【ライブレポート】"これぞ!プログレ!"の真髄を見せつけたブリット・フロイド初日公演
ピンク・フロイドのトリビュート・バンド、ブリット・フロイドの初来日公演が2月26日(水)に東京・中野サンプラザにて行われ集まった2,000人のオーディエンスを沸かせた。本記事では、オフィシャルから届いたレポートを掲載する。
ブリット・フロイドはリーダーのダミアン・ダーリントンが2011年に英リヴァプールで結成したピンク・フロイドのトリビュート・バンド。ピンク・フロイドのサウンドのみならず照明や舞台演出までも完全に再現し、これまで世界各国で1,000回以上も公演を行い200万人以上を動員している。
会場となった中野サンプラザは、かつて70〜80年代にかけて洋楽ロックのコンサートが数多く開かれてきた場所だ。いわば往年のロックファンにとっての聖地であり、会場には元プログレ小僧が大挙して集結した。時節柄、大半がマスク着用だが、これから始まる饗宴にワクワクしてる様子が伝わってくる。
ステージには、半円形の巨大なスクリーンが設置され、その中に置かれた円形のモニターに、2台のハンマーが交差した映像が映し出される。アルバム『ザ・ウォール』のミュージックビデオに登場するキャラクターだ。初来日となった今回の公演は、2019年に英国でスタートした『ザ・ウォール』40周年記念ワールド・ツアーの一環。ここからの5曲は同アルバムの冒頭5曲と同じ並び。1980年の<The Wall Performed Live>ワールドツアーのセットリストの再現だ。集まったオーディエンスもコアなピンク・フロイド・ファンゆえ、「アナザー・ブリック・イン・ザ・ウォール」などのイントロが奏でられた瞬間、大きな歓声が上がる。第1部の後半は1973年に発表された名盤『狂気/The Dark Side of the Moon』からの選曲。「タイム」「マネー」とおなじみの曲が次々に演奏され、アニマルズ収録の「シープ」で前半は終了した。
ブリット・フロイドは、デヴィッド・ギルモア・パートを担うリーダーのダミアン・ダーリントン他、8名のバンド・メンバーで構成されている。ショウを支えるのは映像、照明と音響のスタッフ。彼らもブリット・フロイドの重要なメンバーで今回は総勢20名の大所帯で来日している。半円形と円を組み合わせたスクリーンには、『ザ・ウォール』コーナーではブリック(レンガ)が徐々に積まれていく映像や、ミュージックビデオに登場する花弁や巨大なロボット・クリーチャーや戦闘機等が映し出される。そこへムービングライトやレーザービームの照明群が交差し、目にも鮮やかなステージが構築された。
インターミッションを挟んで後半のステージは、アルバム『鬱/A Momentary Lapse of Reason』に収められた「Yet another Movie/空虚なスクリーン」からスタートし、再び『ザ・ウォール』収録曲が3曲続く。初期メンバー、シド・バレットのことを歌ったとも言われる「クレイジー・ダイアモンド/Shine On You Crazy Diamond」では、スクリーンにシド・バレットの写真が映し出され、これには目に涙を浮かべるファンも。さらに「あなたがここにいてほしい/Wish You Were Here」では、結成当時のオリジナル・メンバーのモノクローム写真を投影。ブリット・フロイドのピンク・フロイドへのリスペクトぶりを雄弁に語るシーンだ。もちろんオーディエンスも大喜びで場内は徐々にヒートアップ。そこへ畳み込まれたのが、名曲「吹けよ風、呼べよ嵐/One of These Days」だ。冒頭の風のSEから場内は騒然。ロジャー・ウォーターズ・パートを担うイアン・カッテリィの刻むベースに、ダミアン・ダーリントンのスライド・ギターが絡み他の楽器が次々と被さる。そこへムービングライトとレーザービームが交錯。音と光の目眩く洪水に2,000人のオーディエンスは陶酔状態に至った。
ラストナンバー「コンフォタブリー・ナム/Comfortably Numb」では、患者のピンクを医師が投薬処方するという原曲の設定通り、白衣を着たイアン・カッテリィがステージ中央で患者を診察するシーンを演じる。シアトリカルな演出に続いてダミアン・ダーリントンがギター・ソロを弾き、天井からはミラーボールが降臨。光と音が爆ぜる圧巻のパフォーマンスを披露し、客席もスタンディング・オベーションで応えた。
この日のアンコールは「ラン・ライク・ヘル/Run Like Hell」。アルバム『ザ・ウォール』曲で始まったコンサート、最後は同アルバム収録曲で締め、2時間30分超に及んだ"これぞ!プログレ!"の真髄を見せつけたブリット・フロイドの初日公演が終了した。
ブリット・フロイドのコンサートはこの後、2月27日(木)に中野サンプラザ、28日(金)にはLINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)で開催され、当日券も販売される。なお、各会場には入場口等に手指消毒剤を設置されており、ご入場時に手指消毒の実施にご協力をお願いしたい。ご来場を予定されているお客様におかれましても、感染症予防対策の趣旨をご理解いただき、 咳エチケットをお守りいただき、咳・くしゃみなどの症状がある方は必ずマスクをご着用の上、ご来場いただきたい。
PHOTO BY:旭 里奈
■<〜The World's Greatest Pink Floyd Tribute Show〜 Brit Floyd “40 YEARS OF THE WALL” In Japan 2020>
2020年2月28日(金)17:30開場/18:30開演 LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)
出演
Brit Floyd - The World's Greatest Pink Floyd Tribute Show
※PINK FLOYDメンバーの出演はございません。
チケット価格(税込/全席指定):9,900円
※発熱、咳、全身痛などの症状がある場合は、必ずご来場の前に医療機関にご相談いただき、指示に従って指定の医療機関にて受診してください。ご無理のないご判断をお願いいたします。
※咳エチケットをお守りください。咳、くしゃみなどの症状がある方は必ずマスクをご着用ください。
※手洗い、うがいの励行をお願いいたします。
<会場での対応策について>
場内係員につきましてはマスク着用の上、対応させていただく場合もございます。予めご了承くださいますようお願いいたします。
入場口等に手指消毒剤を設置しております。ご入場時に手指消毒の実施にご協力をお願いいたします。また、こまめな手洗い、うがいの実施をお願いいたします。
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