【ライブレポート】双極スペクトラム、4周年ワンマン開催「7人でライブができて本当に良かった」

双極スペクトラムが3月27日、Spotify O-EASTにて4周年ワンマンライブ＜星のない世界なら＞を開催した。

◆ライブ写真

「今日は来てくれてありがとうございます。4周年ワンマンライブ、楽しんでいきましょう～！」という田嶋はるの掛け声に続けて、メンバー全員でコール＆レスポンスをしながらファンとの距離を縮めていく。


お祭り節が楽しい「バクアゲ仏」はエネルギッシュに、続く「Call of Destiny」ではしっとりと歌い上げ、開始早々から多彩な表情を見せる。

「この7人で迎える始めての周年ライブです」と、さくま(さくま)。双極スペクトラムは2021年のデビューから幾度かのメンバーチェンジを重ね、現在に至る。結成から4年、色んなことがあったが、卒業していったメンバーの思いも背負い、ステージに立った7人。「去りし日に咲く」をこのメンバーで披露するのも、この日が初めてだったが、各々の個性が喧嘩しないパフォーマンスを届けた。


可愛いパートと激しいパートが入り乱れる「絶望メンブレガール」は、アイドルの中に様々な要素を取り入れている双極スペクトラムのコンセプトにもマッチしていて、楽しい一曲だ。その後、会場は暗転し、スクリーンにて新曲「tetora.」のミュージックビデオが公開。格好良い曲調とダンスは、これまでの曲とは一味違ったテイストで、今後のライブでの曲順や見せ方なども面白くなりそうな予感がする。



MCでは「一身上の都合により、お休みをいただいてました」と話す禊を、「おかえり」とメンバーが温かく迎え入れる。だが、どんなときも、とにかく面白いことをしたい彼ら。休んでいた間に記憶を失くしてしまったというていの禊に、記憶を呼び起こさせるため、メンバーが色んなギャグを披露していく。


麻田ちひろが「本当は読書家」「突然、髪の毛が伸びる」といった「禊あるある」をリズムに乗せて歌い、さくま(さくま)や田嶋はるも懸命に一発ギャグを飛ばした。それに対し、禊も満足した様子で、「思い出しました！　この度はご心配、ご迷惑をおかけし、すみませんでした」という言葉に続けて、「また少しお休みしますが、すぐに戻ってきます。今日は周年なので、みなさん盛り上がって帰ってください」と、話した。

先ほど動画で観た「tetora.」から曲が再開されると、真剣な表情で丁寧に歌い上げていく。オリジナルメンバーである田嶋はると禊が土台を支える中、感情を込めて声を響かせる、無敵てるくん、常震るな、赤色時雨と、優しく歌を添える、さくま(さくま)、麻田ちひろ。7人の個性を上手に活かしながらバランス良くまとめられていた。


続く「MAKE UP HENGE」「オオカミと月兎」では、曲の冒頭からカラフルなペンライトが勢いよく振られ、「醜形矯正シンドローム」で、さらに会場を盛り上げて上げていく。「ガポワオ」まで、ノリの良い曲で一気に畳み掛ける楽しい展開だった。

この日のセットリストは、前半に歌を聴かせる綺麗な曲、後半にノリの良い曲が集められており、全体を通して見やすく、メリハリのあるライブだった。双極スペクトラムのライブでは、バックバンドが入ることもしばしばあるが、この日はメンバーだけ。それでも華やかなパフォーマンスでファンを惹きつけていた。


「盲目信教BAN BAN罪」では、ファンの安全を考えて、サークルモッシュではなく「サークルウォーク」が行われた。曲中のファンの声もどんどん大きくなり、無敵てるくんの煽りから始まった「デジタルタトゥーミーイズム」でも会場を沸かせた。

「今日、禊が来られなかったら、初期メンバーが僕しかいなくて寂しいなと思っていたので、禊、来てくれて良かったです」という田嶋はるの言葉に、禊が照れくさそうに頭をぺこっと2回下げたところから「愛情欲求シンドローム」。はじける笑顔で、4周年記念ワンマンライブのラストを飾った。
　

双極スペクトラムは、気さくな雰囲気、自然体の姿が大きな魅力だ。この日も、彼ららしいライブが展開され、そういうところに居心地の良さを感じているファンも多いことだろう。

最後は「4周年ワンマン、昨日まで6人でやるか7人でやるか分からなかったので、不安にさせてしまって申し訳なかったです。でも、今日7人でライブができて本当に良かったです。僕ら5年目になったけど、まだまだチャレンジする気持ちで、これからもアイドルとしてシーンを盛り上げていきたいと思います(田嶋はる)」という言葉で締め括られ、告知映像が流された。


新アー写の公開に加え、5月2日の麻田ちひろと6月19日の常震るな生誕ライブ、夏の東名阪福ツアー、そしてツアーファイナル＆禊生誕ワンマンライブをSpotify O-WESTにて開催することを発表。さらに「今年もあのライブがやってくる！」という言葉とともに、9月20日・21日、新宿WALLYにて行われる24時間無銭ライブの告知もおこなわれた。

双極スペクトラムとしては4年だが、現体制での活動はまだ始まったばかり。7人の活躍に、今後も引き続き注目してほしい。

文◎藤代 冬馬　/　LINKSOLU Inc.
写真◎堅田ひとみ　/　LINKSOLU Inc.