【ライヴレポート】michi.、東名阪ソロツアー<Under the moonlight>ファイナルで約束した飛躍と感謝「一足早いXmasプレゼントをもらった気分」

2025.12.18 19:00

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michi.が12月13日に東京・赤羽ReNY alphaにて東名阪ツアーのファイナル公演<Under the moonlight>を開催した。ソロとして活動をスタートさせてから、MASCHERA、S.Q.F、ALICE IN MENSWEARと自身がボーカルを務めてきたバンドの楽曲のセルフカバーでステージを構成してきたmichi.だが、2025年4月から満を持してmichi.名義による新曲をライヴで発表。ソロアーティストとして新章に突入した。

この日のライヴでも書き下ろしの曲が新たに披露され、2026年はさらに様々なことにトライしていくと宣言。没入感のあるダークなナンバーから、エロティックなダンスチューンまで集まったファンを楽しませた。

真夏に同会場で行われたワンマン<A Midsummer Night Reign>ではバイザーをかけ、近未来的でヴィヴィッドな衣装が新鮮だったmichi.だが、今回はサポートメンバー、菅大助(G)、古谷圭介(B)、竹村忠臣(Dr)がポジションにつく中、シルクハット片手にステッキを持ち、黒のロングコートにフリルのブラウスというダンディにして魔術師のような出で立ちでの登場だ。

幕開けはシャッフルナンバー「BEAUTIFUL SABBATH PARADE」(S.Q.F)。ステッキを操りながら退廃的な世界に誘い、同じくS.Q.F時代の「Jackal -怪奇劇場の詐欺師-」に繋げていく。管楽器の音を取り入れたレトロなサウンド、アグレッシヴかつ妖しいボーカル、滑り落ちるように着ていたコートを床にストンと落とす美しいパフオーマンスも含め、michi.劇場が繰り広げられる。

そしてALICE IN MENSWEARの世界と地続きにあるmichi.名義の「Dance in the rabbit hole」へ。朧げな月の下、シルクハットの紳士たちが踊り出す情景が描かれる歌詞もツアータイトル<Under the moonlight>と繋がっている。michi.はステップを踏みながらハンドクラップ。ライヴというより“宴”という言葉が似合う曲が続いた後は、近未来の恋愛を思わせるエレクトリックな「バイナリ・ラブ」が披露された。フロアも手を掲げ、身体を揺らし、新曲とは思えないほどファンに浸透している。

「<Under the moonlight>グランドファイナルにようこそ! ツアーの締め括りでもあり、2025年の締め括りでもあるこの空間をみんなと一緒に過ごすことができて幸せです。大阪、名古屋で培ってきたチームワークとみんなとのコミュニケーションを全てぶつけて、今日は楽しみたいと思います。寂しい夜はいつも月を見上げて“みんなも同じ月を見ているのかな”と思いを馳せています。遠く離れた場所にいても同じ月を眺めることによって一緒にいるような気持ちになれる。ただ、今夜はそんなヴァーチャルな恋ではなく、冬の透き通った月明かりの下で、いけない愛、いけない恋に共に溺れていきましょう」──michi.

そんなメッセージと共に届けられたのは本ライヴ初公開の新曲「Midnight blue -淡い月の下で-」だった。淡い月明かりの下、闇が隠す秘密の情事を歌ったジャジーでドラマティックなナンバー。michi.名義の新曲たちはいつも新しい景色を見せてくれる。そして、スケール感たっぷりのバラード「遥カナ航跡」(ALICE IN MENSWEAR)では菅大助がエモーショナルなギターソロで魅了し、マイクを握り締めてmichi.が熱唱した。

中盤は没入ゾーンだ。雷鳴のような効果音と照明の演出がドラマを生み出すmichi.名義の「Deeper than Darkness -漆黒の瞳-」はゴシックでダークな音像でありながら、サビはメロディが際立ち、アプローチも進化していたのが印象的だった。切ないバラード「蜉蝣 -水仙の涙-」(MASCHERA)では、たゆたうようなサウンドの中で歌い、ワルツのリズムに合わせてmichi.がマリオネットのような動きで魅了した名曲「ハジマリノウタ」(ALICE IN MENSWEAR)では歌詞の通り、三日月が微笑む夜の下、全てを弔うような説得力のある歌を響かせた。

フロアも陶酔する中、新たな幕が開くが如くバックスクリーンの煌びやかなLED映像がダンス空間を作り出し、michi.がイントロで「赤羽! 飛ばしていくぞ!」とタオルを持って煽り、おなじみの「Pre-TEA PARTY」(ALICE IN MENSWEAR)を投下。上手下手へと動きながら投げキッスで挑発するmichi.と、タオルを振るファンの熱が一体感を生み出していく。

投げかけられる“michi.コール”に「遠慮しなくてもいいんだよ」と、もっと大きな声で叫ぶように促したmichi.だったが、イヤモニをつけたままだったことを忘れて謝る場面も。完璧な一方でやや天然。そんなギャップもmichi.のチャームポイントである。

「日本の夏が(暑さの)危険領域に入ってきたことから、今年から冬のツアーをさせていただこうかなと思って、来年も冬にツアーをやります」──michi.

拍手と歓声の中、大阪と名古屋では客席に拍手形式でアンケートをとって“ツアーは夏以外ならいつでもいい”という反応が返ってきたことを伝えた。

「なので、2027年は夏以外にツアーを。でも、夏は俺のバースデイもあるので、何らかの形でイベントもやろうと思ってるし、いろいろなことを試したいと思っています。(オフィシャル)サイトに出ているロードマップは、あくまでも今現在の情報なので、これからもどんどんみんなと触れ合う空間を増やしていきたい。楽しみにしていてください」──michi.

そして、全員で盛り上がるための恒例レクチャータイムに今回セレクトされたのは、前回ライヴのアンコールで初めて披露されたインダストリアルでハードな「CYBER RAIN」。ツアーでのエピソードを混じえて、東京公演はファンの反応を参考にしつつ、サビの振りが新しいヴァージョンに。

ジャンプと手の動きを組み合わせ、michi.と一緒に盛り上がるフロア。毎回、設けられるこのコーナーを通じて、michi.名義の曲たちもどんどん浸透していく。

再び空気は一転。深紅の照明に染まる中、ヘヴィで尖ったナンバー「INCUBUS」では身体を折り曲げてmichi.が叫ぶように歌い、足を踏み入れたら二度と戻ってこられないような背徳の愛の世界にファンを引き込む。michi.のボーカルも厚みを増したサウンドも演奏されるたびに迫力を増している。

終盤戦はmichi.のライヴを盛り上げるALICE IN MENSWEAR時代の踊れるナンバーを連続投下。コール&レスポンスで盛り上がる「EXCORE」、michi.のセクシーなパフォーマンスも見どころの「PiLL≠GRiMM」、そしてイントロでmichi.が「君たちのいやらしくて熱い声をちょうだい」と煽った官能のダンスロック「GRAPPLER」でファンの理性を解き放ち、本編が終了した。

アンコールではちょうど1年前に同会場で披露されたMASCHERA時代のロマンティックなウィンターソング「powder」が透明度の高いボーカルで届けられ、michi.ライヴのキラーチューンになった「ROUND & ROUND」(S.Q.F)では真っ白な扇子を手にとり、場内には色鮮やかな扇子が揺れる光景が広がった。

「やっぱりグランドファイナル最高だね。一足早いクリスマスプレゼントを俺たちがもらった気分になりました。どうもありがとう。たった3箇所のツアーでしたが、ファイナルはとってもとっても名残惜しくて…。もっともっと注目を集めて、たくさんの人にmichi.の存在を知ってもらって、いろんな場所で会いたいと思っていますので、よろしく。じゃあ、本当に泣きそうになったところで、曲に行きたいと思います」──michi.

「俺はずっと奇跡を信じてます!」という言葉の後に披露されたのは2015年にリリースされたS.Q.F時代の「Miracle Melody Land」。キラキラしたポップチューンが希望を灯し、グランドファイナル最後の曲は弾けまくりのパンキッシュなナンバー「アイノウタ」で締められた。

メンバーを紹介し、感謝の気持ちを伝え、何度も手を振り、「帰りたくない!」と叫んだmichi.。2026年はさらに活動領域を広げ、新しい景色を見せてくれそうだ。

取材・文◎山本弘子
撮影◎河井彩美

 

■michi.東名阪ソロワンマンツアー<Under the moonlight>2025年12月13日(土)@東京・赤羽ReNY alpha セットリスト
-Opening-
01 BEAUTIFUL SABBATH PARADE (S.Q.F)
02 Jackal -怪奇劇場の詐欺師- (S.Q.F)
03 Dance in the rabbit hole (michi.)
04 バイナリ・ラブ (michi.)
-MC1-
05 Midnight blue -淡い月の下で- (新曲)
06 遥カナ航跡 (ALICE IN MENSWEAR)
07 Deeper than Darkness -漆黒の瞳- (michi.)
08 蜉蝣 -水仙の涙- (MASCHERA)
09 ハジマリノウタ (ALICE IN MENSWEAR)
10 Pre-TEA PARTY (ALICE IN MENSWEAR)
-MC2- Call & Response-
11 CYBER RAIN (michi.)
12 INCUBUS (michi.)
13 EXCORE (ALICE IN MENSWEAR)
14 PiLL≠GRiMM (ALICE IN MENSWEAR)
15 GRAPPLER (ALICE IN MENSWEAR)
-Encore-
16 powder (MASCHERA)
17 ROUND & ROUND (S.Q.F)
-MC3-
18 Miracle Melody Land (S.Q.F)
19 アイノウタ (S.Q.F)
-Ending-

 

■配信情報<東名阪ソロツアー「Under the moonlight」>
2025年12月13日(土) 東京・赤羽ReNY alpha
open16:30 / start17:00 / 配信start16:50
【配信チケット販売期間】
2025年10月3日(金)18時~
※2026年1月13日(火)22:00までチケット購入可能 (B-①を除く)。
▶配信チケット:https://unitedproducts.zaiko.io/item/375438
※アーカイブ視聴期間:チケットによって異なります。
※アクセスが集中した際には一時的にビットレート(ピクセル数や画質)を制限させていただく場合がございます。
【配信チケット料金】
B-①ライブ配信チケット+3日間 (12/16(火)23:59まで)のアーカイブ視聴 ¥6,000(税込)+ZAIKO手数料
B-②ライブ配信チケット+30日間 (2026/1/13(火)23:59まで)のアーカイブ視聴 ¥7,500(税込)+ZAIKO手数料
B-③ライブ配信チケット+DVD盤 ¥10,000(税込)+ZAIKO手数料
B-④ライブ配信チケット+DVD盤+CD ¥13,000(税込)+ZAIKO手数料
B-⑤ライブ配信チケット+Blu-ray盤 ¥11,500(税込)+ZAIKO手数料
B-⑥ライブ配信チケット+Blu-ray盤+CD ¥14,500(税込)+ZAIKO手数料
B-⑦ライブ配信チケット+アーカイブデータ+DVD盤+CD ¥17,000(税込)+ZAIKO手数料
B-⑧ライブ配信チケット+アーカイブデータ+Blu-ray盤+CD ¥18,500(税込)+ZAIKO手数料
※ディスク付きプランをお求めの方はチケットご購入時、記入漏れやミスにご注意ください。また、すでに個人情報ご登録済みの方も再度お名前やご住所の入力が必要となります。漏れやミスがあった場合は発送が遅延したりお届けできない場合がございます。
※コース③~⑧には「30日間 (2026/1/13(火)23:59まで)のアーカイブ視聴」も付属します。
※コース③~⑧のDVD盤、Blu-ray盤、アーカイブデータには全てオフショットの特典映像を収録します (30日間のストリーミング配信にはオフショット映像は含まれません)。
※コース⑦~⑧アーカイブデータはデータ準備完了 (目安としてはチケット販売終了より3~5週間)次第、ダウンロード先URLをお知らせいたします。
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※ディスク盤の映像、CDの音声は、若干の編集や音質調整などが加わる場合がございます。
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