたALICE IN MENSWEARの世界観を継承する曲。こんな名曲が生まれたことをKOJIも空の上から喜び、共に奏でているのではないかとすら思えた。


そしてマイクスタンドのオブジェを使った演劇的なパフォーマンスが秀逸な「オートマタ -鋼鉄少女A-」では声色を使い分けるmichi.がダークなSFサイドの世界にいざなっていく。テクノ、インダストリアル系のドラマティックで難易度の高い曲をプレイし、映画やアニメのような情景を浮かび上がらせる楽器陣のスキルにも磨きがかかっている。
michi.ソロでもおなじみ、ライヴ後半のコール&レスポンスのセクションでは「GRAPPLER」のエロティックなフレーズ《アッア アア アッアー》をみんなに言ってもらうことに。配信で視聴している人たちにも「配信をご覧の方もご一緒に。ただ、私は皆さんの家族構成を知りません。(部屋の)鍵はかけましたね?」と呼びかけて笑わせる。さらに、初めて見る人たちが恥ずかしがって声を出せないことにも配慮。「その気持ち、わかるよ。最初はALICEファンからも難色を示されました。一番難色を示したのは何を隠そうKOJIです(笑)。ただ、やっているうちにまんまと私の術中にハマってしまい、彼は私の愛深くに堕ちていきました。君たちも同じ道を辿りたいだろ?」とリラックスさせ、michi.が身体をくねらせてフロアを挑発するグラマラスなライヴの定番曲「GRAPPLER」に突入。

そして、熱帯夜にうってつけのナンバー「EXCORE」では上手へ下手へとアグレッシヴに動き、《俺を感じろ》と歌う姿もセクシーかつ威風堂々。MASCHERAのファンも巻き込み、その一体感に何度も笑顔を見せた。
「あと、もうちょっとだけ俺たちと楽しめるかい? 踊る準備はできてるかい!?」と煽り、ラストはALICE IN MENSWEAR最強の狂気と快楽のパーティチューン「Pre-TEA PARTY」でタオルを振り回して大団円。メンバー紹介の後、「もうひとり!」と上手を指し、場内にKOJIコールが響き渡った。

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後攻は’90年代ヴィジュアル系シーンを駆け抜けたMASCHERAだ。2012年の限定集結を経て、2025年にホームタウンのライブハウス姫路ベータで復活した彼らが、東京のステージに立つのは約14年ぶり。男性ファンも含め場内はさらなる熱気で溢れかえる。TAKUYA(G)は不在のため、ALICE IN MENSWEARに引き続いて菅大助がサポートギターを務める。
歓声の中、いきなり投下されたのは攻撃的なナンバー「Dragonheads Snaketales」(2000年発表ラストシングル)だった。パワフルなTOMOのドラム、5弦ベースで野太い音を鳴らすHIRO。シースルーで露出度の高い衣装に着替えたmichi.の在り方も、コンセプチュアルな世界観を提示するALICE IN MENSWEARとは異なり、バンドのボーカリスト然としている。
同一人物でありながら、ALICE IN MENSWEARからMASCHERAへと短時間でモードを変えてきたのもさすが。全員の衣装にはMASCHERAのトレードマークであったチェックがどこかに取り入れられている。疾走するサウンドと情緒が絶妙に交差する「[e’kou]」からmichi.ソロで何度もセルフカバーされてきた「ゆらり」へ。饒舌で骨太な演奏とmichi.のボーカルの融合も個性が混ざり合うバンドの醍醐味だ。



「久しぶり! MASCHERAです。しばらくご無沙汰しておりました。2012年の復活以来、初の東京公演となります! michi.の<50周年祭>の年に姫路ベータで2DAYS公演をやらせてもらったことがきっかけで、こうやってまたみんなの前で演奏できて。TAKUちゃんを始め、HIRO、TOMOの素敵な曲を、ソロではなくMASCHERAとして歌い継ぐチャンスをもらえたことがとても嬉しいです。その東京公演がALICE IN MENSWEARさんとの対バンということで、ここにも数奇な運命を感じます(笑)」──michi.
そして、「MASCHERAを卒業したTAKUYAの穴をさらに大きな力で埋めてくれた」とスペシャルサポートギタリストとして菅を紹介し、「一緒に八月の思い出をたっぷりと作ってまいりましょう!」と曲名を告げると大歓声。



《赤い赤い 名前も知らない花が咲くよ》と歌う「八月の憂鬱」は、HIROのベースがフィーチャリングされ、夏の湿気が身体にまとわりついてくるようなエキゾティックなサウンド。多彩な楽曲を生み出してきたMASCHERAの闇の世界が空間を支配する。中盤は浮遊感溢れるギターが印象的なバラード「蜉蝣 〜水仙の涙〜」へと移行。インディーズ時代のナンバーであり、狂おしいラブソング「真夏の女神」も披露された。また、MCではmichi.とHIROの関西コンビならではのやりとりが場内を沸かせた。
「今回、セトリ、けっこう悩みました。MASCHERAはワンマンで復活して。インディーズ時代の曲を含めると名曲揃いなので、どんな曲を組んでいこうかとHIRO、TOMOとけっこう、LINEでもやりとりしたよね」──michi.
「せやな」──HIRO
「ほんまはもっとやりたい曲あったよな──michi.
「せやな」──HIRO

セットリスト考案時に「真夏の女神」や「八月の憂鬱」は季節を考えてすぐに決まったという話から、当時のレコーディングエピソードも明かされた。
「歌詞の制作に追われていたときに、“ここの部分のフレーズ、なんかヒントないかな?”てHIROに聞いたんです。沖縄の“でいごの花”ってあるでしょ? あれをイメージしてたんですが、“あの赤い花の名前、なんやったっけ?”って」──michi.
「で、“知らない”って言って。そうしたら、“赤い赤い 名前も知らない花が咲くよ”って、そのまま歌詞になってんねん(笑)」──HIRO



微笑ましくも懐かしいエピソードからmichi.が、ムードメーカーのHIROに煽りを任せると、「よっしゃあ! まだまだ行けるかい? そんなもんかい!?」との迫力シャウト。会場からも応戦の声があちこちで上がり、ライヴは後半に突入した。
インディーズ時代からのライヴ定番曲「DANCE IN THE SHADOW」が投下され、TOMOのタイトなドラムプレイ、アヴァンギャルドでパンキッシュなサウンドが身体を揺らせ、michi.の高笑いが響く。尖った楽曲から一転してポップで切ない「ラストフォトグラフ」へ。歌唱力に定評のあるmichi.だが、これだけ幅の広い楽曲をギャップを飛び越えて歌う姿を目の当たりにすると改めて驚かされる。そして、michi.ソロでもおなじみのダンスナンバー「Alice」では赤い照明に染まったステージの熱いアクトにフロアも熱狂。HIROと菅がポジションを入れ替わり、「もっと高く飛べるかい?」と煽った本編最後は「to fly high」。HIROの肩に手をかけてmichi.が歌い、後半はシンガロング。菅が伸びやかなギターソロを響かせ、LEDスクリーンの煌びやかな映像が青空へと切り替わった。

アンコールではmichi.が「何かしゃべり足りないことは?」とメンバーに振るとHIROが「あった! 来年で俺らメジャーデビュー30周年らしいよ」と答え、michi.が今後の予定を報告した。
「本当は、復活らしくもっとガンガンライヴをやりたいところなんですが、みんなもご存知の通り、リズム隊は関西在住です。来年は30周年という節目を迎え、大きなハコでやりたいということで、すでに告知されていますが、今年10月の姫路ベータ2DAYSが終わった後、来年3月(27日)に新宿ReNYでワンマンをやらせていただきます。でも、3月だけで終わるのもったいないよね。ただ、一区切りになる可能性もあるのでみんな気を抜かないように」──michi.
まずは決定しているライヴに全力を尽くし、その後のことも「前向きに考えていきたい」と付け加え、「夏らしく最高にダンサブルでハッピーなナンバーで終わりたいと思います。準備はできてるか!?」と煽るとフロアに色鮮やかな扇子が舞い、ラストは「刹那2012」。赤い扇子を振るmichi.の横でHIROがベースを弾く間を縫ってキラキラと緑に光る扇子を振るサプライズも飛び出した。


2組の濃厚な共演となった真夏の宴は終焉。改めてメンバー紹介し、「せっかくだから、ここに来れなかったTAKUちゃんの名前も呼んであげようか」と呼びかけるとTAKUYAコール。michi.は菅のマイクスタンドにさしてあったピックを客席に次々と投げ入れ、「全部、使っちゃった」と悪戯っぽい笑顔を見せてステージを去った。
取材・文◎山本弘子
撮影◎河井彩美
スタイリング◎杉野明善
ヘアメイク◎我那覇智 梅田泉
■<ALICE IN MENSWEAR vs MASCHERA「Masquerade in Wonderland」>
2026/8/1(土)@東京・赤羽ReNY alpha セットリスト
【ALICE IN MENSWEAR】
01.ワルプルギスの夜
02.capture -捕食者-
03.ラプラスの針
04.Stay Gold 〜チムニータウンの恋人たち〜
05.オートマタ -鋼鉄少女A-
06.GRAPPLER
07.EXCORE
08.Pre-TEA PARTY
【MASCHERA】
01.Dragonheads Snaketales
02.[e’kou]
03.ゆらり
04.八月の憂鬱
05.蜉蝣 〜水仙の涙〜
06.真夏の女神
07.DANCE IN THE SHADOW
08.ラストフォトグラフ
09.ALICE
10.to fly high
encore
en1.刹那2012

■配信情報 <ALICE IN MENSWEAR vs MASCHERA「Masquerade in Wonderland」>
2026年8月1日(土) 東京・赤羽ReNY alpha
open16:30 / start17:00 / 配信start16:50
▼出演
ALICE IN MENSWEAR
MASCHERA(MICHI/HIRO/TOMO)
▼サポートメンバー
菅大助(G) in ALICE IN MENSWEAR+MASCHERA
古谷圭介(B) in ALICE IN MENSWEAR
竹村忠臣(Dr) in ALICE IN MENSWEAR
【配信チケット販売】
配信開始:6月6日(日) 12:00
※8月16日(月)22:00まで購入可能(一部除く)。
▶配信チケット:https://unitedproducts.zaiko.io/e/masquerade-in-wonderland-online
アーカイブ視聴期間:チケットによって異なります。
【配信チケット料金】
B-②ライブ配信チケット+15日間 (8/17(月)23:59まで)のアーカイブ視聴 ¥7,500(税込)+ZAIKO手数料
B-③ライブ配信チケット+DVD盤 ¥10,000(税込)+ZAIKO手数料
B-④ライブ配信チケット+DVD盤+CD ¥13,000(税込)+ZAIKO手数料
B-⑤ライブ配信チケット+Blu-ray盤 ¥11,500(税込)+ZAIKO手数料
B-⑥ライブ配信チケット+Blu-ray盤+CD ¥14,500(税込)+ZAIKO手数料
B-⑦ライブ配信チケット+アーカイブデータ+DVD盤+CD ¥17,000(税込)+ZAIKO手数料
B-⑧ライブ配信チケット+アーカイブデータ+Blu-ray盤+CD ¥18,500(税込)+ZAIKO手数料
※ディスク付きプランをお求めの方はチケットご購入時、記入漏れやミスにご注意ください。また、すでに個人情報ご登録済みの方も再度お名前やご住所の入力が必要となります。漏れやミスがあった場合は発送が遅延したりお届けできない場合がございます。
※コース③~⑧には「15日間 (2026/8/17(月)23:59まで)のアーカイブ視聴」も付属します。
※コース③~⑧のDVD盤、Blu-ray盤、アーカイブデータには全てオフショットの特典映像を収録します(15日間のストリーミング配信にはオフショット映像は含まれません)。
※コース⑦~⑧アーカイブデータはデータ準備完了(目安としてはチケット販売終了より5~7週間)次第、ダウンロード先URLをお知らせいたします。
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