【インタビュー】トリヴィアム、マシューが語る「日本のバンドだと思ってほしい」
トリヴィアムが4月24日、アルバム『ホワット・ザ・デッド・メン・セイ』を全世界同時リリースした。国内盤にはボーナストラックが2曲追加収録されるほか、店舗購入特典としてメッセージ入りステッカーが付属。彼ららしい日本語によるメッセージにも注目だ。
◆トリヴィアム (TRIVIUM) 動画
結成から20年。グラミー賞ノミネートをはじめとする華々しい経歴を誇るフロリダ出身バンドの9thフルアルバムには、21世紀ヘヴィミュージックシーンの最先端をひた走る彼らの現在が反映された。メンバーは、アルバムについて以下のようにコメントしている。
「『ホワット・ザ・デッド・メン・セイ』はトリヴィアムらしいアルバムになっている。過去、現在、そして未来のトリヴィアムの特有な要素が詰まっている。このアルバムで俺たちがやったこと全てが、“トリヴィアムのサウンド”だと言えるだろう」──マシュー・キイチ・ヒーフィー(Vo, G)
「前作で築いたものを土台に構築したかったんだ。このアルバムには、トリヴィアムの要素全てがある。同時に、創作面で自分たちを駆り立て続けたかった。それにより、インスピレーションに溢れ、曲作り/レコーディング・プロセスもスピーディーだった。このバンドのエネルギーを捉えてる」──コリィ・ビューリュー(G)
「ニュー・アルバムでは、前作『ザ・シン・アンド・ザ・センテンス』でやったことを取り入れて、よりパワーアップさせている」──パオロ・グレゴリート(B)
以下は、フロントマンであるマシュー・キイチ・ヒ―フィーの単独インタビューであり、所属レーベルであるワーナーミュージック公式LINEアカウントで実施した生配信番組で放送されたもの。アルバムへの確かな手応えが語られている。
◆ ◆ ◆
■今は全世界が大混乱に陥っているけど
■難局を乗り切っていくと信じている
──まず、日本メタルシーンの印象や、フェイバリットバンドについて教えてください。
マシュー:日本のメタルシーンは日に日に進化している気がする。素晴らしいメタルバンドがものすごく多いよ。個人的にはこの世で一番好きなバンドの一つであるマキシマム ザ ホルモンだったり。以前、日本でのフェスで初めて見たんだけど、まさに衝撃的で、彼らのやっていること全てが好きさ。Crossfaithも素晴らしいバンドだし、Crystal Lakeも、HER NAME IN BLOODも最高だ。日本発の目覚しいバンドがとても多い。日本でもライブショーの文化が進歩しているようだね。だから俺もぜひ仲間に入りたいと思ってる。数えるほどしか日本へは行ったことないし、新型コロナウィルスの影響で公演もキャンセル(<KNOTFEST JAPAN 2020>)となって、今、ものすごく悔しいけど、そのうち行けるようにと、願っているよ!
──日本のメタルファンについては?
マシュー:今、日本のみんなにぜひやってもらいたいことがあるんだ。それはトリヴィアムを日本のバンドだと思ってもらうこと。簡単だよな、ただ思い込めばいいんだし、俺は日本人でもある。トリヴィアムを日本のバンドとして呼んでくれれば、その分ツアーをもっと出来るんじゃないかな!
──アルバム『ホワット・ザ・デッド・メン・セイ』が全世界同時リリースされましたが、聴きどころは?
マシュー:最も注目すべきポイントは、トリヴィアムの強みがアルバムの隅々までに染みこんでいるということだ。バンドが持つ魅力の全てがこの作品にぎっしりと詰まっているという意味では、まさにトリヴィアムサウンドであり、俺たちの存在そのもの。トリヴィアムにとって、ファンの幸せは俺らの幸せでもあるんだ。
──では、次回ツアーで日本に訪れたらやりたいことは?
マシュー:食べて飲むこと、それだけさ! 俺は日本の食文化が大好きなんだ。街を歩いているときに、焼き鳥屋から漂うあの香り……たしか炭火焼の匂いだったと思うけど、恋しいよ。日本でのいい思い出は全て食べ物に関わっていてね、居酒屋なんか宇宙で最も好きな場所のひとつだし。
──日本の食文化が好きな理由は?
マシュー:みんなで同じものを食べながら、同じ体験をするということさ。今、日本にいないという現実が辛い限りだ。<KNOTFEST JAPAN 2020>の開催延期は本当に悔しいし、日程が再調整されて、また行けるようになることを願っている。友人と食べて遊んで観光したいね。
──アルバムタイトル『ホワット・ザ・デッド・メン・セイ』の意味を教えてください。
マシュー:リスナーそれぞれに、自分なりの解釈と意味を見つけてもらいたいんだけどね、実際は。ただ、『ホワット・ザ・デッド・メン・セイ』という言葉は、パオロ(B)がフィリップ・K・ディックの小説を読んでいてね、その中のタイトルがとても気に入ったことがきっかけさ。楽曲もその小説を改作したり、インスパイアされている部分が多少あったり。だからこそ、リスナーたちがイマジネーションを膨らませながら、自分なりに楽曲を解釈して欲しいんだ。
──アートワークも同様ですか?
マシュー:そう。クリエイティビティをみんなが発揮して、その意味を見つけて欲しいんだけど、ジャケット写真は燃え上がる花の写真であることに間違いない。それが、燃え始めたばかりなのか、焼き払われたのかは分からない。俺がこのアートワークが好きな理由は、俺ら自身でさえ、何なのか分からないところなんだ。お花なのか、腐った果物なのか、オーガニックなのか、エイリアンなのか。みんなには、どう見えるか考えてみて欲しいな。
──最後に、日本のファンへメッセージをお願いします。
マシュー:コンニチハ、キイチです。元気ですか? 今回は日本に行けなくて本当にすまない。みんなも知っていると思うけど、今は全世界が大混乱に陥っている。でも、きっと日本は団結して、順調にこの難局を乗り切っていくと信じているよ。そのうち日常は戻ってくるだろう。またトリヴィアムを呼んでくれ! たった一本の公演じゃなくて、日本で20日間のツアーをさせてくれよ。一回に一度のみの公演をするのはもう飽きたんだ。それにはファンのみんながトリヴィアムを広めてくれないといけない。そして、その一環としてみんながすべきことは、トリヴィアムを日本のバンドだと思ってくれること。そうしてくれれば、一日中、毎日、毎年、公演するから! アリガトウゴザイマシタ、マタネ!
■9thフルアルバム『ホワット・ザ・デッド・メン・セイ / What The Dead Men Say』
WPCR-18333 ¥2,273(税抜)
CD予約 / ダウンロード / ストリーミング:https://RRjapan.lnk.to/TriviumWTDMSPu
01. IX / IX
02. What The Dead Men Say / ホワット・ザ・デッド・メン・セイ
03. Catastrophist / カタストロフィスト
04. Amongst The Shadows And The Stones / アマングスト・ザ・シャドウズ&ザ・ストーンズ
05. Bleed Into Me / ブリード・イントゥ・ミー
06. The Defiant / ザ・ディファイアント
07. Sickness Unto You / シックネス・アントゥ・ユー
08. Scattering The Ashes / スキャッタリング・ジ・アッシュズ
09. Bending The Arc To Fear / ベンディング・ジ・アーク・トゥ・フィア
10. The Ones We Leave Behind / ザ・ワンズ・ウィ・リーヴ・ビハインド
▼ボーナストラック
11. Bleed Into Me (Acoustic) / ブリード・イントゥ・ミー (アコースティック)
12. Scattering The Ashes (Acoustic) / スキャッタリング・ジ・アッシュズ (アコースティック)
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