【インタビュー】BAND-MAID、らしさが詰まった最新曲「Protect You」

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◼︎「私たち、こういうものを出します!」ってことを堂々と言えるようになった

──さきほどMISAさんの口からもメリハリという言葉が出ていましたが、それは各パートについて共通しているわけですね。ボーカルついても、ずっと全力で走りっぱなしの歌ではない。強く押し出し過ぎない歌い方をしている箇所もありますよね?

SAIKI:そうですね。これまでの傾向としては、今言われたように、全力で全部出し切っていく感じが多かったんですね。楽曲に負けないようにするためにもそうしてた部分があるんです。ただ、今回のオケができてきた時、むしろもっと自分のニュアンスを加えることで、歌い方でも歌詞の情景にちゃんとリンクできるように歌えるんじゃないかなと思って、レコーディングの時も結構自分なりのチャレンジがあったんです。AメロとかBメロの歌は、聴いてるだけだとそんなに低い感じには聴こえないと思うんですけど、意外と潜る部分が多いので、そこでちゃんと声を響かせられるようにとか、そういうことを意識しましたね。このルビーナとテロンナの姉妹は意志がとても強くて、主人公を含めた3人の関係性がすごく強い物語なんですけど、女性ふたりの側の気持ちに寄り添えるようにしたくて、歌い方はいろいろ試行錯誤を重ねたかな、という感じですね。

──KANAMIさんのギターソロにもメリハリを感じます。大きなメロディからテクニカルに展開していく流れになっていますけど、あの大きなメロディには聴き手を引き込む力があると思います。

KANAMI:ありがとうございます。やっぱりメロディアスさというのは毎回すごく意識していて。最初の“入り”ってやっぱりすごく大事だと思うんですよね。ちょっと鼻歌で歌えちゃうような感じのメロディにできたらいいなと思いましたし、同時にBAND-MAIDとしてはテクニカルさについても見せたい気持ちがあるので、それも盛り込んでいって。このソロも実際、結構難しいんですよ。だけどここで頑張れば、自分ももう一段階上達できるはずだと思いながら取り組みました。結果的には、自分でも結構いいソロになったんじゃないかなと思っていて……聴きどころのひとつになってるかなって思います!

──ええ。聴いていて「来た来た!」って感じがしますよ。結果、さまざまな意味でのメリハリ、緩急、コントラストが豊かな楽曲になっていて、しかもコンパクトにまとまっている。コンパクトという意味では90秒バージョンがすごくカチッとまとまっていて見事でした。

KANAMI:正直、毎回大変なんですよね、90秒バージョンを作るのは(笑)。結構どんな楽曲でも90秒に収めるのってすごく大変で。ちょっと足りないとか多すぎるとか、そういうことになりがちなので。足りない場合には前後にちょっと付け足しをすることで解決したりもするんですけど、多すぎて嵌まりきらない時はすごく大変なことになったりします。結果的に今回の90秒バージョンは、エンディング感を出すためのイントロ部分、ピアノから始まる構成にしたことで調整できて、最終的にはいい雰囲気にできたんじゃないかと思うんですけど、実はこの形にまとめるまでには作り直したりもしてるんです。

──そこでも引き算のあり方が鍵になっていたわけですね。そしてこの曲のミュージックビデオは、完全に演奏シーンのみで構成されたものになっています。グレンダイザーが登場するわけではなく。

小鳩ミク:そうですっぽね(笑)。やっぱり曲調的にもバンド感が強く伝わるものであって欲しいなというのがありましたし。ただ、演奏シーンの中で、たとえばエレベーターの中で弾いてたりする場面というのは、グレンダイザーの世界観とリンクしてるんですっぽ。なにしろロボットの中に入って操縦したりする話なので。

SAIKI:あの鉄骨に囲まれてるようなシチュエーションは、グレンダイザーが収納されている場所のイメージですね。格納庫みたいな。

小鳩ミク:そういえばあのエレベーター、実は動いてないんですっぽ。めちゃくちゃ動きのある感じの映像になってるんですけど、そこは撮影技術のすごさを感じさせられましたっぽ。あと、全体の色調とかはグレンダイザー自体の色味を意識したものになってますっぽ。

──細かいこだわりが感じられます。さて、4月にはINCUBUSのマイク・アインジガーと共作した「Bestie」が配信リリースされ、6月にはTHE WARNINGとの対バン公演のステージでコラボ曲の「SHOW THEM」も初公開されていて、さらにこの「Protect You」が登場。こうして続けざまに新曲が出てくると、この先に登場するアルバムに向けての期待感も否応なしに高まってきます。

KANAMI:ありがとうございます。実は、やっと終わったんです、レコーディングが!

──それは朗報ですね。皆さんおつかれさまでした。その全貌についてはまた機会を改めてじっくり話を聞きたいところですが、こちらとしてはどんなアルバムを期待していたらいいでしょう?

KANAMI:今回のアルバム制作って、結構長期的に行なわれてきたんです。なんだかもう今となっては、いつから始めたのか憶えてないくらいの感覚なんですけど(笑)、そういう意味ではかなり前に作った曲、リリースのタイミングじゃなかったから出さずにいた曲も含まれていて、なおかつホントにごく最近になって作った曲も入っていて。だから作曲面ではここ数年間のいろんな変化が反映されているはずだし、そういう面白みがあるんじゃないかなって思ってます。いい意味で統一感がないというか。各曲にいろんな時期の記憶が詰まっていて「この曲を作った時はこんなことがあったな」、「あれはアメリカツアー中だったな」、「この時期の小鳩はcluppoをやってたな」とか、自分でもいろいろと思い出されるものがある作品になっていて。

AKANE:ドラムの場合、最初に録るものなので、実は去年の4月ぐらいから半分以上ぐらいは録っちゃってたんですけど、やっぱりその時期に使っていた機材とか自分の叩き方とか、そういうのを思い出しちゃいますね。この間ミックスをしてた時に「あ、あの時の音だ!」という記憶がすごく自分の中で蘇ってきて。やっぱり今現在の自分の音とは、いい意味で違いがあるんです。去年の自分の音はその時点でのベストだし、今の自分なりのベストな音というのもあるので。楽曲によって叩き方を変えてるというのもあるんですけど、なんかそういった違いが鮮明に出ていて面白いな、と。そういった違いも伝わるといいなあと思ってます。

MISA:さっきのメリハリの話にも繋がってくるんですけど、今までの私は「詰め込みベースライン」みたいなのが多かったんですけど、今回は自分なりにベーシストとしての気持ちの変化みたいなものもあって、たとえば、細かい話になるんですけど、これまでだったら16分で弾いてたはずのものを8分で弾いてたりとか、やっぱりいろんな変化があって。重たく聴こえること、聴き手の耳に残りやすくなることを意識しつつもシンプルにはなりすぎず、みたいな。そういうことをすごく意識するようになってからの経過が詰まったアルバムになってると思います。このアルバム制作中に芽生えたものとか、そこで経てきた自分の成長とかも反映されているはずですね。

SAIKI:私が今の時点で言えることは……これは今までのアルバムにはなかった点ということになりますけど「私が書いた歌詞が結構ある」ってことじゃないですかね(笑)。

(一同拍手+嬌声)

──「一同拍手」と書いておきますね。

SAIKI:ぜひ書いといてください(笑)。

実際、そこがこの2~3年で私の中で変わったところですし、小鳩が作り上げてきたBAND-MAIDの歌詞の世界観の中に、小鳩にはない私ならではの……思い切りの良さというか「言いたいこと言っちゃえ!」みたいなところは出せてるかなって(笑)。それがアルバムの彩りにもなったかな、とは思っているので楽しみにしてて欲しいですね。

──「かかって来いよ!」感が出ているということでしょうか?

SAIKI:そうですね。「黙って聴けよ!」感というか(笑)。

KANAMI:新しいワードが出てきた!(笑)

小鳩ミク:でも実際、小鳩には出せないワードというのが加わってきて、より華やかさが増した部分があるなって思いますっぽ。今回のアルバムには、やっぱり長く時間をかけて育ててきた楽曲が多いですし、ようやくアルバムに入れられる楽曲というか、「お給仕ではもうやってるけど実はまだどこにも入ってなかったんだよ!」っていうのが何曲もあるので、そこも楽しみにしていて欲しいですっぽ。これまでは、アルバムが出た時点で初出しになる曲の割合が結構高かったんですけどっぽ、アルバムを聴いた時に「あっ、これはお給仕で聴いたことのある曲だ」と気付いたり、「これはこういう歌詞だったんだ」「実はこういうアレンジになってたんだ」という楽しみ方ができるものになってるんじゃないかなって思いますっぽ。そういう意味では、今だからこそできた制作方法で作れたアルバムでもあると思いますっぽね。あと、他のアーティストさんと一緒に作ったものが入ってるアルバムも初めてですっぽ!

SAIKI:それはもう史上初ですよ。そういう意味でも新しさを感じてもらえるはずだと思います。いちばん変わったのは……私たちの気持ち的に「アルバムを発売するまで、教えたくない」っていうのがあったじゃない?

小鳩ミク:あったっぽ!

SAIKI:リリースして、聴いてもらって、そこで初めて知って驚いてもらうというか。それに対して今はお給仕もしっかり復活してるので、その中で曲を育ててきて、その過程の中で育まれてきたいろんなアーティストとの繋がりもみんなに見てもらって……。だから前もって「私たち、こういうものを出します!」ってことを堂々と言えるようになったというか、そうしたくなるような作品になったってことだと思います。

小鳩ミク:うん。ホントに今だからこそできること、10年やってきたバンドだからこそできることが詰まったアルバムになってると思いますっぽ!

取材・文◎増田勇一

「Protect You」


配信リンク:https://BAND-MAID.lnk.to/ProtectYou

Words:MIKU KOBATO 
Music & Arrangement: BAND-MAID

TVアニメ『グレンダイザーU』

オフィシャルサイト:https://grendizer-official.net/

テレ東にて7月5日から毎週金曜深夜1時23分からスタート
BSテレ東にて7月10日から毎週水曜深夜24時30分からスタート
アニマックスにて7月27日から毎週土曜夜11時00分からスタート
AT-X 7月11日から毎週木曜21時30分からスタート
(リピート放送 毎週月曜9時30分~/毎週水曜15時30分~)

『Epic Narratives』

2024年9月25日(水)発売

■完全生産限定盤[CD+Blu-ray+LIVE PHOTOBOOK]
PCCA-06328/税込¥12,100
特殊仕様

■初回生産限定盤[CD+DVD]
PCCA-06329/税込¥8,800
通常仕様

■通常盤[CD only]
PCCA-06330/税込¥3,300
通常仕様

【収録内容】
[CD]各形態共通
全14曲収録予定
Memorable
Shambles
Bestie
Protect You
SHOW THEM *BAND-MAID with The Warning
Toi et moi
Magie
Forbidden tale
Go easy
Brightest Star
The one
Letters to you
TAMAYA!
Get to the top
*収録曲順は後日発表いたします

[Blu-ray/DVD]
※完全生産限定盤、初回生産限定盤のみ付属
2024年5月10日開催「THE DAY OF MAID」お給仕(ライブ)映像
ご予約はこちらから:
https://band-maid.lnk.to/EpicNarratives_CD

■早期予約特典「Seasoned」収録CD
予約対象期間:2024年7月14日(日)〜2024年8月7日(水)

■ショップ別オリジナル特典
・Amazon.co.jp:巾着
・タワーレコードおよびTOWER mini全店、タワーレコードオンライン:レコードキーホルダー
・全国HMV/HMV&BOOKS online:缶マグネット
・楽天ブックス:ビニールスライダーケース ※オリジナル配送BOXでお届け
・セブンネットショッピング:アクリルコースター
・Neowing:A4クリアファイル
・ポニーキャニオンショッピングクラブ、その他法人:ポストカード

■楽天ブックス「BAND-MAIDオリジナル配送BOX」につきまして
※楽天ブックスにて対象商品をご購入いただいたお客様限定で、オリジナルデザイン仕様の“BAND-MAIDオリジナル配送BOX”で商品をお届け

ライブ情報

<BAND-MAID番外編お給仕 Medium in Summer>
8月30日 Spotify O-EAST
https://bandmaid.tokyo/contents/766655

<BAND-MAID ZEPP TOUR 2024>
11月2日 ZEPP NAGOYA
11月3日 ZEPP OSAKA BAYSIDE
11月25日 ZEPP HANEDA
11月26日 ZEPP HANEDA
https://bandmaid.tokyo/contents/763114

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