【インタビュー】ぽらぽら。「ワクワクを作るんだ」…がんになっても変わらないモノ創りへの衝動

2026.09.17 10:00

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ふわふわ+ピコピコサウンドをコンセプトに、テクノポップやエレクトロポップを生み出しているソロユニットのぽらぽら。が、ベストアルバム『MUGEN-夢幻-』をリリースする。

2004年から活動を始め、自身で作曲、作詞、アレンジ、デザインなどをマルチにこなすクリエイターであり、ポラリオン星から来た宇宙人という顔を持つぽらぽら。。唯一無比の個性と才能を制作やライブの場で発揮してきたが、2023年に乳がんが発覚。2度の手術とあらゆる治療を経て、音楽活動を再開させた。

今作はファン投票によって選曲し、電気グルーヴ『VOXXX』などを手掛けた渡部高士がミックスを、石野卓球の『WIRE TRAX 1999-2012』などを手掛けた木村健太郎がマスタリングを手掛けたベストアルバム。楽曲についてはもちろん、聞けば聞くほど興味深いそのプロフィールについて深堀りしてみた。

──ぽらぽら。として、2004年から活動されているんですね。

ぽらぽら。:はい。なぜ「ぽらぽら。」なのかというと、高校の時にバンドをやっていたんですね。最初はドラムをやっていたんですけど、そのガールズバンドの名前が「ぼらぼら。」だったんです。ボラボラ島っていう、温暖化で沈むって言われている太平洋の真ん中あたりの島があるんですけど、そこから取って。その名前をちょっと残したいなというのもあって、ぽらぽら。にしました。意味は全然ないんですけど、響きだけでなんとなく。

──今、高校生でドラムという話が出てきましたけど、その前は?

ぽらぽら。:最初は、小学生の時のピアノですね。はっきり覚えてないんですけど、姉兄が2人ともピアノを習っていたのでその流れで習いたいと思ったのか、同じところに通って習ってました。

──バンドを組んで、なぜドラムというパートを選んだんですか?

ぽらぽら。:テレビとか見ていろいろと影響を受ける中で、ドラムかっこいいなと思って。特にこれというわけではなく、なんとなくいろんなものを見ていて思ったんだと思います。あとは中学の時の担任がドラムを叩く先生で、文化祭で演奏されていたんですね。それもあってなのかもしれないです。

──高校の時のバンドは、部活か何かだったんですか?

ぽらぽら。:はい。そこそこ厳しくて、最初はみんなアコギから入らなきゃいけないんですよ。先輩の前で弾き語りして、合格しないとバンドが組めないんです。

──そんなに高いハードルがあるんですか!

ぽらぽら。:しかも2段階のテストがあって、まずは弾くだけ。それで合格できたら今度は弾き語りのテストがあって、それも合格したらバンドが組めるっていう。

──エリート教育ですね。音楽系の学校だったんですか?

ぽらぽら。:全然そんなことないんです。ただメジャーデビューしている方はいます。キリンジさんと、ACIDMANさん。学校は音楽系じゃなく、普通の学校でした。

──すごいエリートを輩出されている学校なんですね。ぽらぽら。さんは、バンドを組んでどんな曲をやっていたんですか?

ぽらぽら。:古い曲が多いんですけど、例えばカナダのHEARTっていうバンドや東京少年など、先輩から受け継がれてきた譜面を借りてやるみたいな感じでした。あとはDREAMS COME TRUEとか、プリンセス プリンセスとか。

──そこでドラムを叩きながら、音楽の楽しさを実感していくわけですか。

ぽらぽら。:しましたね。すごく楽しかったです。友達と一緒にやるっていうのももちろん楽しかったですけど、やっぱりドラムを叩くこと、叩いているっていうその状態が楽しかったんですよね。私はすごい運動音痴なんですけど、ドラムって結構動くじゃないですか。そこが唯一、私の運動のタイミングみたいな(笑)。

──身体全部使いますしね。

ぽらぽら。:たぶん、身体を動かすのが楽しかったんじゃないかなって思います。しかもスポーツとしてじゃなく、音楽の手段として動かしているのでより楽しめたんじゃないかなって思ってます。

──バンドじゃなくても音楽ができればよかった、みたいな選択肢ではなかったわけですか。

ぽらぽら。:ではないですね。絶対バンドがやりたかったので、バンドができる部活のある高校に行きたいと思っていたんです。具体的にこういうバンドみたいになりたいとかはなくて、何でもいいからバンドで演奏できればいいなって。バンドをやることで、こんな音楽もあるんだ、こんなバンドもいるんだって、音楽の世界が広がったっていうのは感じました。

──高校を卒業してからは?

ぽらぽら。:大学でもバンドを続けようと思って、バンドのサークルに入りました。大学からは、ドラムに加えてベースとかボーカルもやるようになったんです。複数のバンドを組んでもOKなサークルだったので。

──じゃあここではドラム、ここではベースとか。マルチですね。

ぽらぽら。:みんなそんな感じでやってましたよ。(メンバーが)足りなくなったらこっちにドラムヘルプで、みたいな感じで。

──その頃はもうプロになりたいとか、何か目標をお持ちだったんですか?

ぽらぽら。:ほんのり思っていました。ドラマーになりたいなってちょっと思っているところはあったんですけど、ただ体力的に厳しいかなと思って、また別の夢を持つことにしたんです。

──別の夢とは?

ぽらぽら。:普通に就職して、バリバリ働くキャリアウーマンになりたかったんです。マスメディア系に興味があったので、テレビ局とかで番組を作る仕事をしたいなって思っていたんですよ。でもそれもちょっと途中で難しいかなと思って考えを変えまして、今度は作曲をして生きていこうって思うようになったんです。

──ドラマーからテレビ局の制作、作曲。夢の切り替え方がポップですよね。何もないところから渋々選んでいるわけでもないし、自分にできるのかなっていう迷いもない。あれやってみたいな、これもやってみたいなっていう素直な気持ちを第一に、前進されているというか。

ぽらぽら。:ポップって、初めて言われました(笑)。ありがとうございます。大学で歌うようにもなって、ボイトレにも通って、歌う人になりたいなってちょっと思ったんですけど、ただそれだと若いうちしかできないなって思ったんですよ。ということは、手に職をつけたら歳をとっても仕事になるかなと思って、作曲がやりたいなと思うようになったんです。作曲は、DTMから入りました。

──自分は出る方じゃなくて、クリエイターとしてやっていこうと。

ぽらぽら。:本来はそうしたかったんですけど、曲を売り込むためには自分で歌ってデモを作らないといけないと思って。それでデモを作り、とりあえずライブに出ようと思ってライブに出たら、そのまま今になっているっていう(笑)。でも私は今でも、メインは歌より作曲だと思っているんですけどね。

──ライブの衣装を作ったり、マンガを描いたりもされていますが、本当に作ることのが好きなんですね。

ぽらぽら。:そうですね。曲に限らず”作る”っていう作業が好きなんですけど、いろいろやってるからこそ続けられるっていうのもあるかもしれないです。

──ご自身が作る音楽の方向性としては、最初からエレクトロポップとかテクノポップだったんですか?

ぽらぽら。:全然違いました。最初は普通にポップスを作ろうと思っていたんですね。普通に流行っている、いわゆるJ-POPみたいなのを作れたらいいなって。でもDTMを始めた時に、そういえばライブってどういうところに出られるんだろうと思ってDiGiRECOを見たら、電子楽器をやっている人が出られるイベントっていうのが書かれていて。とりあえずこれに出ようと思って出たら、周りは電子楽器使っている人ばかり。そこで影響を受けつつ、テクノポップの方向に行ったっていう感じですね。

──どなたかアーティストの方の音源やライブで衝撃を受けて「私もこんな曲を作りたい」じゃなく、たまたま自分が選んでいったイベント自体に影響されたみたいな。

ぽらぽら。:そうです。テクノポップってクラブミュージックとはまたちょっと違うので、結構ポップなんですよ。音が1980年代のアナログシンセの音とかそういう感じなので、曲自体は結構ポップ。テクノよりポップに近いかなって私は思っているんですけど。テクノポップにもいろいろあるけど、私の周りに多いのはポップに近いテクノポップかなって思ってます。

──現在ぽらぽら。さんは、ライブではハンドマイクで歌ったり、ベースで歌ったりされていますよね。ベースを弾きながら歌うって結構珍しくないですか?

ぽらぽら。:珍しいみたいですね。私がなぜベースを弾きながら歌うようになったかというと、ギターに挫折したからなんです。さっき部活でテストがあったって言ったんですけど、ギターって弦が6本あるじゃないですか。ちょっと操作しきれないなって思って(笑)。でもベースだと4本だし、基本単音なのでベースにしたんです。

──これだけポップな音楽でベースを弾きながら歌うっていう、その違和感がすごい中毒性なんだろうなぁと思ったりもします。

ぽらぽら。:ぽらぽら。を始めた時、最初はドラムを叩きながら歌おうと思っていたんですね。最初はそうしてたんですけど、ライブでドラム叩きながら歌っていたら「いつ出てくるの?」って言われて(笑)。

──(笑)。

ぽらぽら。:「いや、いるんだけどな」って(笑)。「いますけど…わからなかったんですね」と思って、じゃあもっと前に出た方がいいんだなってことで、ベースにしたんです。

──ではここからは、10月7日にリリースされるベストアルバム『MUGEN-夢幻-』について聞かせてください。どうしてこのタイミングでベストアルバムを出そうと思われたんですか?

ぽらぽら。:3年ぐらい前、20周年の時にアルバムを出したいと思っていたんです。それを普通の5枚目にするのか、ベストアルバムにするのかっていう部分はあったんですけど、そのタイミングで私が乳がんになってしまって。ちょっと自分であれこれ準備するのは厳しいなって思っていたら、ミックスをお願いするのはどう?みたいな感じで提案をいただき、それだったら自分の負担を感じすぎずにアルバムが出せるかもって思ったんです。それで、20周年だしベストアルバムっていうのもいいかなって思って出すことにしたんです。

──選曲に関しては、ファンの方のご意見も取り入れられたそうですね。

ぽらぽら。:はい。Xでぽらぽら。の好きな曲を教えてくださいってアンケートを取って、上位の曲プラス20周年記念で作った曲などを入れることにしました。

──20周年記念の曲というのが?

ぽらぽら。:7曲目の「Special time gives me power」です。これはファンの方に歌詞も募って寄せていただいた曲なんですけど、20周年の記念に作りました。

──ミックスを電気グルーヴの『VOXXX』などを手掛けた渡部高士さん、マスタリングを石野卓球の『WIRE TRAX 1999-2012』などを手掛けた木村健太郎さんが手掛けています。

ぽらぽら。:思っていた以上に違う形でというか、すごくノリも良くなっていて、「おぉーっ」となりました。渡部さんはもともとユニット(OVERROCKET)でのライブを拝見したことがあって、その時からいいなと思っていたんです。自分の曲をミックスしていただくとこんなにノリが良くなって、ちょっとクラブ寄りになって、私にない要素が入ってきて、すごくいいなって思いました。マスタリングとか音の技術的な部分はあまりよくわからないんですけど、木村さんは、リクエスト通りにすごくキラキラな感じにしてくださって、とても聴きやすいバランスになっていたので、お願いして本当に良かったなって思いましたね。

──音の輪郭が太くなっているというか、曲の生命力みたいな部分がすごく強くなっているような印象を受けました。

ぽらぽら。:おっしゃる通り、渡部さんのミックスってすごく緩急がはっきりしていて、それこそ輪郭がはっきりしてるし、すごく生きている感じというか、生命力を感じるなって私も思いました。

──具体的にいくつか、制作時のエピソードなどがあったら聞かせていただきたいのですが。

ぽらぽら。:「favorite」という曲は、活動を始めた初期の頃にELECTRIBE MXっていうハードシンセで作ったんですね。私のファーストシンセなんですけど。同じループをずっとつなげただけの曲だったんですけど、これを結構気に入ってくださった方が多くて。今回はSEQTRAKというまた別のガジェットシンセを使って生まれ変わっているので、その違いとかもぜひ聴いて楽しんでいただきたいなと思っています。

──「EXIST」も「favorite」と同じ活動初期の頃の楽曲ですよね。この曲が1曲目というのはすごく意味のあることじゃないかなと思ったんですが。

ぽらぽら。:渡部さんのミックスしていただいたのを聴いた時に、イントロがすごく良かったのでこれを1曲目に持ってきたいと思ったのと、あと「EXIST」には「存在する」という意味もあるので、最初にこれを持っていきたいなと思いました。

──歌詞の意味を考えると、曲を作った時と今とでは、この曲に向き合う気持ちも違うんじゃないかなと思います。

ぽらぽら。:違いますね。今はいろんな方に気持ちが届けばいいなっていう、それぞれの存在がすごく大事だよっていう思いを込めて歌いたいなって思っているんですけど、作った当初は自分に対してだったんですよね。自分から周りへ、目が行くようになったかなと思います。

──「EXIST」で始まって「RE:BORN」で終わっている感じもすごくストーリー性を感じました。この曲に関してはどうですか?

ぽらぽら。:「RE:BORN」に関しては結構ライブとかでも最後にやることが多くて、盛り上がるっていうのもあるし、すごく好きな曲っていうのもあるので最後に持っていきたいなって思いました。あと、これを作った時が結構つらい時期で。楽しいことを自分で作らなきゃいけないなと思ってちょっと短期留学したんですけど、そういう意味でも思い入りのある曲なんです。歌詞の中に「ワクワクを作るんだ」ってあるんですけど、それをすごく前面に出した曲です。

──乳がんの治療が始まる前に行かれた短期留学のことですか?

ぽらぽら。:その前ですね。私、何回か留学しているので。正直、病気の時は、メンタル的には辛さっていうのはそこまでなかったんですね。でももともとすごく悩みやすいタイプで、思い詰めやすいというか。そんな時に作ったのが「RE:BORN」だったんです。思い詰めると海外に旅行して、また復活して帰ってくるっていう(笑)。すごくリフレッシュになるんです。

──そんな風に自分のマインドをコントロールするというか、バランスを取りながらここまで来られてるんですね。

ぽらぽら。:そうですね。

──しかしお金がかかるリフレッシュですね(笑)。

ぽらぽら。:本当そうなんです(笑)。だから、働いた分はほぼ旅行代ですね。普段はすごく質素に暮らして、旅行でドーン!って感じです(笑)。でも記録にもなるし、糧にもなるし、旅行した経験がまた曲にもなるので、できる限り旅行は続けていきたいですね。

──乳がんと診断されてからも旅行に行かれたり、治療中に次のライブのことを考えたり、曲を作ったりされていたそうですが、もし自分だったらと考えると、音楽聴くのも辛いとか、もうやめてもいいかなとか、そういう思考にもなりそうだなと思いました。

ぽらぽら。:私の場合やめようというよりは、続けられないかもしれないなっていうのはありましたね。自らやめようっていう気持ちはなかったです。やれるならやりたいなって思っていました。ただ、受け入れてもらえるのかなっていう不安はすごくありました。間が空いてしまうので、またライブをやりますって言って来てくれる人はいるのかなっていう不安が。みんな待ってくれてるだろうなって、あまり思えなかったんです。お客さんってどんどん変わっていくし、ちょっと間が空くと別の人を探そうみたいな感じになるんじゃないかなって想像していたので。だから、そういう不安はありました。実際やっぱ離れちゃったお客さんもいるし。でも逆に、応援してくれるようになった方もいますけどね。

──治療中のSNSの発信とか、コミュニケーションを取るっていうことに関してはどうでしたか。

ぽらぽら。:ちょっと控えめにしていました。例えば病気のこととかを発信したとして、励ましの言葉とかいただくとするじゃないですか。やっぱりすごく気を使わせちゃうし、それに対する返信もすごく気を使うんですよ。だったら、特に普段発信しているXではあまり病気のことは書かないようにしようと思っていました。noteには結構詳細に記録を書いていたんですけど、それは本当に自分の記録としてであって、読みたい人だけ読んでね的な感じで書いてたので、大々的にXに「noteに書いてますよ」みたいなのも載せてなくて。プラットフォームは変えてやろうかなっていう感じで書いてましたね。

──ぽらぽら。さんがお描きになった、無料で読めるAmazon Kindle版マンガ「乳がんになっちゃった!」も拝見しましたが、楽しくてあっという間に読み終えました。…”楽しい”って言っていいんですよね?

ぽらぽら。:楽しいって言ってくださると嬉しいです。みなさん、軽い気持ちで読めるって言ってくださるのでよかったと思って。狙い通りだって思っています(笑)。

◆「乳がんになっちゃった!」第一巻

──内容としては治療に関することも詳細に書いてあって、同じ病気に今向き合っていらっしゃる方は参考になるところもたくさんあるだろうなと思いながら読ませていただきました。自分自身いろんなことを考えるきっかけにもなりましたが、こんな風に発信してくれたらすごく気が休まる方とか救われる方もたくさんいらっしゃるだろうなって。

ぽらぽら。:まさに私が、そういうマンガを読んでそう思ったので描いたんです。私が読んだのは大腸がんの方だったんですけど、それの乳がんバージョンを作りたいなと思って(笑)。

──乳がんバージョン(笑)。ちなみに「乳がんになっちゃった!」という曲もありますし、「MRIの心得」もそうですけど、すごくダイレクトな内容ですよね。

ぽらぽら。:そうですね。もともとすごくストレートに言っちゃうタイプなので、それしか私の表現の仕方がないというか。あまり遠回しに言えないんです。

──「MRIの心得」は、MRIの機械の中の音がモチーフになっていたりして。

ぽらぽら。:今回のベストアルバムに入っている「MRIの心得」はまたちょっと違う感じになっているんですけど、オリジナルの方はその音をイメージして作りました。来年、アナログのレコードでのリリースも考えています。

──音楽に対する欲は、日に日に高まったり、深まったりしている感じですか。

ぽらぽら。:そうですね。こういうイベントやりたいとか、こういう曲作りたいとかは日々思います。全部が全部、実現できるわけではないですけど。

──最近、AIを使って曲作ってみようみたいな発信もされていましたよね。

ぽらぽら。:AIをフルに使ったわけではなくて、AIで自分の好きな感じの曲を作るとどんな感じになるのかなっていうのを生成して、それをリファレンスとして曲を作ったっていう感じですね。

──しかしハードもソフトも、今どんどん進化していますよね。

ぽらぽら。:私もそんなに情報が早いわけじゃないので知らないこといっぱいあるんですけど、どんな風に活かしたらいいのかなとか、こうやって使ってる人いるんだとか、日々いろいろ見ながら感心させられています。

──ツールの発展は本当に目まぐるしい変化や進化を遂げていると思うのですが、自分の中から生まれる言葉の部分…歌詞に関しては、一貫して変わらないものというのがある気がします。ぽらぽら。さんの場合はいかがですか?

ぽらぽら。:基本私の中で興味あるのが、「人間とは」なんですね。人間が生きることについて。人間とは何のために生きてるんだろうとか、そういうちょっと哲学チックな感じのことに興味があって、最初からそういう感じのテーマで書いていますね。あと、ぽらぽら。はポラリオン星出身っていう風に言っているので、宇宙から来たポラリオン星人が作る曲っていうのも意識して作っています。でも最近は本当に現実的な、「乳がんになっちゃった!」とか、自分の体験をもとに書いた曲も増えてきていて。その方が聴く側にとってより親近感が持てるかなというところもあるので、そういう体験をもとに作っている曲もあります。

──今回のベストアルバムでは、進化していく音の変化やぽらぽら。として変わらない軸の部分などをさまざまな角度から味わうことができる内容になっていると思います。では改めて、今回の『MUGEN-夢幻-』というタイトルに込められた思いを聞かせてください。

ぽらぽら。:もともとは、ジャケットをお願いした燈さんのイラストからインスピレーションを得て作った言葉なんです。漢字一文字のモチーフをよく使われる方なんですけど、和の温かさもあって、これとテクノポップを融合させたらどんな感じだろうと思って依頼したんですね。で、なんとなく途中経過として出来上がったものを見ていて、タイトルに漢字をつけようかなと思ったんです。テクノポップっぽい漢字ってなんだろうと思っていくつか調べて候補をあげて、その中で選んだのが「夢」と「幻」。これを繋げた「夢幻」という言葉があるんだと思って「夢幻」にしたっていうのもあるし、あと限りないという「無限」にもかけて。限りなく進んでいくぞっていう気持ちも込めて付けました。

──個人的には「笹」って書いてあるところがツボでした。

ぽらぽら。:ありがとうございます(笑)。実はこれ、クラファン限定バージョンがあって、そっちは黄色いんですけど、間違い探しになっていて。13ヶ所くらい違いがあるので、ぜひ遊んでみていただきたいなと思っています。

──ベストアルバムのリリースを記念して、10月10日には下北沢モザイクでライブ<夢幻 -PLAY THE FUTURE->も行われるんですよね。

ぽらぽら。:この日は、エイプリルズというバンドのナカマさんにVJをお願いしています。私、個人的にそれがすごく楽しみなんですよ。とても楽しいVJをされる方なので、何とかお願いしたいと思ってお願いすることにしました。どんなVJされるかっていうと、MIDIでシンクさせて曲に合わせて映像を変えてくださるんですね。それをぽらぽら。の曲でやった場合どうなるのか、想像がつかないんですけどすごく面白そうですよね。

▲エイプリルズのVJ  ナカマノリヒサ制作による今回2026年のMV「Remix Mirage」。曲のエンディング・クレジットには下記の言葉が記されている。
The music video for “MIRAGE” is a reinterpretation of the original song through the perspective of AI. It can be described as a new vision that emerged alongside the song’s remastering.
(「 MIRAGE  」のミュージックビデオは、AIの視点から原曲を再解釈したもので、楽曲のリマスターと並行して生まれた新たなビジョンであると言える)
▲ナカマノリヒサ制作による2017年のMV「 MIRAGE 」 オリジナル版(ぽらぽら。3rdアルバム『MIRAGE』収録)。

──これまでそういった形のライブは?

ぽらぽら。:今までは、よくある幾何学模様が出てくる映像を後ろで流すとかそういう感じのVJはお願いしていたんですけど、ナカマさんのVJはまたちょっと違うので、個人的にすごく楽しみにしています。

──衣装も手作りされていますし、見どころが多そうですね。

ぽらぽら。:ありがとうございます。衣装も含めて世界観を作りたいなっていうのもあるし、曲の流れ的に、お客さんが心地よい感じで聴いていただけるようにしたいなっていうのもあります。あと、こぽらこっていうお手伝いパンダがいるんですけど、そのお手伝いのMCを挟んでちょっとほっこりしてもらいたいなとか、そういう感じで流れを考えているところです。

──ライブもアルバムも、たくさんの方に楽しんでいただきたいですね。

ぽらぽら。:病み上がりの割には結構しっかり歌えていると思うので(笑)、楽しんで聴いていただきたいなって思っています。常に、ワクワクを作っていこうっていう気持ちでやっているので。

──アルバムの最後に収録されている「RE:BORN」に、「ワクワクを作るんだ」という歌詞がありますね。「dreamer」で歌われている「心豊かになる経験をしたいんだ」という歌詞もそうですが、ぽらぽら。としての指針というか、人としてどう生きていきたいかみたいなものを感じます。

ぽらぽら。:「dreamer」は「RE:BORN」の第2弾みたいな曲なんですよね。これもちょっと大変だなって思っていた時なんですけど、そんな時に作ったのが「dreamer」なんです。留学して自分を癒して、ちょっと心豊かになって帰ってきて、お客さんに恩返しをしたいなって思って作りました。

──リフレッシュして、それを還元していく。生活も創作も繋がっているんですね。

ぽらぽら。:そうですね。やっぱり喜んでもらいたいし、どちらかというと楽しませるというよりは癒し系かなってよく言われるので、疲れている方とかもそうですけど、これからもお互いに癒せたらいいなって思っています。

取材・文◎山田邦子

ぽらぽら。『MUGEN -夢幻-』

2026年10月7日発売
CD STPR-0008 3,300円(税込)
1.EXIST
2.奇跡の集合体
3.My Flying Jet
4.favorite
5.iine
6.mirage
7.Special time gives me power
8.101
9.dreamer
10.RE:BORN(yasushi.k 2026 NewMix)
11.MRIの心得(SLF!! REMIX)※Bonus track

<夢幻 -PLAY THE FUTURE-☆復帰2周年&アルバムリリース記念☆>

2026年10月10日(土)昼
@下北沢モザイク
10:40 OPEN/START(~13:25終演/~14:15 CLOSE)予定
・PERFORMER:ぽらぽら。
・SPECIAL GUEST PERFORMERS:プラムソニック、うきあしスタンダップ、アシッド田宮三四郎、ときめきエキスプレス、SLF!!(DJ)
・SPECIAL GUEST SUPPORT:Ding(Aerophone)、和田洋平(Pf)、名嘉真法久(VJ)
●来場チケット: 前売 3,500円+1D(700円)/当日 4,000円+1D(700円)
https://tiget.net/events/518124
●配信チケット: 3,000円(2週間アーカイブ視聴可能)
https://premier.twitcasting.tv/poraporanet/shopcart/452857

<M3-2026秋(第58回即売会)>

2026年10月25日(日)
10:30~15:30 [予定]
リアルイベント:東京流通センター 第一・第二展示場
Webイベント:Web上特設サイト(M3オンライン)
入場料 前売 2,000円 / 当日 未定(税込、カタログ代含む)

◆ぽらぽら。オフィシャルサイト